あらすじ
鳥居きみ子の夫は、「知の巨人」ともいわれ、明治から昭和時代にかけて活躍した人類学者、鳥居龍蔵です。彼の生涯や研究業績を紹介した本はたくさんありますが、きみ子のことはこれまで紹介されたことがほとんどありません。じつは、「家族とともに調査・研究する」という形で、女性の活躍が厳しい時代を生き抜いた先駆的な研究者なのです。人類学のなかでも、昔から伝わる生活・風習・伝説・歌などを調べる民族学を切り開きました。その生涯をはじめて伝える一冊です。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
鳥居きみ子さんのことは全然知らなかった。この時代の女性がこれだけのことをするために、どれ程の罵倒や陰口を浴びせられ、払い除けたのだろうと想像すると、ますますその偉業が明らかになる気がした。このような女性が、実は他にもいたのかもしれない。女ということで補助的な役割として埋もれているのかもしれない。もう助手というより共同研究者だ。もっとその功績を広めてもいい人だと思った。
Posted by ブクログ
第71回青少年読書感想文全国コンクール
中学校の部
児童文庫の伝記の良さが詰まった一冊だった。
きみ子の潔い性格と生き方にぐいぐい物語の中に引き込まれた。学者として、女性として、母として、本当につよくあたたかく素晴らしい人だと思った。
龍蔵の言葉だけど、「わたしあるのは、わたしだけだ。」といったのがすごく心に残った。
中学生の部の3冊の中で、わたしはこの本が一番だった。"いかにも伝記!!"な、書体と紙質も、デジタルでは感じられない良さだなぁ。子どもたちにもぜひ3冊の書体と紙質の違いも感じて欲しいな、なんて。
Posted by ブクログ
2025年中学校課題図書。人類学者鳥居きみ子の伝記。夫、鳥居龍蔵と出会い、人類学を共に学び、現地でのフィールドワークを大事に研究を進めたバイタリティーあふれる女性。何より素晴らしいと思ったことは、モンゴルの人たちの文化や歴史に敬意を持って、対等に温かい気持ちで接していたこと。感動的な伝記。、
Posted by ブクログ
鳥居きみ子さんという人を知らなかったので、読めてよかった。課題図書は、こういう自分じゃなかなか手に取らない本を読むきっかけになるのがいい。
人類学の世界的権威である夫の鳥居龍蔵と子どもたちとともに、徒歩、牛、馬を使ってモンゴル、中国、遼をフィールドワークしていった人。
子育てをしながら、フランス語、中国語、モンゴル語を使いこなし、音楽学校に通った経験を活かして現地で覚えた歌を楽譜に書き起こすなどしている。
龍蔵は好きなことしかしてないけど、好きなことに誠実でいい。
Posted by ブクログ
2025年課題図書(中学校の部)と言うことで読みました。
最近は、朝ドラでも妻に焦点が当てられる作品が多く、こちらも同じ流れでしょうか?
私は鳥居龍蔵も知らなかったので、課題図書でなければ手に取ることはなかったかな...
明治や大正時代に海外のしかも山奥に赤子を連れて行くなんて、無謀としか思えず、そう言う人だから、成し得た事なのかな...と、冷めた気持ちで読み終えました。