あらすじ
話題の作家・保坂祐希の新作は、シニア女性版『あらしのよるに』!?
佐伯真理子(76歳)は、台風の夜、庭に倒れていた加代(73歳)を助け、しばらく一緒に住むことに。
節約、節制を続け、面白みのない毎日を過ごしていた真理子にとって、破天荒で、金遣いも豪快な加代の存在は、新鮮で刺激的!
ずっと一緒にいたいと思った時、加代の正体が判明する。
なんと加代は、真理子が30年間、恨み続けた存在で……?
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Posted by ブクログ
転がり込んできた加代の
「明日死ぬかもしれないのに?」は
まるで呪文のようだ。
長生きしたいとは思わないけど
健康ではありたいし
慎ましすぎる生活よりは
美味しい物食べたいし、
たまには旅行にも行きたい。
そして、
それらを共に楽しんでくれる連れ添いや
友達は自分のそばにいて欲しい。
孤独を孤独と認めずに生きてきた
真理子にとって
加代とのハチャメチャだけど
楽しく過ごせた日々が
如何に今の自分にとって
大切な存在かと気がついた時
例えそれが憎んだ女だったと知っても
加代の思いをくみ取ったときに
全て昇華したかのようで
歳をとってからでも意気投合し、
まして共に生活をしようとまで
思える友達が出来るなんて
素敵だなぁと思うし
痛みを分かち合いながら
好きな男の思い出話をしながら
今日もスーパーにお買い物行く2人を
想像すると微笑ましくもあり
羨ましくもあり泣けちゃいました。
Posted by ブクログ
読み始めると、なんとなく構成が見えてきます。それを裏切られるわけでも無く、予想道理のオチで進んでいきますが、ポイントはそこではなく、70代のこの世代の二人のやりとりがとても面白く、中盤からは一気に読みました。
もしくは、歳をとっても単調な生活と感じている年配者(私など)には少なからず思い当たる節があり、共感を感じるシーンがあるのかもです。
同じ男性を愛していたことや、その二人が仲良く生活する、また娘さんの出来過ぎさ等、ドラマ仕立て感は否めないですが、それでも、
とにかく、言いたいのは、不覚にも涙腺が緩んでしまったと言うことです。
合掌
Posted by ブクログ
どうやら自分はお年寄りが主人公のお話が好きらしい。登場人物が人生を積み重ねていることで、物語に厚みが出るのだろうか。
このお話では、旦那によそで女をつくって出て行かれた真理子と、突然真理子のもとに現れた加代の旦那が同一人物だった、ということがわかる。
旦那が死ぬ間際に真理子への想いを口にしたことで、加代が亡き夫の意向を大切にしようと真理子の家を訪れた。
もうこれだけで泣ける。
しかもこれをやってるのがおばあさんというところも泣ける。
おばあさんというだけでスパイスがひとつ加わる気がする。
お年寄りはずるい。
あと、真理子のように年金暮らしでつまらない日々を送っているおばあさんが、加代のようなスーパー明るいおばあさんと一緒にいることで明るく楽しい日常を送るのもいい。
さらに、加代がいなくなってそのギャップで寂しくなっちゃうのもやばい。
親孝行、祖父母孝行したくなっちゃう。
やはりお年寄りが主人公のお話はいい。