あらすじ
「日経平均株価」史上最高値を更新! 32年連続「対外純資産」世界一…なのに、我々国民はその恩恵を感じられないのはなぜ? GDPが世界4位に転落! 政府の借金1200兆円突破!…でも、それほど悲観しなくていい理由とは? この物価高・円安はいつまで続く? などなど、気になる経済ニュースの疑問を、 FP(ファイナンシャルプランナー)の資格を持つパーソナリティと、元為替ディーラーの“お好み焼き経済学”者、ラジオでも大人気のコンビが解き明かす、日本経済「超」解説書。
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Posted by ブクログ
今年(2024)5月に発行された本で、法改正等を踏まえた最新の情報をもとに、ファイナンシャルプランナー生島氏と元為替ディーラー岩本女史による対談本です。生活から経済に至るまで、普段私が思っている疑問に対して優しく解説してくれています。
特に岩本女史の経済にコメントは、ディーラー時代の経験を活用して、海外の情報をもとに解説されているのが興味ありました。また、個人事業主でもある生島氏が実践している、相続対策についても普通とは変わっていて参考になりました。
以下は気になったポイントです。
・日本の報道で取り上げらrているGDPに違和感があるのは、IMFの予測の中でも「実質GDP」ではなく「名目GDP」であるから(p17)名目GDPでは、物価と為替変動の影響があって、実際の経済状態の正確な把握がしにくい(p19)生産年齢人口1人あたりの成長率で見ると、様相は変わってきて、日本はサブプライム危機以降の2008年から2019年までを見れば、実は日本が一番高い(p25)失われた何十年と言われるが、日本企業はちゃんと儲けている(p36)
・自国の輸出にとって都合がい良いのは通貨なので、ドル安志向(円高、1ドル=100円割)の水準が、トランプ政権には心地良かった(p63)
・2015年の段階で英国政府は欧州以外の相手国では唯一日本を「同盟国」と指定し、2017年には日英安全保障宣言に合意していて、現状は英米日という「新三国同盟」の状態にあるかもしれない(p67)
・エコノミスト誌が2023年8月に公表したビックマック指数を見ると、日本のビックマック指数の値段は450円、アメリカは5.59ドル、これで計算すると「ドル円為替レートの理論値」が計算できる、この場合は1ドル=80.65円が購買力平価の均衡する為替レートになる。この時の実際の為替レートは1ドル=142.08円なので、円は43.24%ドルに対して過小評価されていることになる(p72)
・1944年に戦時補償債を除く政府債務総額は国民所得比の266%だったが、1946年には3分の1に減少している、その後もインフレが続いて結果的には、債務比率は10%台になっている(p79)卸売物価は、昭和20年を100とすると、昭和23年には「1648」昭和25年には「2801」になっている(p80)この間、国民は高額の財産税を課税されてそれが政府債務の償還に充てられた、戦時補償債は事実上打ち切り(内国債のデフォルト)となり企業も含めて国民が被害を被った。政務債務が削減すればいいのではなく、一般国民の生活が最優先、政務債務の縮小はその上での話となる(p81)
・日本には60年償還ルールがあるので国際残高約1000兆円の1.6%に相当する償還費を計上しているが、グローバルスタンダードに則れば、国債費25,2兆円のうち、債務償還費である16.8兆円は本来計上しなくていい、つまり借金の額が多く見積もられている(p86)国債の信用リスクを測る金融商品(CDS)は、2024年2月25日現在、スイス:7.48、米国:36.02、イタリア:71超、に対して日本:22.14、中国:62.19、インド:82.88である(p89)
・ピケティが言っているのは、消費税増税は正しい方向ではない、紙幣を増刷しても増えたお金は、資産や不動産のバブルになるだけで、一般の人への恩恵にはならない、物価のインフレを起こしたいのであれば、賃金を増やすべき、といった指摘をしたのが印象的であった。(p94)
・一般会計と特別会計では重複している金額もかなりあり、そうした重複と国債の借換債を除いた純計ベースを見ると、令和4年度当初予算では、歳入271.5兆円、歳出は269.7兆円となっている、一般会計では見当たらなかった健康保険、国民年金などの保険料(47.9兆円、租税収入:70.1兆円に対して、)が特別会計と合わせれば歳入に入ってくる。(p100)
・年金については、繰下げで受給した年から12年以上長生きすると、65歳から受け取った時よりも総額で多くなる。70歳で受給したら82歳以上である(p135)
