あらすじ
「おまえ、4月から社長な」
カリスマ創業者から2代目社長に指名された生産技術者、堀埜一成。
外食控え、人手不足、原価高……外食産業に逆風が吹く中、
13年にわたってサイゼリヤの社長を務めた著者は、いかにして危機を乗り越え、同社の急速拡大を実現したのか?
★Amazon売れ筋ランキング1位!本>ビジネス・経済>産業研究>外食産業(2024/6/5調べ)
・広告費は原価に回せ
・ライバルは見ない。見るのはお客さまだけ
・「当たり前品質」を当たり前に提供する
・キッチンスペースを半分にして利益率改善
・二流の立地で安く始める中国出店戦略etc...
野菜づくりから組織づくりまで!?異色の「外様」社長が実践した“理系発想の合理的経営術”、教えます。
個人消費の低迷、人手不足、原価高騰など苦境にあえぐ外食産業において、年間客数2億人、国内外の店舗数は1500を超えるなど、異色の成長を遂げているイタリアンレストランチェーンがサイゼリヤだ。
なぜサイゼリヤが強いのか。なぜ圧倒的な安さとおいしさを実現できるのか。
カリスマ創業者から指名され、2代目社長として同社の急速拡大に貢献し、コロナ禍にも揺るがない組織基盤をつくりあげた著者が、サイゼリヤを経営していた13年間を総括し、その成功の舞台裏を余すことなく語り下ろす。
農業、商品開発、店舗オペレーション、人材育成、組織変革、海外進出、リスクマネジメント……
これまでメディアで語られてこなかったサイゼリヤの真実が、いま明らかに。
株式会社𠮷野家ホールディングス代表取締役 河村泰貴氏推薦!
<目次>
プロローグ サイゼリヤはなぜ定期的に「炎上」するのか
第1章 「ないない尽くし」からのスタート ――創業時から受け継がれたサイゼリヤのDNA
第2章 入社してはじめてわかったサイゼリヤの真実 ――農業、工場、商品企画、店舗オペレーション
第3章 プロパーではない「外様」社長として ――それまでの常識を覆す
第4章 サイゼリヤ流「負けない戦略」 ――当たり前のことを当たり前に
第5章 次の「ミラノ風ドリア」を開発する ――ヒット商品のつくり方
第6章 サイゼリヤはなぜ中国で受け入れられたのか ――海外進出の成功法則
第7章 何があっても従業員を守る ――東日本大震災とコロナ禍における危機対応
エピローグ 社長業の13年を振り返って
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
『サイゼリヤ元社長が教える 年間客数2億人の経営術』
一番刺さったのは、
「安さ」は結果であって、
戦略そのものじゃないという考え方。
サイゼリヤは、
ただコストを削ってるんじゃなくて、
最初に「この価格で提供する」と決めて、
そこから逆算して仕組みを作っている。
・無駄を徹底的に削る
・標準化する
・ブレない設計を作る
全部が“意図的”。
だからあの異常なコスパが成立してる。
ビジネスって、
頑張り方よりも
設計の精度でほぼ決まる。
改めて、
「どうやるか」より
「どう設計するか」が重要だと感じた。
Posted by ブクログ
元味の素→サイゼリヤの2代目社長になった堀埜氏の回顧録。店舗の話、小売業としての話、製造業(工場)としての話、農業の話、海外進出の話、東日本大震災やコロナ禍対応の話など、ありとあらゆる分野の経験談が詰まっている。自分の知らない分野のビジネスの現場のことを追体験できる。
堀埜さんもすごいが、語られている創業者の正垣泰彦さん(現会長)がどういう人なのかという興味が出てきた。
Posted by ブクログ
みんな大好き、サイゼリヤ2代目社長の話。
サイゼリヤ創業者の考え方、負けない戦略に感動。
儲けようと言う気がない、他者と比べる発想がない、お客様に喜んでもらいたいと言う性善説に成り立っているのがすごい。
クリニック経営に役立つ情報がいくつかあった。
Posted by ブクログ
サイゼリヤの安さと美味しさは、偶然や、ましてや根性で生まれたものではない。
