あらすじ
経済安全保障とは何だろうか。日本企業にとっての経済安全保障の出発点は、米中競争を背景にアメリカや中国、欧州が繰り出す輸出規制や制裁・関税措置などがもたらすリスクを抑えることにある。本書ではさらに一歩進み、企業が経済安全保障をコンプライアンス(法令順守)に加えて事業チャンスに転換させる「攻めの経済安全保障」を考える。経済安保や地政学に関心がありながらも、何をどう理解したらよいか分からない人に、見通しとアクションをもたらす1冊。著者はテレビ局、インターネット企業を経て現在はNECグループのシンクタンクで働き、ビジネスとパブリックマインドの両立という課題に取り組む。日本を変えたいと思う日本人に、本書の経済安保を通じた意識改革と協働を呼びかけるメッセージが届くことを願う。 〈目次より〉第1章 経済安全保障とは何か 第2章 攻めの経済安全保障へ 第3章 企業にとっての台湾有事リスク 第4章 デジタル安全保障――「データの武器化」とデジタル敗北 終章 経営に活かす経済安保インテリジェンス
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Posted by ブクログ
経済安全保障って何?というところからスタートする本。
日本の経済安全保障はコンプライアンスや守りの姿勢が強いけれど、攻めの姿勢のあり方やデジタル安全保障についての考え方が示されています。
■経済安全保障の目的
自律性(特定国からの影響を避ける)と不可欠性(相手にとって不可欠な存在となって優位な立場をとる)に集約される。
■米国と日本の姿勢の違い。
米国は攻撃的、日本は守備的な色合い。
攻撃的とは、経済制裁、輸出規制など覇権的地位を維持しようとする国家安全保障の考え方がベースにある。
■OFACとEAR
OFACは海外への米ドル送金において取引相手に制裁国が含まれていないかを確認する米国規制。
EARは重要技術14分野の品目の輸出を規制する米国規制。
■台湾有事リスク
2027年が一つのマイルストーン
■日本の経済安全保障推進法
特定重要物資とされている12分野は、抗菌性製剤、肥料、半導体、蓄電池、永久磁石、重要鉱物、産業ロボット、航空機部品、クラウドプログラム、天然ガス、船舶部品、先端電子部品