あらすじ
貧困×ジョブ理論=眠れる巨大市場。
これからの時代、真に成長が見込めるのは
買えない/買わない人々の「無消費経済」である――
Appleのジョブズ、Amazonのベゾスらに影響を与えた
イノベーションの巨人、最後で最高の著作!
※『繁栄のパラドクス 絶望を希望に変えるイノベーションの経済学』改題・改訂版
◆中国の家電メーカーはなぜ世界の電子レンジ市場の40%を占めるまで成長したのか?
◆社員5人のスタートアップは、いかにしてゼロからモバイル通信網をアフリカ各国に普及させ 34億ドル規模の会社になったのか?
◆ソニー、トヨタはどのように「無消費経済」から世界的成長を見せたのか?
日本ほか世界各国の事例とともにイノベーションの本質をひも解く、
今こそ読みたいビジネス書のマスターピース!
表面上は望みのない状況に見えても、その裏に、成長の期待できる新市場が控えていることはよくある。この知見は、これまで好機に巡り合ってこなかったイノベーターや起業家にとっても重要だ。消費経済ではなく無消費経済に集中することは、企業の新たな成長エンジンに点火するすばらしい機会になりうる。
電気のない村に暮らすアフリカの約6億人を極貧の指標として見るのではなく、巨大な市場創造の好機として見るべきなのだ。絶望ではなく、イノベーションを招いているのだ、と。
(本文より抜粋)
【クリステンセン教授への日本版特別インタビュー収録】
*本書は、ハーパーコリンズ・ノンフィクションから配信されております『繁栄のパラドクス』の新装改訂版となります。 本編に変更はありませんので、重複購入にご注意ください。
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Posted by ブクログ
クリステンセン教授の最終作に当たる本作。
相変わらず教授の本は面白い…。
主題は「貧困市場のイノベーション」かな。
一般に貧困な土地というのは顧客が見込めず、ビジネスが成長する土台も存在しない。グローバル化によって労働市場が世界に広がったとはいえ、後進国は企業の下請けをするのみで発展することはない。
(ここらへんマレク・レビンソン『物流の世界史』とは真逆の意見で面白かった。クリステンセン教授にとってのイノベーション(発展)とは持続的なものなので、後進国自らがモノ・コトを生み出さなくてはならない、という意見だから当然なのだけど)
だから、後進国を発展させるためには「ただトイレを設置するだけ」では不十分。水のインフラや使用者のニーズを明確にする…こういった導線を作り上げることで、ようやく国民はトイレを使うようになる。
もちろんこういった導線を作り上げることは大変だが、一度成功すれば金脈のように巨大市場を得ることができる。というのが本書の大筋かな。
後進国に対し援助だけでは上手くいかない、というのは相当前から言われていて、もし発展させるためにはサイクルを回し続ける(つまり持続的な成長だ)しかない。
そしてそれは市場から生まれる発展型のイノベーションしか有り得ない。という感じでした。オススメです。