あらすじ
定年後を不安に思う人は多い。「成果を上げたい」「他人に嫌われたくない・評価されたい」という現役時代の価値観に囚われると、自分で自分を不幸にしてしまう。しかし実は定年は、他人との競争や自己否定から解放される格好のチャンスだ。過去の不運も過ちもすべて運命であり、「あれはあれでよかった」と納得する。そう思えると自分が自分にとってかけがえのない存在となり、他人は敵でなくなる。幸せな境地に至り、人間としての成長もできる。高齢期を実り豊かな、新しい人生として生き直したい人必読の一冊。
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Posted by ブクログ
加藤諦三先生のお話はいつもハッとさせられることばかり。この本でも自分がどうなのか、この先どうしたら良いのか、こうしたものに導いてもらった。
何冊も加藤諦三先生の本を読み、テレホン人生相談も拝聴しているが、新しいキーワードがいくつも発見できた。
社会的解決と認めると言うこと。
この先、考えながら生きて行こうと思う。
Posted by ブクログ
サブタイトルの「定年後をどう生きるか」に違和感があって、読まずにいられない。
定年してからも、他人と比較して生きにくさを感じるという事があるのか。定年するくらいの年齢で、何を競うものがあるのか。高齢になって尚競うものがあるのは一見地獄だが、寧ろ、現役で負けたくない趣味があるというのは幸せな事だとも言えそうだ。超偏見だが、ゲートボールとかゴルフとか、私には面白さが分からないが、面白さが分かるならその方が人生は楽しいだろう。
とにかくそんな事を考えながら読む。
ー 比較する人は情緒的未成熟。比較する人は不幸。興味のないことで努力する。人によく見られるための努力をする。心理的に健康な人々は、高齢になり、定年になって、そうした無意味な努力から解放される。心理的に不健康な人は、幸せになりたいのではなく、幸せに見られたい。そうした無意味な努力から高齢になったら解放される。
心理的に不健康な人は、不幸でも不幸と人から見られなければよい。
なるほど。この本が言いたいのは趣味の話ではなく、見栄の話のようだ。見栄を張る努力は無駄で幸せにはなれないよと。まあ、暇な老後に見栄を張ることも「張り合い」にはなって良さそうだが、確かに疲れそうだ。
ー 自分自らの喜びの体験より、他人からの是認をいつも選んできた人は、ついには喜びの体験そのものができなくなるとマズローは言っているがそのとおりであろう。ロロ・メイも同じようなことを言っている。外側からの要求ばかりに従っている人は、幸福を得る力をも捨ててしまう。
他人の是認からの解放に、他人のセリフを引く不思議はおいておいて、人間とは、他人からの是認を生きがいにしても良いのではないのだろうか。
歳を取るとこうした生き甲斐がなくなって達観と引き換えに退屈を与えられるかと思っていた私には、老人の我欲の存在は朗報だった。