あらすじ
山の獣を獲って、解体し、おいしく食べる!
東京の暮らしに疑問を感じていた庭師の著者は、岡山に移住し、狩猟免許を取ってわな猟をはじめた。だが、必死の思いで獲ったイノシシやシカの肉はおいしくなかった。おいしいお肉を獲るには生け獲りが必要と知り、ネット動画や本を頼りに独り、生け獲り猟に挑戦する。美しいシカの命を止める葛藤、90キロの強大なイノシシへの圧倒的恐怖心など、さまざまな思いを抱えながら山の中、一対一で獣と対峙する。
五感を研ぎ澄ませ獣道を探し、仮説を立ててわなを仕掛け、生け獲る。捕獲、止め刺し、解体をすべて独りでおこなう狩猟は、心身の負担がとても大きい。だが、自然の中で獣と全力で対峙する狩猟経験を重ねて、心も体も変わっていく。いつしか獣への畏敬の念が生まれていた――。「獲って、おいしく食べる」は生きることの原点。狩猟は有害鳥獣駆除ではなく、自然から糧を得ることだ。狩猟生活は現代人が忘れてしまったものを思い出させてくれる!
再生回数1700万回超の人気動画「大物イノシシを獲って、解体し、食べる」のコマ割り画像ほかカラー口絵8p入り!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
狩猟について著者の技術的な事と哲学的な事が書かれていて、特に正直な彼の生き方に感銘を受けた。
私はまわりに与えられたものを何も考えずにただ当たり前に食料(肉)を食べていて、そこで疑問をもったり考えたりすることがなかった。
命をいただくということの尊さを改めて考えさせて貰った。
Posted by ブクログ
イノシシの生け捕りは、スゴい。
絶対むり。
あいつら本気で殺りにくるから怖いもん。
獣をどうやって美味しく食べるか。
そして筆者がたどり着いたのが”生け捕り”だった。
確かに生け捕りのメリットは大きい。
・止め刺しのタイミングは自分の都合でできる。
・何より肉が美味しくなる。
だけど、生け捕りだよ?
怖いよ。
本書は東京で造園業をしていた筆者が、岡山に移り住んで狩猟を始めたことが語られている。
狩猟について、狩猟者自身の考えも十人十色。
筆者は有害鳥獣駆除のスキームには否定的で、農家が自衛すればいいという考えだ。
この考えは狩猟から入った狩猟者はそうだろうけど、対して農家側の視点から見ると、自分たちの生活の糧を荒らされているので、有害鳥獣は抹殺すべしという考えも分かる。
今の俺の考えというと、獣だって食糧を求めて里に下りてくるのは当然だけど、それがあまりに増え過ぎた。
有害鳥獣で駆除するのは致し方ないといえ、でも生きていた命なんだから、せめて美味しく食べたいよね。
ついでに皮も利用できればいいよね。
というわけで、せっせと鞣してカバンを作るのである。
とはいえ原皮の在庫が無いので、拾いに行きますから皮をください。