あらすじ
「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史教科書の登場が,アジア各地で大きな反発を招いた.その問題点は日本の植民地支配に関する記述である.日本の植民地支配(朝鮮・台湾)に関する事実を正確にかみくだいて解説し,誤って流布されている言説について事実をもって批判する.中学校・高校の歴史の授業の副読本としても最適.
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Posted by ブクログ
とんでもないエセ学者の妄言に毅然と立ち向かえるまともな学者たちがいることに安心しながら読んだ。
台湾は韓国のようなアクションをしないからよく知らなかったが大きな被害を受けたことがわかった。
加害国の国民のひとりとして、歴史を歪める輩は許せないと思うし、戦争準備を推進する勢力に対してしっかり拳を上げたいと思う。
Posted by ブクログ
「日本の植民地支配 肯定・賛美論を検証する」と題して、20もの設問に対して専門家が2頁から4頁のみで答えてゆくパンフレットである。読み始めたときは、いくら何でも頁数が少なすぎやしまいか、と危ぶんだのだが、半分以上はグゥの音も出ない「事実」が記されていて説得力があった。
この出版された目的は、当時(2000年頃)「新しい歴史教科書をつくる会」や小林よしのり「台湾論」などの植民地支配・賛美の影響が大きかったため、それに学問的に反論しておく必要があったためである。設問が多くなったのはそのためだ。これら出版や住民の運動の成果か、作る会分裂などもあって、流れを汲む育鵬社の歴史教科書占有率は2015年度は6・3%、安倍政治の終わった2020年は1・1%までになっている。ただ、SNSの広がりを見る限りは、無視できるような状況ではないとわたしは思う。
以下、個別の感想。
Q5 韓国併合は合法だったのか?
結論的には、日本の朝鮮植民地支配が「不法」であったかどうかの見解は分かれるものの、それが「不当」なものであったことについて、論者の見解は一致している。とのこと。国際法で「合法」になるアクロバットが可能になる、というのは私には驚きであったが、現在の日本政府がその「蜘蛛の糸」にすがりついているのは、あまりにもみっともない。
「閔妃殺害」「第2次農民戦争での日本軍の虐殺」の2点のみでも、合併の不当性は明らかであると、私は、思う。
Q6 日本は植民地で政治的・社会的平等を実現しようとしたのか?
「内鮮一体」が政府のスローガンであった。しかし、スローガンと内実は全然違うということは、私たちか日々実感することである。数字的実態でも論証。差別を支える法的根拠に戸籍制度があったというのは発見だった。
Q7 近代的な教育の普及は、日本の植民地支配の「功績」なのか?
「日本政府は良いこともした」と言われる典型的な根拠の1つ。しかしそれは「飛躍」があるという。日本は「普及に対して抑制的」だったし、「近代的」なものでもなかったのである。初等教育就学率は台湾33%、朝鮮16%の数字は驚き。金時鐘「朝鮮と日本に生きる」(岩波新書)を読むと、少年が教育によっていかに皇民化してゆくか記されていた。目的も実態も決して「功績」とは言えない。
Q12 植民化の工業化・インフラ整備は民衆生活を向上させたのか?
これも、日本の「功績」に数え上げられる典型。確かに巨額の投資が行われ、経済成長率も高かった。しかし目的は日本の利益の増進にあったし、民衆への利益の分配もいびつにならざるを得なかった。個人的には、このとき育てた「親日派」がいかに戦後の朝鮮の政治を歪めたか、日本人はもっと知るべきだ。と私は思う。
Q15 「慰安婦」問題で日本国家に責任はないのか?
後半は「慰安婦問題」や「強制労働」について、ページ数を取っているが、この部分が20年後の現在1番SNSを騒がしていて、もっと丁寧な論証が必要なところだと思った。特に、この20年間で話題になった、従軍慰安婦像、強制労働裁判、政府見解などについて、もう一度きちんと答える事ができる入門書が必要だと思う。
このようなブックレットで、もう少しページ数を増やして、設問は半減させて、わかりやすく、もう一度このテーマで入門書がほしい。
Posted by ブクログ
先日読んだ『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか? 』のクマさんレビューにおいて、日本人としては太平洋戦争中の植民地支配についても考えるべきとの「気付き」を頂きました
そしてそんな中でニャンコ先生に紹介頂いたのが本書になります
正鵠を射るとはこのことで、こういう良書がすっと出てくるあたりさすがはゴールドと言わざる得ません
ゴールドどころかゴールドDXαです(風邪薬か!)
そもそもでいうと、植民地支配の肯定・賛美論の存在そのものがう〜んって側の人なんですね
他国に侵略して植民地にしてる時点でほめられることってないと思うんよな
例えばそれが「めちゃくちゃ虐げられてる人たちを救うため」であったとしてもね
で、中身です
本書は『日本の植民地支配肯定・賛美論』の根拠となっている20の事柄について反証するというかたちをとっています
「はじめに」にあるように、本書が発刊された当時(2001年)、巷にあふれた「植民地支配肯定・賛美論」に対し、「表面的な事実だけでものごとを評価したり、事実を一面的・自国中心主義的に解釈することで成り立っている場合が多く」、「歴史の多面的な見方を示すことによって」「誤りを指摘する」内容になっています
まぁこの「反証」は十分に納得できるもので、一部過激で熱狂的な「肯定・賛美論」に対して努めて冷静に検証しているところも非常に好感がもてるのだが、一方で全面的にこちらに引っ張られてしまうのもそれはそれで危険な気もするし、編者の方々もそれは望んでいないような気がします
大切なことはなんなのか?
うーん、よく分からん( ̄^ ̄)(なぜ威張る)
よく分からんけど、やっぱり戦争はなくなってほしいな〜ってすごく思う
なのでやっぱり後になって「戦争行為」を肯定する論には賛同できないな〜って思うんよな〜
そしてあらためてニャンコ先生に感謝です
ねつのどは〜なに猫が効く♪(だから風邪薬違うわ!)