あらすじ
人気お笑い芸人、初の中編小説集
柚木麻子さん絶賛!
「勇気を出して誰かの心にふれてみた時の手触り。心にさわられた時のかすかなざらつきと温度。どうしてこんなに思い出させてくれるんだろう。この本がどうしようもなく好きだ。」
人気お笑い芸人にして注目の著者の初の中編小説集。
「黄色いか黄色くないか」
高校生の頃からお笑いに魅せられて、お笑いライブハウスに就職した主人公・唯(ゆい)。ある年末年始、賞レースが集中して芸人の悲喜こもごもが色濃くあらわれる、その季節に繰り広げられる、華やかな「笑い」の舞台裏の人間ドラマに迫る。
「かわいないで」
高校の日本史の授業中、千尋は必死に耳を研ぎ澄ます。隣席の香奈美がひそひそ声で後ろの席のふたりに語る、昨日のデートの一部始終に。千尋がどうしても聞きたいのは、聞き手の透子から香奈美に放たれる「かわいないで(笑)」という絶妙な相槌の一語なのだ。誰もが覚えのある、教室内で織りなされる関係の機微を見事に浮かび上がらせる。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
◎黄色いか黄色くないか
→不安の大きさが、灰皿の上の吸い終えたたばこの長さで表現されてるの秀逸だった
「親友(名前忘れた)は死ななかったね」と言いたくなる気持ちすごくわかる。けど言えるのすごい。言えるだけの関係の相手だと思って言っていたのならいいな
◎かわいないで
「遠いけど制服可愛い学校行く感覚」的確。周りの友だちこれにピンときてなかったってもったいない。千尋のおもしろさが宝の持ち腐れ。
→途中まで読んでたところで書いてたのがこれで、今読み終えてからの気持ちが下!
いいぞ〜千尋、友だちってそう言うことだよね、グループみたいな属性とかでなくてその人の立ち振る舞いとか喋り方とか使う言葉を見聞きして、この人すごくおもしろいこの人と仲良くなりたいってやることだよねって。そうやって仲良くなれたときがいっちばんうれしいんだからね、って。これ読んでるとき、透子のしゃべりがすらすら実奈に重ねて入ってきたのは、実奈が関西弁で話すからだけでは絶対になくて、光希が千尋だったときの透子が実奈だからだと思う。実奈に伝えたい!わーーめっちゃよかった。
→星5個にしたのは、かわいないでが特によかったのを忘れないでいたいから。
Posted by ブクログ
表題作の「かわいないで」がすごく良かった、千尋の気持ちがよく分かるし数年前の自分と重ね合わせてあっという間に読み終えてしまった!頭の中がおしゃべりなのもちょろいのも人の話に耳を傾けてしまうのも全部わかる
Posted by ブクログ
「黄色いか黄色くないか」は加納さんがこんなど真ん中の題材で小説を書くのが意外でしたが、そこは流石の解像度の高さだし、芸人としての矜持が溢れまくっていた。それはもう一編の「かわいないで」も同様で、憧れや羨望の感情を小説に落とし込むのがめちゃくちゃ巧み。
Posted by ブクログ
ゼスプリのキウイが好きという著者の加納さん。
YouTubeを観てハマり、本を書かれているということで読んでみました。
関西弁でツッコんだり、快活に笑うイメージが強いですが、周りをよく見ていたりかなり繊細な一面をもつ人なのかなという印象を受けました。
『黄色いか黄色くないか』『かわいないで』の二作とも、新たな世界を発見したような新鮮さを感じました。これからも加納さんの世界観を覗きたいなと思える作品です!
Posted by ブクログ
大好きなAマッソ加納さんの中編ふたつ
なんで、芸人さんの書く小説って純文感溢れるのだろう?
内容は純文ぽくないので、より余所行きな感じがしてしまう
なにさ純文学に憧れとかあるのかな
エンタメの最前線にいる人たちから純文が出てくることの違和感が余所行きって感じるんだろな
と、偉そうに評論してみる
そもそも純文学がなにか分かってないくせに純文感とか言ってるし
Posted by ブクログ
2作入っていて、共にお笑いが含まれる話です。『かわいないで』は女子高生の話で、タイムスリップした感じになりました。私が通っていた高校はバイト禁止だったし化粧もNGだったしここまでではないけれど、関西あるあるの懐かしいノリだなぁと思いました。
Posted by ブクログ
かのうさんが好きやから呼んだ本
二つの話が入ってる小説
お笑い劇場で働く正社員女子の話
女子高での女子高生の話
結構読むのに時間はかかってしまったけど、言い回しや表現が好きやった
女子高生の話に関しては、感情を事細かに読み取ってるなあという感じ
透子という、絶対に勝てないキャラクター。
そんな人間になりたいけど、きっとなれへんから、皆憧れてしまうんやろうなぁ…
ゆっくりする土曜の午後に読んで、まどろむ前みたいな、非常に良い気持ちになりました
ありがとうございました