あらすじ
P分署近くに捨てられていた赤子の親を探して奔走する捜査班の刑事たち。だが事態は次第に思わぬ展開へ……イタリア発の人気警察小説、〈21世紀の87分署〉シリーズ最新刊!
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Posted by ブクログ
久しぶりに読んだ新作なので内容を思い出せるか心配だったが、それぞれのキャラクターがしっかり描き分けられているので、それは杞憂だった。
今回、真面目で正義感が強すぎるが故の怒りを暴力で発散してしまうロマーノが、職場の近くで生後間もない赤ん坊をみつけたことから話が始まる。
いい加減な仕事をすることもなく、裏に回ってあくどいことをするわけでもないロマーノが、その怒りのはけ口を求める言い分が自分勝手すぎて好きではなかった。
ロマーノの気持ちはわかるとして、だから殴られる人はその痛みを我慢しろと?
小さな赤ん坊をその手に抱いた時、ロマーノは初めて小さくてか弱い命を愛おしむことを知った。
重篤な感染症にかかっていて命の危機に瀕している赤ん坊に、ロマーノは別居している妻の名・ジョルジャをつけた。
母親と思しき若いウクライナ女性の死体が発見され、ロマーノは来る日も来る日も病院に通い小さなジョルジャの安否を心配しながら捜査に励む。
この事件については、割と早いうちに犯人はわかりましたが、とことん自分勝手でしたね。
母親のララは何の否もなくて、誰からも愛されていて、美人すぎるけれど心根のとてもいい人…だから殺されてしまったんだなあ、神様。
ロマーノは別居中の妻と復縁できるのか、ロコヤーノは父として生きるのか男として生きるのか、アレックスの失ったものの大きさと、アラゴーナの今回の事件に対する過剰な評価の行方が気になります。
しかしこのシリーズ、イタリアが舞台とは思えないくらい、いつも寒そう。