【感想・ネタバレ】原子力は誰のものかのレビュー

あらすじ

第二次世界大戦中、ロス・アラモス研究所所長として世界で初めて原爆を完成させ、「原爆の父」と呼ばれたオッペンハイマー。
戦後、原子力委員会のメンバーとなるが、アメリカの水爆開発に反対の立場を表明し、公職を追放された。原爆の父はなぜ水爆に反対したのか?

天才物理学者が全存在をかけて、政治・社会・科学のあり方を問う。〈解説〉松下竜一・池内 了

(目次)
まえがき/原子力時代と科学者/核爆発/今日の問題としての原子力/とわられぬ心/原子兵器とアメリカの政策/科学と現代
〈付録〉
オッペンハイマー追放の経過(訳者)/米国原子力委員会事務総長 ニコルズ少将の書簡/オッペンハイマーの弁明/現著者について(訳者)

文庫版への訳者あとがき

パンドラの箱をあけた人 松下竜一
解 説 池内 了

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Posted by ブクログ

これ一冊だけから判断するのは危険かもしれないが、この人は徹頭徹尾『愛国者』であったという感想を持った。
但し、彼の愛国心と、その行動は民族主義等に根ざしているのではなく、合衆国憲法とその理念が統治する世界を信じて、それに殉ずる人生だったのではないかと強く感じた。
その一方で、政治的にはイノセント過ぎたのが、失脚に繋がったのもよくわかる。
よく水爆開発に異を唱えた点から反核主義的に捉えられることもあるが、実際には原爆の数的、質的優勢を確立することが、水爆開発よりも優先すると考えていただけなので、その辺りは誤解しないようにする必要もあるだろう。

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2025年01月14日

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