それは、すべての工程を数値化し、徹底的に効率性を追求した結果なのだ。
本書を読むと、その経営の裏側は、極めて「科学」と「論理」によって考え尽くされていると感じてしまう。
これだけでも奥が深い。
著者は農学博士の学位を持つ、異色の経歴の経営者だ。
ビジネスの現場の課題を、感覚ではなく、徹底的にデータと仮説・検証で攻略していく姿勢には恐れ入った。
本来の経営では、価格を下げるということは、品質を下げることと同義になりがちだ。
しかしサイゼリヤはそれを明確に否定している。
「美味しさ」を科学的に分析し、無駄なコストを極限まで削ぎ落とすことで、圧倒的な低価格と高い品質を両立させている。
なぜ「ミラノ風ドリア」を300円で提供できるのか。
サイゼリヤでは「美味い」という感覚すらも、統計的指標として捉えようとしている。
トマトの糖度や酸味、オリーブオイルの成分に至るまで、すべてをデータとして管理しているとのこと。
多くの飲食店では、料理人の勘や経験に頼って味を決定しているが、その方法では、店舗数が増えたときに同じ品質を維持することは難しい。
確かに、人間の味覚は曖昧である。
体調やその日の気分によって、同じものを食べても感じ方は変わるはずだ。
だからこそ、原材料の段階から徹底的に数値をコントロールし、誰がどこで調理しても同じ味が出せるように「再現性」を確保している。
まさに「科学的アプローチ」と言える。
当然だがこの手法は、味の再現性だけに留まらない。
価格を300円で提供し続けるために、あらゆる改善も徹底的に行っている。
原材料の仕入についても、大規模な契約農家から直接大量に取引を行うことで、圧倒的な価格優位性を保っている。
全店舗分の材料をまとめて仕入れるのだから、当然価格交渉も有利だ。
商品原価の管理を精緻に行うのは当然だが、現場の些細なオペレーションの無駄も、鮮やかなメスを入れていく。
例えば、店員の歩き方や、お皿の持ち方一つに対するこだわり。
サイゼリヤでは、作業の手順を秒単位で測定し、どうすれば最も無駄がないかを仮説・検証し続けている。
キッチンでの動線配置から始まり、食材をパッキングする袋の形状や、テーブルを拭くタオルの動かし方に至るまで、すべて徹底的な効率化の対象となる。
1回の動作で削れるのは、わずか数秒かもしれない。
しかし、年間2億人が訪れる巨大チェーン店においては、その数秒の積み重ねが数億円、数十億円のコスト削減へと繋がっていく。
効率化とは、決して人間に無理をさせることではない。
人間が最も楽に、最も高いパフォーマンスを発揮できる環境を整えることなのだ。
働く人が迷ったり、無駄な力を使ったりしている部分を、仕組みによって解消していくこと。
そういう発想になれるかどうかが重要なのだ。
私が働く会社も含めて、現代のビジネス社会は、効果に直結しにくい部分最適が多すぎると思う。
我々は知らず知らずのうちに、目の前の数字を追いかけるゲームに巻き込まれてしまっている。
だからこそ目先の目標達成のためだけに動いてしまい、部門間の縦割りが生まれ、かえって組織全体の効率が落ちてしまう。
本来の経営の視点に立てば気が付くことが、目の前のことで精一杯になると見えなくなる。
だからこそ「全体を俯瞰する」姿勢を持つべきだが、これがなかなか難しい。
どうすれば、組織としてその能力を獲得できるか。
本書を参考にするならば、まず実行すべきことは、組織の中に散らばっているバラバラなデータを一元管理してみることだ。
それらデータを、横串で刺して、構造を解析していく。
今ならば、人間が解析せずとも、AIに任せることもできるだろう。
そのAIの結果を基にして、メンバー間で議論を重ねれば、自ずと部分最適の視点は変化していくと思う。
むしろこの循環が必要なのかもしれない。
データを高速で処理することはAIが得意だが、自ら「これを成し遂げたい」という衝動を持つことはない。
社会のために新しい仕組みを作りたいという「志」や「情熱」を持つこともない。
