【感想・ネタバレ】君の余命、買い占めましたのレビュー

あらすじ

世界中で“余命の売り買い”が始まった。

余命を元手に投資をしたり、
起業をして自分の余命を買い戻す人もいる。
命を売るのではなく、担保として預けるだけ。

そんな中、カラオケ店でバイトをする若い男女二人は
10円の時給昇給に愚痴をこぼす−―。

書き下ろし小説『君の余命、買い占めました』を含む十二作品を収録。
さっと読めて心ときめかせる珠玉の短編集。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

全て面白かったのですが、『三代目彼女』が特に刺さりました。
主人公の、ある種独りよがりとも言える片思いが長い年月をかけて成就するような少し不思議なラブストーリー。初めはアンドロイドを彼女にする主人公にあまり共感できなかったのですが、三人目のイオリ辺りから引き込まれて深く共感を覚えました。両親が不仲だったからこそ、喧嘩になることのないアンドロイドと結婚したいという彼の感情が自然に思えて少し涙が出ました。感情が読み取れなかった先代彼女たちの存在のおかげで、イオリが訳も分からず涙を流すラストシーンが一際際立って美しかったです。

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2024年05月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この小説の最大の魅力は、主人公が直面する困難に対する彼の姿勢と、その中で見せる成長です。章吾は、自分の余命を売るという極限の選択肢に追い込まれながらも、人間としての尊厳を失わず、他人を助けようとする意志を持ち続けます。また、彼が周囲の人々とどのように関わり、支え合いながら生き抜くかを描いたシーンは、読者に深い感動を与えます。
物語全体に流れるエモーショナルな要素は、登場人物たちの人間関係の複雑さと、それぞれのキャラクターが抱える内面的な葛藤によって引き立てられています。章吾の親友である楚良との関係や、母との再会、そして彼の命をかけた選択など、全てが読者の感情を揺さぶります。特に、章吾と楚良の絆や、彼らが共有する苦労と希望が描かれるシーンは、エモーショナルな共感を呼び起こします。
この小説は、読む人の心に深く訴えかけ、涙を誘う感動的なストーリーです。現代社会の問題や家族の絆、そして個人の選択といったテーマを通じて、多くの人々に強い印象を与える作品となっています。

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2024年05月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【孤独死クライマー】が特に良かったです。ゴミ屋敷を掃除するクリーン会社の人たちが、孤独死をした人の部屋の清掃をしながら、故人のことを考えるストーリー。孤独死するというと、頑張ってなかった人、友達もいなくて寂しい人など、みすぼらしい感じがプンプンするけど、実際はそうでもなくて誰もの隣り合わせに存在しているんだな、と。ふとしたきっかけで自ら社会との間に壁を作り、孤独を選ぶ人もいる。決して可哀想、でまとめてはいけない社会現象。彼らにも歴史があって、誰かの記憶に残っている。人間みな死ぬ時は来るけど、果たして自分はどうなのだろう…と考えさせられました。

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2024年05月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルから気になり、この本を読みました。
短編小説なのに綺麗な言葉や描写がところどころに散りばめられているだけでなく、内容も短編とは思えないほど濃密で読み終わったあと、じん。と来ましたし、自分の人生、そして余命について考えさせられました。

最後の「君の命は僕の命だから。」その言葉に買い戻した53年間を章吾は楚良を想って生きて来た事がぎゅっと詰め込まれており、二人でいられた時間は少なかったものの、その少ない時間が二人にとってかけがえのないものなのだと思いました。

大切なものは何か。幸せとは何か。そして、この先の人生をどう生きるか。それを考えさせられる暖かく優しいお話しです。すっと入り込んでくる言葉も読みやすく、どの年代の方にも、そして普段小説に触れて来ていない人でも読みやすい小説になっていると思います。ぜひ、たくさんの方に読んでほしいと思いました…!

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2024年05月23日

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