【感想・ネタバレ】女の子のからだえほんのレビュー

あらすじ

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国際標準の性教育を日本の子どもたち、そしておとなたちへ

本書は、フランスで女の子を持つ2人の母親がクラウドファンディングで制作した性教育のえほんです。からだの構造から、思春期、性自認、性的指向、性的同意、愛などの人権教育に及ぶテーマまで扱った良書で、その公益性が認められ、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の認定マークを獲得しています。日本人が苦手とする性教育のテーマをタブーなく正しく語り、尊厳の本質を明確に教えてくれる本は、やがて社会に出ていく子どもたちが、これからの時代を自由に生きていく力になります。本国で発売後すぐにベストセラーとなった良書を日本の子どもたちそして大人たちにも手にとってもらいたく、日本語版を刊行いたします。

作・絵:マティルド・ボディ 作:ティフェーヌ・ディユームガール 監修:艮香織 訳:河野彩

マティルド・ボディ プロフィール:7歳と4歳の2人の娘の母。小さい頃から絵を描くことが大好きで、アニメーションに関する仕事に就いた後、装飾美術の教師の道を目指した。長女を出産してから、世界をよりよく変えることの必要性に意識を向け、自分なりの方法で女性の権利とエコロジーのための活動を行なっている。

ティフェーヌ・ディユームガール プロフィール:7歳、6歳、4歳の3人の娘の母。助産師になって13年。助産師になろうと決意した18歳の時には、その道を選んだ先に何が待っているかはっきりとは分かっていなかった。女性が生きやすい社会のビジョンを作ることが、女性を助けてきた助産師として、そして幼い娘達の母としての役目だと考えている。

艮香織 プロフィール:宇都宮大学教員。専門は性教育と人権教育。 “人間と性” 教育研究協議会幹事、同「乳幼児の性と性教育サークル」運営委員。著書に『教科書に見る世界の性教育』(共著、かもがわ出版)、『性教育はどうして必要なんだろう?』(共編著、大月書店)、訳書に『改訂版国際セクシュアリティ教育ガイダンス』(共訳、明石書店)などがある。

河野彩 プロフィール:フランス語翻訳者。学習院大学フランス語圏文化学科卒、一橋大学大学院言語社会研究科博士前期課程修了。絵本の訳書に『目に見えない微生物の世界』(河出書房新書)、『MONUMENTAL 世界のすごいたてもの』(ポプラ社)、その他の訳書に『人生を変えるレッスン』(サンマーク出版)、『世界中で愛されるフランスの子ども服』シリーズ(大和書房)などがある。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

性器及びその周辺の体の作りについて、ジェンダーと愛と同意について、生理と妊娠と出産について。性についてできるだけタブーなく、子どもたちに伝える絵本。

本書は女性の性について書かれていて、同作者の『男の子のからだえほん』の方は男性の性についての絵本。そしてその両書ともが最初に「この本はみんなのための本です。あなたが女の子でも男の子でも、どんな肌の色やどんな体型をしていても」…と始めるのは、一瞬虚をつかれ、そしてそれはそうかと納得させられる。

性器等についての説明に10数ページ、「はじらい」や「性別とジェンダー」「同意」「思春期」などの項も半ページほど取っているのと比べ、「愛」についての項が僅か2行(「あなたは、男の子をすきになっても/女の子をすきになってもいいのです。」)なのはむしろ多くを語っていて、力強く美しい。

9歳の娘と一緒に読んだけれど、“女だからとか男だからとか、どんな体型だからとかに関係なく、自分の体のことは自分で決めるということが良いなと思った”そうで、正確な知識をまず得ることの大事さを、親としても改めて感じた。

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2024年01月14日

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