「どうしても美味しくて低価格なメニューを開発したい」という衝動こそが、ビジネスを前に進めるための原動力になる。
もちろん、人間でしか持ちえない感情だ。
これからの時代は、科学的なアプローチを極めながらも、他者と差別化される独創的な「人間力」を高めることが非常に重要になるはず。
本書の中で、考えさせられたエピソードが、デジタル化に逆行する「手書き注文」の話だ。
コロナ禍で多くの飲食店が高価な「タッチパネル」を導入する中、サイゼリヤはあえて「手書き注文」を選択したのだという。
これはアナログへの逆行ではなく、極めて精緻な現場改善(オペレーショナル・エクセレンス)なのだという。
コストと耐久性を考えると、故障しやすく、更新費用の高いハードウェア投資を回避した方がいいという結論になったらしい。
さらに、注文票に「A1」「B2」といった料理コードを記入させる仕組みを採用したことで、外国人スタッフや顧客でも言語の壁なく、ミスなく注文を完結できるようにした。
そして、ミラノ風ドリアを299円から300円へ「1円値上げ」し、メニューを「50円単位」に統一したことで、1円・5円単位のやり取りが消え、個別会計の負担が激減した。
最新技術を導入するには、多額の投資が必要となってしまう。
その前に、オペレーションの工夫で解決策を見い出せないのか。
ここを徹底させようとすることが、なかなか真似できない。
サイゼリヤでは、このような「微差の積み上げ」が、莫大な利益の源泉となっている。
現場で働く社員の、不断の努力の賜物。
AIだけでは解決できない、まさに人間力の集合値と言えるものだ。
これからのAI時代を生き抜くために、我々は何が必要なのか。
サイゼリヤの戦略・戦術は、大変参考になると思う。
(2026/1/4日)
Posted by ブクログ
サイゼリヤ元社長が経営戦略を詳らかに描写する。
エンジニア出身だからか、一般的なレストラン経営とは全く異なる視点で見ているのが面白い。
味で差別化を図るのではなく、当たり前の品質を当たり前に提供する。それは盛り付けやずば抜けたスタッフサービスなどの類ではなく、例えばメニューがベタついているとかテーブルのガタツキを潰す。一方でトイレは匂いが強いのは許容できないので、検討の結果特定のメーカーの特定のモデルを採用すると言ったこだわり。
味については、特別なレストランではなく普段使いのレストランを目指す。イタリアの家庭料理を学びながらも、新鮮な野菜を提供できる仕組みを構築する。それはつまるところ食材生産にまで遡り、生産→調達→加工→物流→店舗での提供まで一気通貫で行う。(ユニクロの製造小売スタイルに類似と著者はいう。)無駄なオペレーションを省くことで、購買力を活かして安価で提供できるといったカラクリということだろうか。
難しくない平易な言葉で書かれてあり読みやすい。
Posted by ブクログ
山積した問題を解決するために数々の対応をしてきた話が語られている。大成功の裏側では、多くの試練が立ちはだかり、しかもそれを高質な制度で対処していくことに緻密さと共に真面目さを感じた。
抽象度はやや低いとも思えるが、それは一般に向けられた内容であるとしている上に、サイゼリヤという大衆に愛されるお店であるということを示しているように思える。あとは、創業者の正垣さんの執筆したものと比べてみると、やはり同じ経営理念で突き進んでいく仲間だとしても、その人の責任感の度合いや捉え方という資質で、事業過程における見え方が異なるものになるということを、当然ながら再確認した。
Posted by ブクログ
創業者ではなく2代目社長の本。
サイゼの本は5-6冊くらい読んできた
創業者の本はスピリチュアルに足を突っ込んでいるくらい
ふわふわした内容だった記憶がある。
しかし、この本はもう少し実務よりも、期待している内容であるように思えた。
Posted by ブクログ
二代目社長の回顧録。
スタッフ向き、マネージャー向きの話は確かに、と思うところがある。
実務ができることと管理ができることはイコールではない。