【感想・ネタバレ】令和川柳選書 右上がりのレビュー

あらすじ

令和初の日本を代表する第一線作家、200名超による川柳叢書。これからの川柳界を背負っていく若手実力作家から、常に手本としてあるべき川柳家の姿を示す重鎮まで錚々たる顔ぶれが並ぶ。本シリーズをひもとくことで、現代川柳のトレンドを知ることが出来る。
森羅万象がテーマとなり、「人間を詠む」短詩型文芸と呼ばれる川柳は、作者の人間像を浮き彫りにする。3章を基本とするシンプルな構成だからこそ、より作家ごとの個性が際立つ。
発祥から260余年、気の遠くなるほど長い年月をかけて熟成された川柳。その歴史の継承の瞬間を、あなたも一読者として目撃、そして体験することが出来る。
47都道府県のうち大阪を代表する川柳作家・平井美智子のベスト作品集!

哀しみの形 小さな力コブ
言わないのです言えないのではありません
マスクして失うことに慣れてゆく
夕暮れの砂場に声の忘れ物
馴染めないままでこの世の隅にいる

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Posted by ブクログ

普段は明るい平井美智子先生の、透徹したひとりが勝る句集だと感じた。
人生の悲しみを苦にする=人生の悲しみを句にする、ことなんだとつくづく思う。しかし、「にもかかわらず」生きる美しさ。余白からそういうものが響いてくる、静かにすっきりと。
生きることって苦しいやん、と平井美智子先生は明るく、しかし確固として言い切る。ある種人生に本気で向き合う覚悟ができたという合図のひとことなのかもしれない。

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2025年07月02日

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