あらすじ
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外国から入ってきた動物が日本の生態系を破壊する! チョウセンイタチ、アライグマ、マングース……外国から連れてこられ、放たれ、繁殖した帰化動物。その強い生命力が日本固有の動物たちの命を脅かしている!
外国から移入され定着した外来種を「帰化動物」と呼ぶ。帰化動物は生態系に影響を及ぼし、その土地に古くから棲む固有の動物を絶滅させることが多い。そのため世界的な問題になっているが、日本でも近年、対策が講じられるようになった。ブラックバス放流禁止、アライグマ捕殺などはその一環だ。本書では、主な帰化動物を取り上げ、知られざる生態をマンガでやさしく紹介し、詳細な解説・資料も収載。多くの人に読んでもらいたい帰化動物入門書。
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Posted by ブクログ
読書録「マンガ絶滅する日本の動物」4
著者 今泉忠明、佐藤晴美
出版 講談社
p175より引用
“『ラスカル』を終わりまでよく読めば、ア
ライグマを遺棄したらどうなるかくらい想像
がつこうというものだ。そんな努力もしない
で、見かけがかわいいから、飼ってみたいか
ら……じゃ、たまらない。”
目次から抜粋引用
“チョウセンイタチは東を目指す
アナウサギはオーストラリアを砂漠にする
アライグマは日本で大害獣となる
マングースは奄美の固有種を食い尽くす”
哺乳類研究の第一人者と動物漫画を多く描
く漫画家による、外来生物の脅威を記した一
冊。過去同社刊行「マンガ・動物たちの仁義
なき戦い」、改題・加筆・修正・再編集文庫
版。
各外来種の事情から帰化動物リスト等の資
料まで、人と生物の関わりについて考えさせ
られる内容となっています。
上記の引用は、アライグマについて書かれ
た話での一節。
元の本は1994年出版、この頃はまだ北海道で
しか問題になっていなかったようですが、今
現在は本州に住む私の周囲でも、農作物の被
害が大きくなっています。
まともに作物が採れなくなったり、もともと
いた生き物がいなくなることによる自然のバ
ランスの崩れによって困るのは、農家だけで
はなく、いい加減なことをした人達の子孫も
含まれるでしょうに。
日本だけでなく、いろんな国の人達が、動
物を人為的に移動させて、問題を増やしてい
るようです。自分に都合のいい環境を作るた
めに自然を操るのが人間らしさならば、とこ
までいっても終わらない問題なのかも知れま
せん。多分、宇宙に進出することになっても、
同じような問題が発生しそうなきがします。
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Posted by ブクログ
古本で購入。
数編の漫画と動物学者の解説からなる本。
入門としてはちょうどいいかな。漫画は少し動物を擬人化しすぎているけど。
タイトルとは裏腹に、この本の主役は「日本の動物を“絶滅させる”外来帰化動物」。
固有のニホンイタチを駆逐するチョウセンイタチ、大害獣と化すアライグマ、奄美の固有種を食らい尽くすマングースなど、日本の生態系に起きている危機について、ほんの一部ではあるけどざっくりと知ることができる。
紹介される事例のなかで驚きなのは、純粋な野生のニホンキジは絶滅している、ということ。
江戸時代以来続いたコウライキジの放鳥によって交雑が進んだためらしい。だから現在その辺で見られるキジは雑種というわけだ。
ちなみに、首に白い筋があるのがコウライキジの特徴だそうな。
しかし国鳥が野生絶滅ってどうなの。
国鳥が狩猟OKっていうのもどうかと思うけど。
ここに収められた漫画は現状を描くだけ。
解決方法などについては別段ふれていない。
なぜか。
それは解決方法がひとつしかないから。
その方法とはもちろん移入された動物の駆除。
結局、一番原始的で金のかかるこの手段しかない。
移入が人間のエゴなら駆除も人間のエゴ。どっちもエゴならよりマシなエゴを貫きましょう。
元々の生態系を守るため、ただ“生きている”動物を殺す。そこに安っぽい動物愛護思想が立ち入る隙はないだろう。