あらすじ
70代でも日々膨大な情報に触れ、学びを止めない池上彰さんの学びが楽しくなるエッセイ。
知識を得るだけではなく、「知識を運用」するための作法は人生を楽しく豊かにします。
日経新聞の人気連載「大岡山通信」10周年。池上彰さんが大学生に伝えてきた10年分の「学び」から選りすぐりのエッセイを1冊にまとめました! 大学生やこれから社会人になる方にも、社会人として学びを深めたい方にも最適です。
AI時代はただ知識をつめこむのではなく、「問う」ことが必要です。変わりゆく時代に対応するための人間らしい学びとは何か。いくつになっても日々の中の疑問を見逃さず、知らなかったことを知る経験を続けましょう。
「~必要とされるのが「学び」です。私は教養とは「知識の運用力」だと考えています。私たちの頭の中には、過去の学校教育で得られたたくさんの知識が詰まっています。ところが、多くの知識は頭の中に点在するだけ。バラバラの知識のままです。これでは運用できません。そんな知識の「点」と「点」を結べば線になり、線と線を結べば全体像が浮かび上がってきます。
このとき点と点を結ぶために必要なのが、新たな学びです。新たに学ぶことで、自分の中にある点と点がつながります。こうしてできた線と線をつなぐ力が運用力です。~過去の自分の学びは無駄ではなかった。それを知ることができるのですから、楽しいではありませんか。」(はじめにより)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
・真のリベラルアーツとは、自らの人生のために良き問いを立て、その答えを求め続ける姿。正解のない問いが多いが、幅広い知識を学び、教養として身につける姿勢を持ち続ける。
・伝える力を磨くということは、自身の信用力につながる。自分の言葉で話し、自分の言葉で文章を書いてみる。
・何歳になっても、テーマを問わず学びたい知りたいという好奇心を持ち続けることができれば心の若さをもたらしてくれる。
・教養とは知識の運用力。多くの知識という点どうしを結べば線になり、線と線を結べば全体像が浮かび上がる。
Posted by ブクログ
問いを立てることが大事、というのは分かっていても難しいなーと感じる。少しずつそういう機会を作って考える練習をしたい。
東工大では書評を書く という課題が新入生に出されるというのを読んで、自分でも挑戦してみようかな?と思っている。
Posted by ブクログ
現代史を受験勉強の比重が少ないからと勉強しない学生が多いが、世界大戦など人類が再び戦争をしないという意味を見出すためにも現代史は大事だと問われてる気がした。
私たちはどう生きればいいのか、との問いを立てることがAIにできない人間たる所以。
Posted by ブクログ
高卒なりに「自ら問いを立て、答えを探し求める」ようにしてきたつもりだが、やはりもっと高度な学問に接してみたい。まだ、自分は終わっていない。
「人生には決して無駄な経験などない」と、自分の子供や職場の新人さんに強く言いたい。むしろ、積極的に失敗してほしいと思っている。そういった経験が多いほど、きっと強くなれる。
Posted by ブクログ
池上さんの学生に向き合う姿勢、徹底して公平でわかりやすく伝えようとするポリシーに好感が持てる。その中で大切にする考え方や物の見方が本書で紹介される。正直、目新しいものはあまり無かったが、それでも、学びに対する誠実な姿勢に爽やかさも感じ、何だか心温まるような読後感だ。
ー 特に東工大生は本当に優れた理系の学生諸君ですから、うっかりしたことを言ったら、「発言が論理的ではないと追及されるのではないか」という緊張感がありました。というのも授業で解説すると、「定義は何ですか」とよく聞かれるからです。議論するときに「そのキーワードを定義してください」「定義のないままアバウトな語りはできません」と指摘するのです。これはすごいなと思いましたね。その一方でこんなこともありました。現代史を初めて講義して終わったとき、学生がわざわざ私のところに来て、「高校時代、歴史が本当に苦手だった。まったくの暗記科目だと思っていた。こんなに歴史が面白いと初めてわかりました」と言ってくれたのです。本当にうれしかったですよ。
教える側の緊張感は、よく分かる。それに対しての反応は、心に染みる。レスポンスは大事だ。心掛けるようにしたい。
ー 「そもそも問いを立てる、ただし、今、何が問題なのか」ということはAIには立てられない。AIは、これまでの既存の世界中のさまざまなデータを検索し、調べて…だから、新たな問いはそこにはない。「今、さまざまな問題に対してとうすればいいのか」「私たちはどう生きればいいのか」という問いを立てること。これこそが人間の人間たるゆえんなのかなと思います。
AIには問いは立てられない。本当にそうかは、まだ答えを出せる段階ではないが、それが人間である条件だというのは、よく分かる。
他にも池上さんが先輩から言われた教訓の紹介など。これは、同様に池上さん自身が後世に伝えたい事でもあるのだろう。どんな経験にも、意味がある。会社の言いなりにならないためには、1年分の給料を貯めておけ。有り難く、噛み締める。