あらすじ
秘密指定解除が進む米国の公文書を解読し,戦後最大の疑獄事件であるロッキード事件に新たな光を当てる.「田中角栄逮捕は米国の虎の尾を踏んだから」説の真相,CIAと児玉誉士夫との関係,中曽根康弘と米政府との知られざる秘密などを探った傑作ノンフィクション.第21回司馬遼太郎賞受賞作,待望の文庫化.(解説=真山仁)
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Posted by ブクログ
角さんは確かに「虎の尾」を踏んだのだと思う。問題はその虎が誰なのか?一般的にはアメリカと言われているが、アメリカにしてみれば貿易不均衡是正に尽力してくれているわけだから、逮捕させるよりも泳がせておいたほうが都合がいい。だとするとアメリカという国家規模で見るのではなく、個人レベルの恨みと見るのが自然。個人といえばやはりキッシンジャー。前半の件で見るキッシンジャーの人間像は、「戦勝国よろしく上から圧力」は微塵も感じない。むしろ角さんをリスペクトするような言動が散見された。なのに機密事項を平然と漏らされたら当然「憎さ100倍」。まあ想像ですけどね。でも機密解除というからこれぐらいのレベルの真相は期待してた。このモヤモヤ感は・・・まさか著者の虎の尾を踏んだか?
Posted by ブクログ
米国で解除となった公文書からロッキード事件、未公開のものもあるなか40年経過した中間報告として書かれていました。
話が前後して読み辛かったので時間がかかりました。
「虎の尾」を踏んだ説はどうも違うようでしたが、発言
、政策など米国の受ける印象は難しかったよう。
全体像はよくわからないままでしたが、発覚の経緯、日米関係、貿易不均衡、企業と政府、それぞれの立ち位置に読み込んでしまったのは、公文書が想像より細かく書かれていたからかもしれません。
Posted by ブクログ
以前、真山仁による「ロッキード」を読んだ。本書のサブタイトルには「田中角栄はなぜアメリカに嫌われたのか」とあり、こちらは陰謀説の視点か?と思い読んでみた。しかし本書では陰謀が原因ではないが「そういう見方が日本で流布した」ことによる影響は残ったとしている。ちなみに真山氏は本書に解説を寄せている。
時を経て公開されるようになった膨大な公文書から当時の関係者たちの思惑と政財界の動きを掘り下げている。真山氏の著書は日本側の世論形勢を中心に据えていた印象だが、本書は主にアメリカ側の動向と視点を中心にしている。
サブタイトルの「アメリカに嫌われた」は、本書の主役の一人であるヘンリー・キッシンジャーが田中角栄が「あることないこと」を日本の報道陣にリークする気遣いのなさを嫌っていて、立場上うやむやにしておきたかった日米双方の政局に影響するロッキード事件の追求による田中氏への追求を黙認した可能性はある、と結んでいる。