あらすじ
【内容紹介】
中東情勢/ウクライナ侵攻/中国経済危機……
独裁化するマッドマンたちのフェイク情報を見破れ!
マッキンゼー伝説のコンサルタントが、混迷する世界情勢を誰よりもわかりやすく分析!
「2時間でわかる世界情勢」をコンセプトにした『大前研一 世界の潮流』シリーズの最新刊が、今年は四六判にサイズアップして登場。
和平交渉が進まないまま周辺諸国への飛び火が懸念されるイスラエルとパレスチナの武力衝突、3年目を迎えても終息の目途が立たないロシアによるウクライナ侵攻、不動産バブル崩壊で深刻度を増す中国経済危機。そして、世界各国で続々と誕生している独裁的リーダー(マッドマン)たち。いま、世界で何が起こっているのか?
本書は読者が現在の世界情勢を正しく理解するためのさまざまな視点を提供。約50点に及ぶオリジナル図版を使ったビジュアル解説で、誰でもわかりやすく理解可能です!
【著者紹介】
[著]大前 研一(おおまえ・けんいち)
早稲田大学卒業後、東京工業大学で修士号を、マサチューセッツ工科大学(MIT)で博士号を取得。日立製作所、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長。著書に、『第4の波――大前流「21世紀型経済理論」』『経済参謀――日本人の給料を上げる最後の処方箋』(共に小学館)、『企業参謀――戦略的思考とはなにか』『世界の潮流』シリーズ、『日本の論点』シリーズ(共にプレジデント社刊)など多数ある。「ボーダレス経済学と地域国家論」提唱者。マッキンゼー時代にはウォール・ストリート・ジャーナル紙のコントリビューティング・エディターとして、また、ハーバード・ビジネス・レビュー誌では経済のボーダレス化に伴う企業の国際化の問題、都市の発展を中心として広がっていく新しい地域国家の概念などについて継続的に論文を発表していた。この功績により1987年にイタリア大統領よりピオマンズ賞を、1995年にはアメリカのノートルダム大学で名誉法学博士号を授与された。英国エコノミスト誌は、現代世界の思想的リーダーとしてアメリカにはピーター・ドラッカー(故人)やトム・ピーターズが、アジアには大前研一がいるが、ヨーロッパ大陸にはそれに匹敵するグールー(思想的指導者)がいない、と書いた。同誌の1993年グールー特集では世界のグールー17人の1人に、また1994年の特集では5人の中の1人として選ばれている。2005年の「Thi nkers50」でも、アジア人として唯一、トップに名を連ねている。
2005年、『The Next Global Stage』がWharton School Publishingから出版される。発売当初から評判を呼び、すでに13カ国以上の国で翻訳され、ベストセラーとなっている。経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。
趣味はスキューバダイビング、ジェットスキー、オフロードバイク、スノーモービル、クラリネット。ジャネット夫人との間に二男。
【目次抜粋】
■第1章|混迷を極める世界情勢
――独裁化したマッドマンと止まらない右傾化
■第2章|リセッション入りする世界経済
――過剰債務とインフレが回復を阻害する
■第3章|凋落する日本
――GDP世界第4位からの回復をするための処方せん
■第4章|中国の最新動向
――孤立化する習近平のジレンマ
■第5章|2024年の世界はどうなるか
――日本が今すぐ取り組むべき課題
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Posted by ブクログ
