あらすじ
「僕はずっとヨシダさんからの連絡を待っています」
いわくつきの廃墟の数々を共に巡った親友・ヨシダさんは、恐怖に呑まれ、あの世とこの世の狭間に引きずられていってしまいました。
<第11回ネット小説大賞受賞!>
“僕”とヨシダさんの身に起こった不可思議な体験を集めた短編集。5万字超の書き下ろし加え、Web発の怪作が待望の書籍化!
【目次】
はじめまして/K病院/丑の刻参り/廃校であった怖い話/三ツ寺(ミッテラ)鉄仮面少女/二十世紀の聖域/東京夜走老婆/日本橋(ポンバシ)漂流少年/二十一世紀の聖域/再会/死神/人形塚/MOTHER/おわりのごあいさつ
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
なんだこれ…すごく面白い。そして、すごく怖い…
読み進めていくうち本の世界観に、のめり込んでしまい脳内で恐怖が再生させられてしまう。
読み始めたら止まらず一気読みしてしまいました。
文章も印象的で、表現が怖すぎる。
特に音の表しかたが好きで、すぐ側で聞こえてきそうな気がして、ゾッとしました。
文字でこんなに怖くなってしまうとは思わなかった。
怖い思いしたい方、この本はオススメです。
Posted by ブクログ
このタイトルからは想像のつかない、奥行の深さ。
そして、非業の死を遂げた者の強力な念と、その恐ろしさ。きっかけはいつも生身の人間の欲望と、汚らわしい嫉妬心。筆舌に尽くし難い不条理が、その土地に残留し、漂う思念となり、恐ろしい障りを生む。余りに悲痛で、余りに恐ろしい怪異譚。
ヨシダさんが、元の姿に戻られる事を心より祈念しております。
Posted by ブクログ
タクシー運転手という職業ゆえに出くわしたことがある奇妙なこと怪異なことの体験を語っていくアンソロジーかと思いきや、それらは単に枝葉でメインになるのはそのタクシー運転手のヨシダさんのことを慕う主人公「僕」の目線で描かれる、ヨシダさんの呪われたファミリーヒストリーを描いていく長編だった。ヨシダさんと「僕」のわちゃわちゃしたやり取りや、マンガで使われるような擬音の多用、胸糞悪くなるような虐待場面の表現などが自分にはあまり好きではなかった。どっちかというと読もうと思った動機である「怪奇話集」で通して欲しかったが、終盤の怒涛の展開の熱量は凄まじく、これこそ著者は書きたかったんだろうなぁと思った。