あらすじ
「朝鮮最初の小説家」と称される著者による、日清戦争で離れ離れになった家族が運命に翻弄される様を描く代表作。七歳の少女オンリョンは戦場となった平壌で父母と離散。情に厚い日本人軍医に引き取られ、新しい人生を歩む。故郷から離れた土地では、思いがけない出会いもあり……。古典文学と近代文学をつなぐ「新小説」というジャンルに属し、かつそのジャンルを創造した、韓国文学史上の有名作品。
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Posted by ブクログ
主人公オンミョンの父は避難中に妻と娘と離れ離れになり一晩で身勝手にも死んだと諦めてアメリカへ行く。のちに2人は無事だと判明するのだが、もし死んでいたとしても遺体を探す情もないのだろうか。国のために行動する大義があれば、家庭は放っておいても許されるのか。後にオンミョンの夫となるクウォンソも親に内緒で勉強のため17歳で渡米する。せめて書き置き残す描写が欲しい。親が可哀想だ。著者としては女性が家から出ること、女性が勉強すること、留学して文明的な社会を経験すること、親が決めるわけではない当事者同士の自由な結婚など朝鮮にはない風習文化を読者に紹介したいと思って書いたのかと思った。確かに1900年代には新しいものの見方の数々だった。朝鮮の文化についても触れられているので勉強になった。