大前研一氏の知見。賢者としての言葉と思考が並ぶ。やはり、一歩どころか数歩先をいっているのは間違いなく、何年後かに同じことを言う人が現れる。世界がマッドマンに溢れている。習近平、トランプ、プーチンなど独裁政権と独裁者が国を操ることで、自国優先の思考が優先される極めて混乱した時代。国連がキーと大前氏は言う。国連に未だかつて無かったジャックアタリ、イアンブレマー、ハラリ氏などの賢人たちを集め、世界から紛争をなくすためのアジェンダを作ってもらう。もう一つは、発言の機会のない、国家という形態ととっていない民族、特に最大民族はクルド人だろうとするが、モンゴルや宗教上の違いを持った人たちからの発言も可能とする。ちょっと性善説かなとも思わせるが、人類を一つの共同体、ホールディングカンパニーという形態で、各地域をエンティティとするような考え方は、地域間紛争を持ち上げる可能性を孕む一方で、新しいアイデアが生まれる可能性がある。
金利が全くつかない日本で1000兆円の預金を含む2000兆円の個人資産がおそらく日本再興の鍵となるだろう。しかし、誰もリスクを取らないのはなぜか、リスクが悪いことだと思っているからだ。ここまでは誰でも想像できるし若い人に、そもそも金を置いとくだけの思考の人はいない。
資産で下限を設けて、日本国籍を与える、女性社会を作る、など人口減少を止めるための政策も打ちたい。
日本の中に閉じこもる、留学生が減少しているのも懸念。パナソニックの松下幸之助さんも、英語はできなかったがオランダに乗り込んで、提携交渉を直接フィリップスとやったと自伝にある。つまり、外に出ることが大事で、そこで考える力を身につけることだ。中国にはNO1のしたに必ず天才と言われるNo2がいる。江沢民時代の朱鎔基がまさに参謀そのものと言える。なお、企業参謀を書かれた大前氏も、本当に天才だと思う。彼の持つ知恵を引き継ぐための大学を形成し、日本国として活用していってほしい。
Posted by ブクログ
主に政治を切り口にした国際情勢の潮流を解説した本。初めて知る情報も多く率直に面白い。
この粒度やコメントを見ていると自分がいかに普段見るニュースを別世界のように切り離して見てるかがわかる。
このレベルに達することは無いと思いつつ、日々大前さんの知見や考えを吸収したい。
Posted by ブクログ
タイトル通り2024年の世界で起こる問題を網羅的に把握できる一冊。
特に日本や中国については詳細に書かれている。
【要約】
①混迷を極める世界情勢
-右傾化・独裁化したマッドマン主導の国家が増加
-ロシアのウクライナ侵攻、イスラエル・ガザ戦争
-欧米先進国の価値観とは異なるグローバルサウス↓
G0の世界→国連機能不全で戦争が起きやすい
解決策は、「新・国連」の創設
・加盟国の過半数または3分の2での可決
・国民国家の枠を超え少数民族やマイノリティにも席を用意するなど
②リセッション入りする世界経済
要因
-食料・エネルギー価格の高騰
-過剰債務
-中国経済の減速
-根強いインフレ
-気候変動
その他、米中対立を背景に東南アジアへの対外投資が増加
③日本の凋落
-GDPはドイツに抜かれて世界4位に。G7で1人当たりGDPが最下位(韓国や台湾と同水準)
-国債の格付けも先進国では最低のA+(中国、サウジよりも下)
-世界で活躍できる人材を輩出していない(高度人材も呼びこめていない)
-自民党の腐敗や著名企業・組織での不祥事
-デフレからは脱却しつつあるが、経済の低成長が続いていることからスタグフレーションのリスクあり
問題は政党が21世紀に対応する政策を提案できていないこと
解決策は、
-30年後の未来を見据えて必要な人材を育成
-金利を上げて貯蓄から消費へ
-人口を増やすため、戸籍制度撤廃、移民の受け入れ
-ロシアとの付き合い方を考える
-真の観光立国を目指す
Posted by ブクログ
現状の整理は一定の評価が出来るものの、提言が現実を踏まえてとは言えず乖離が激しい。
現実は独裁者の政治問題である。経済の問題も政治に帰結する。政治に対するピントの甘さが提言の説得力を失わせている。
中国、ロシアに対する提言も相手が交渉のテーブルに着く考えがない限り、逆張り思考と大差ない。
日本の観光立国化は同意である。
ここに関しては既に政策提言までされており、目新しさはなかった。
全体を通して、現場感を具体化したとはいえず、疑問が残った。