あらすじ
必要なのに誰も教えてくれない「宗教」の知識、基礎の基礎!――キリスト教とイスラム教は、どっちが侵略的? 神と仏はどう違う? 首相の靖国参拝はなぜ悪い? 味の素事件はなぜ起きた? 宗教とはどう接したらよい?・・・知りたいことの基本的考え方がよくわかる!
●人間に宗教は必要なのでしょうか? わたしには、「人間に宗教は必要か」という「問い」自体が、ナンセンスに思えます。というのは、人間は宗教を持つから動物と区別されるとわたしは思っているからです。宗教を持たない人間は、「損か得か」の経済原理でしか動きません。他人が困ろうが、他国の人が苦しんでいようが、自分たちだけが繁栄すればいいのだというエコノミック・アニマル、すなわち動物に成り下がっているといえないでしょうか。
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Posted by ブクログ
仏教は4章から。釈尊は全てのものは自分が愛しいと説いた。現代でも実際そう。仕事があってお金を稼げているから募金できる。状態が安定していて自分への愛が確保されているから他者に優しくできる。自己愛が前提になっている。けどこの自己愛をつきつめると、各人が自分自身を愛しているのだから、それを害してはならないと他者を尊重する姿勢に変わる。釈尊の教えはわかりやすく実践しやすい。この教えが広まればセクハラやパワハラ、いじめの数は確実に減るはず。
この書籍でひろさちや氏は「人間-宗教=動物」と主張。極端だけれど道徳心を忘れた人間は動物という意味では間違ったことは言っていない。人間として幸せに生きるためには何をするか。それを説くのが宗教で、それを規範とするから真っ当な生き方ができる。少なくとも自分さえ良ければ他は構わないという性格が腐った人間にだけはなりたくない。不当な行為をした自分を後からひどく恥じるから。
Posted by ブクログ
宗教の入門書としては最適
高度な宗教学を学んでいない方が各国の宗教をあっさり学ぶのには最適。
神道と仏教と日本の政治の関連などは実にスッキリ明確に述べられている。
神仏習合から国家神道、そして神仏分離令の流れから靖国参拝の是非まで、実にクリアに論が進められます。
ただ終盤著者の主観にまみれた人生観というかそういうたぐいのものの説明が続くのですが、まるでワタミや幸福の科学、創価学会を連想させるような洗脳思想を是とするような内容になります。それこそまさに宗教の原理から外れてるのではないかとは思いますが、そのままそれでよしとして説明が終わります。この点が残念でした。
Posted by ブクログ
分かりやすい文調で宗教とはどんなものなのかを説明してくれている。
ユダヤ教が親で、その子供がキリスト教とイスラム教なんだけど、派生した順で言えばキリスト教がお兄さん。
簡単に言うと、ユダヤ教の教えを柔らかくしたのがキリスト教で、その柔らかくし過ぎだと言うことで出てきたのがイスラム教と言うこと。
そしてその三代宗教は一神教なのに対して、仏教は多神教。
どれがいいかと言うのは価値観や環境で違うからなんとも言えないけど、自分はやはり仏教が素晴らしいと思う。
誰かの為に忠誠を尽くすのではなくて、自分が好きなものをつまんで取り入れていった方が自由でいいと思う。
気になったところを抜粋。
・お釈迦様の教えとして、弟子が「死後はどうなってしまうのか?」と問いたらしいんだけど、
その答えとして
「毒矢で射られた男がいて、その男は毒矢をまず抜かずに、射った男はどんな体格で何人だったか、弓矢のスピードはどれくらいだったのかを分析しろ」などとと言ったらしい。
つまり、打たれたものを分析する前に、まず毒矢を抜けよと言うことで、
死後の世界何て言うのを考える暇があったら、今をしっかり生きろと言うことらしい。
これが有名な毒矢の話とのこと。
Posted by ブクログ
目次
第1章 イスラム教では、なぜ豚を食べてはいけないのか?
第2章 キリスト教、イスラム教、ユダヤ教、同じ神なのに、どこが違うのか?
第3章 キリスト教とイスラム教、どちらが侵略的か?
第4章 「神の愛」と「仏の慈悲」は、どう違うか?
第5章 神と仏はどう違うか?—キリスト教と仏教(大乗・小乗)
第6章 神道、儒教は宗教か?
第7章 死者をどう祀るか?総理大臣靖国参拝の是非
第8章 宗教は、なぜ必要なのか?