あらすじ
小学生のころ、給食が苦手だった松丸さんは、あるきっかけで学校栄養士になることを夢みるように。男性の栄養士が今以上に少なかった当時、さまざまな壁に直面しながらも、持ち前の情熱と行動力でそれらを乗り越え、夢を実現されます。2013年には男性栄養士として初めて全国学校給食甲子園で優勝し、現在その活躍は世界にも広がっています。
そんな松丸さんのお仕事内容や半生を綴ったノンフィクション『給食が教えてくれたこと 「最高の献立」を作る、ぼくは学校栄養士』が2023年7月21日に刊行されます。
☆実際に一食いくらで給食がつくられているのか、食材をどのように調達されているのかといった現場で活躍されている松丸さんならではの裏話。
☆令和の世界の食料事情・SDGsの考え方。
など、子どもたちに身近な給食を通して、ジェンダーギャップ、貧困、食品ロスといったこの世界を取り巻くさまざまな社会問題についても考えることができる1冊です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
安心,安全で最高に美味しい給食にするために、日々努力されておられることがわかった。
衛生管理は徹底していて、地域によって給食はこんなに違うのか…給食ってすごい!
たくさんの子どもたちに読んでもらい、残食がなくなればいいな。
Posted by ブクログ
学校栄養士の松丸奨(まつまる すすむ)さんによる小学校給食にまつわる体験記です。
「全国学校給食甲子園」に、男性で東京からは初の優勝者となりテレビでお見かけしたことがありました。
小学生の時には学校や給食が苦手だった著者が、ある時に「給食ってすごい」と思って、その思いのまま当時は珍しかった男性栄養士に。(今は増えているのでしょうか?)
このあたりは「好きを仕事にする」話ですが、男性は少なかったので色眼鏡で見られたり、備品がなかったりとの苦労が語られてます。
男性でもできるの?というような思い込みを、信頼してもらうようにするには、コミュニケーションをとること、そして美味しい給食を作っていくこと。
「最高に美味しい給食を」という思いを持っての献立作りの情熱っぷりがすごいです。
学校に納品してくれる八百屋さんと話をし、食材を探して農家を訪ね、調理員さん(調理のプロの調理員、献立作りのプロの栄養士、という関係)と意見を交わす。
日本の公立小学校では給食は当たり前ですが、その裏にはこれだけの人が「おいしい給食を」届ける努力をしています。まさに感謝と仕事への意欲に感服です。
栄養士さんの仕事として食育もあります。教室に行って食べることの楽しさや大切さを伝える、給食が苦手な児童が興味を持ってくれるよう工夫する…。そのために仕込みを早くして、朝登校する児童に美味しそうな匂いを嗅いでもらうというのは良いアイデア(そしてその分早く学校に来てもらう努力)ですね。美味しそうな匂いの校門くぐったら元気になりそう。そして学校に一日いることがちょっと辛い児童で給食室(栄養士室かな?)で過ごすという試みも行っているのですね。
著者はフィリピンの貧民地域で食育の話をした時に、「食べる」が当たり前でないことを目の当たりにしたといいます。昨今SDGSを呼びかけ合っていますが、小学生でも一番身近で実行できることが「残さず食べる」ということ。
食を通して人に寄り添う気持ち、好きを仕事にすること、そしてみんなが当たり前に食べている給食の裏にいる人々。小学生にもおすすめです。
Posted by ブクログ
とあるラジオ番組で知った松丸奨さん。
学校栄養士として日々奮闘しているお話に胸を打たれ、著作を拝見したらまさかまさかの感動の嵐…!
過去にこんなにも努力をして子ども達に向き合う学校栄養士さんはいたのだろうか?
自分の学校時代に松丸さんと出会えていたら人生変わったかもな、と思えるくらい給食にあつくこだわった職業人だった。
小学生から中学生の児童はもちろん、保護者や一般の大人にもぜひ読んでもらいたい1冊。
内容は子ども向けに書かれた給食にまつわるお話がメイン。
松丸さんがなぜ栄養士を目指したのか、給食日本一を目指す戦い、そして世界の食育…どの章も著者の給食に対する真摯な思いが伝わってくる。
常に子ども目線でどうすれば美味しく給食を提供できるのかを考え、自分の体をはって試作を重ねる姿は、学ぶべき存在である。男性の栄養士が少ない中、工夫や努力を積み上げて信頼を勝ち取ってきた松丸さんの生き方を素直にかっこいいと思う。
自分にとってあまりいい思い出のない給食だが、日本の給食は世界水準から見ても素晴らしいものだと聞いて、誇らしい気持ちになった。給食を通じて食の楽しさや素晴らしさを伝える松丸さんをぜひ応援したい。
また自分も松丸さんのあとがきにあるように、体は食べたもので出来ていることを忘れず、普段の食事の時間を大切にしていきたい。
Posted by ブクログ
4.5年から。栄養教諭の先生へも。
一口だけでも食べてみて、良いことが起こるよと教えてくれた栄養士さんのおかげで、栄養士として給食甲子園で日本一にまでなった栄養士松丸さん。農家さんの農作業を手伝う様子や、実際のマニラの貧困地帯で食べられない子どもたちの様子など広く体験が描かれている。
Posted by ブクログ
喫茶店に置いてある、自由に読んでいい本の中で目を引いた本。ハーブティーを飲みながらゆっくり読んだ。
一昔前は男の栄養士がいないとは気が付かなかった。考えてみれば、担当してくれた栄養士さん達はみな女性ばかり。
松丸さんは本当に『給食』が好きなんだなぁ、と。でなければ自宅研究したり、海外へ行ってボランティアなんて到底出来ない。
先生だけではなく、保健の先生でもなく、栄養士さんも子供のヘルプ先になるなんて考えもしなかった。子供は栄養士さんに助けを求めてもいいんだと、早く知りたかった。