【感想・ネタバレ】大阪の生活史のレビュー

あらすじ

150人が語り、150人が聞いた大阪の人生。大阪に生きる人びとの膨大な語りを1冊に収録した、かつてないスケールで編まれたインタビュー集。

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Posted by ブクログ

話し手・聞き手が、もしかしたら大阪のどこかですれ違っていることを考えるとぞくりとする。
もっと近くの客かもしれない、隣人かもしれない、友かもしれない。

なんて濃ゆい本なのか。

韓国のチョン・セランの小説「フィフティ・ピープル」のように、無意識のうち人間は交差し、複雑な織り目を作っていくのだろうな
 
人間の関係て相関図に表しきれないもだとハタと気がつく。フィフティ・ピープルの本を読みながら相関図を作ってみて思った。線だらけになって何を書いているのかわからなくなった。

聞き取りという作業は、布のようにびっちり絡まった織り目の糸の一本を、丁寧に掬い上げることにも思える。
その人(一本の糸)を見ていく本。

『あとがき/岸政彦(抜粋)』
東京でも沖縄でも、いつも書くことなのだが、この『大阪の生活史』でも、やはり同じことを書きたい。
この本に、私が付け加えることは、何もない。
とにかくもう、読んでください、としか言いようがない。一五〇人の生活史はどれも、ほんとうに、しみじみと、ただおもしろい。ここにはあらゆる喜びがあり、あらゆる悲しみがあり、あらゆる希望とあらゆる絶望がある。ここには大阪という街がある

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2025年01月02日

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