【感想・ネタバレ】地球上の中華料理店をめぐる冒険 5大陸15ヵ国「中国人ディアスポラ」たちの物語のレビュー

あらすじ

ニューヨーク・タイムズ絶賛!
北極圏からアフリカまで、世界のありとあらゆるところに存在する中華料理店。中国系カナダ人の映像作家・関卓中(チョック・クワン)は、地球のそこかしこに根を張った中華料理店オーナーたちの物語を4年にわたって撮影し、ドキュメンタリーシリーズ『チャイニーズ・レストラン』として発表。華僑・華人たちの食と店を通して見えてくる国際化のリアルが話題を呼び、書籍化され、いよいよ日本でも刊行。
「純然たる中華料理」は存在しない。夢を見て、あるいは生活に窮して、政権に追われて、世界中に散らばった中国人たち。彼らが作る料理は、日本の町中華がそうであるように、世界各国の味と文化の影響を受けて変化している。だが、どのような形になろうと、それは「純然たる中華料理」であるーー北米の「チャプスイ」、マダガスカルで愛される国民食「スープ・シノワーズ」、も。著者は言う。「私のメッセージは『とどのつまり、私たちはひとつの世界の住人である』ということです」

「中国系移民が新天地に溶け込むいちばんの近道は中華料理店をひらくこと。他国人が張り合えない固有の商売は、合法にしろ違法にしろ、新参者が食べていく助けとなる」
屋台や町中華からスタートし、彼らは作って、洗って、生きて、育てた。ある者は大成功し、ある者は地道に商売を続け、ある者は「子どもには教育を受けさせたい。店の跡をついでほしくない」とつぶやく。

●難民としてイスラエルにわたり、牧師になった中国人が教会でふるまう「広東風・豚バラ煮込み」の味は?
●なぜマダガスカルで、「ワンタンスープ」が朝食の定番になったのか?
●ノルウェーの中華料理店のシェフが”顔出しNG”の理由とは?
●アルゼンチンの大富豪が「春巻きさえ包めれば、どこででも生きていける」と豪語する理由は?
●口全体が痺れて燃える、ブラジル唐辛子を使ったアマゾン唯一の中華料理店のレシピとは?

食を通して、どこであっても生き抜く「中国人ディアスポラ」のたくましさと喜びと苦悩が活写され、私たちの前に「地球市民としてどう生きるか?」という問いが迫ってくる。世界を移り住んで育った著者は、10代を日本で過ごした。新大久保、池袋、高田馬場など、新たなチャイナタウンが誕生している日本の「最新中華料理事情」についても考察する、日本語版のための書下ろしも収録。

【登場する国々】
カナダ、イスラエル、トリニタード・ドバゴ、ケニア、モーリシャス、南アフリカ、マダガスカル、トルコ、ノルウェー、キューバ、ブラジル、インド、アルゼンチン、ペルー、そして日本。

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Posted by ブクログ

華人。この本では中国の国外で暮らす中国人のことを表す言葉として使われている。著者自身も、生まれたのは香港だがシンガポール、日本、米国の生活を経験し、今はカナダで暮らす華人。五大陸15カ国(ブラジルとインド、それぞれに二章を割いているので本当は14カ国だと思う。)で暮らす華人を訪ね歩く旅。中華料理店を経営していることという条件付き。外国に飛び出した華人にとって、中華料理店というのは手っ取り早い就職先であり、尚且つどの国でも通用する中華料理というブランド力の強さを感じた。本場、そのままの中華料理もあれば、現地の人々の好みに合わせて変化しているものもあり、それぞれ美味しそうである。私が華僑という言葉に持っていた世界に広がる気概に満ちたというポジティブなイメージとは違って、中国を出た理由が、労働者として連れてこられたけれど仕事がなくなって路頭に迷ったり、政治的なものだったりというマイナスなところからの出発なことに驚いた。子どもに店を継いでほしいか、死後の墓は中国に帰りたいか、などの質問でアイデンティティの問題を浮き彫りにしていく。登場する華人たちの殆どは漢字での名前を持っているが、カタカナで表記される名前も持っている。出身地によって読み方が違うこともあるが、現地名をつけていることもある。さらに国によっては、登録時に姓名の表記のルールが違うことから、名前の最後の字が姓として登録されていることもあるというのに驚いた。

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2026年04月06日

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