・不動産を所有して人に貸したり売ったりする時、個人でなく法人として(奥さんを社長にして)行っている。メリットは「損失を10年間繰り越せる」(p140)相続対策にも使える、法人化することで個人の相続財産の割合を減らすことができる(p141)
・贈与税は110万円を超えてからかかる、120万円贈与したら課税額は10万円で贈与税は1万円、2023年から暦年贈与の相続財産への加算期間が3年から7年に延長された、つまり相続が発生した時点から遡って7年間の贈与は相続財産に加算する。なのでずっと非課税枠で贈与していても7年以内の贈与財産は相続財産に足されてしまう、そのようにように看做されないように贈与税を払っている(p145)
・老後資金としては、65歳までに4000万円貯めることを目標にしましょう、と言っている(p150)75歳をめどに積極的な運用はやめ、債券などの安定運用にシフトするのが良い。(p159)金(ゴールド)は、円高の方が安く買える、2024年以降のドル安局面になった際に、海外市場の金価格の上昇よりも円高のスピードが速いはずなので、良い買い場になるだろう(p172)
2024年7月30日読破
2024年7月31日作成
Posted by ブクログ
30代課長職についたばかり
社長に勧められて読んだ本
たまたま社長が何かを呼んでたので声をかけたところ、絶賛の評価と共に本を紹介してもらった
壮大なビジョンや目標を社員に伝える立場の社長として、日本経済はマスコミが言っている悲観的な面ばかりではない!別の角度からの情報も仕入れておくべき。と言っていた。
初めは何を言っているのか。と疑問に思った。私自身が、GDPはドンドン抜かれるし、借金大国日本!円安!年金貰えるの?大丈夫?少子高齢化でドンドン海外に流出しているのでは?といった悲観的な評価を持っていたからだ。(経済が苦手であまり深い情報持ってないのもあるけど)
本書は元為替ディーラーと現役FPが対談方式で書かれている本で、内容がスッと入ってきます。
図表、グラフも出ていてぱっと見でわかるところも◎
政府が出している数字にはカラクリがあることがわかります。意外と日本は資産持ってる。
国債だって90%以上国内で調達されていると知った。(本書では家族麻雀、負けの込んだ夫に妻が借金してる、と表現していてなるほどなと思った)
結論、読んで良かったことともっと深掘りしてカラクリの裏側を知りたいと思う。
Posted by ブクログ
生島ヒロシさんが経済学者の岩本さゆみさんと経済討論。
全体のGDPでなく1人あたりのGDPが大切というのは、わかる気がします。またスイスや北欧諸国は租税回避地として側面があり、そういった国の資金が流れるから、結果として一人当たりのGDPも上がるという仕組みは初めて知りました。
消費税ありきの財政政策や、日本の借金の問題も上手く、財務省に操られてる感もあるきがしますね。
消費税は打ち手の小槌は、庶民の生活なんて、政治家にはそんなものなのだろうなと。
健康への投資は大切ですよね。
Posted by ブクログ
新聞で紹介されていて、気になり購入
経済成長につながるようなバランスの良い分配に目を向ける
トランプ政権 アメリカファーストのたドル安志向になる
円高は急激に進む1ドル100円程度が妥当
消費税は価格に埋没しやすい税金→どの財源使われるか不透明
年金 繰り下げで受給した年から12年以上長生きすれば、65歳から受け取った時よりも総額で多くなる
働けるうちは働いて、いよいよ働くのが難しくなってきたら年金をもらう
今回は違う という言葉を頻繁に耳にするようになったら要注意、極端な楽観論が出てくると相場もピークに近い
円高のフェーズに入ったら金を購入
健康への投資が大事 体心技 体が大事
お金の損失は健康であれば後から取り戻せる
健康の損失はいくらお金を積んでも取り返せない
過酷きわまる外的条件が人間の内的成長をうながすことがある
朝の来ない夜はない。夜明け前が一番暗い
Posted by ブクログ
為替ディーラーとして名を馳せた経済評論家と生島ヒロシ氏との対談。
”お好み焼き経済学”は、対談相手の生島さんがつけた、絶妙のキャッチ(岩本さんが京都のお好み焼き屋に嫁いだこともあり)。庶民目線で、分かりやすく経済を解説、という売り文句だ。
主張は、森永卓郎が『ザイム真理教』、『書いてはいけない』などの著書で繰り広げた論調、あるいは映画『君たちはまだ長いトンネルの中』の主張を、より精緻に、資料根拠も示しながら論じたもの。
とはいえ、生島氏が言いたいこと、推している論を裏付けるためという、ある意味で、”御用学者”となっている気がしないでもない。
岩本氏の所属が生島企画……(←生島さんが経営するタレント事務所)。 そのあたりは、さっ引いて読む必要はありそう。
とはいえ、参考になることは多い。マスコミ報道、政府発表などを別の角度から見る目を養える。