【感想・ネタバレ】「頭がいい」とはどういうことか ――脳科学から考えるのレビュー

あらすじ

「頭がいい」とは、IQや記憶力だけでなく、感覚や運動能力、アートと創造性、他者の気持ちがわかる能力なども含まれる。どんな仕組みで良くなるのかを脳科学の観点から解説する。そのような能力を発揮し続けるための力を「脳の持久力」と名付け、そこに深く関係する脳細胞、アストロサイトの働きを紹介し、人間の脳とAIの比較、今求められる知性について著者の考えをまとめる。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

脳科学について専門的なことを身近な例でわかりやすく書かれていて、「それは脳のこういうしくみのせいなんだ!」と大変興味深く読めました。

「頭が柔らかい」というが実際にシナプスの可塑性(柔軟性)が脳機能に影響を与えていることや、「忘れること」は脳機能が落ちるためではなくむしろ脳の正常の働き方であること、抽象的なアートを見ている時脳は作品を通じて自分の内側(記憶や意識)を見ており、その自分の中での変化を楽しむのが抽象的なアートの楽しみ方ではないか、などなど各章のテーマは非常に興味深く多くの気づきを得ることができました。

タイトルにある「頭がいいとは」について本書では、自己認識力、またそれを表現する言語化能力やアートを通した表現力、スポーツなどの身体のコントロール能力であると書かれています。これらは能動的な経験によって鍛えられるものであり、課題に対し粘り強く試行錯誤を繰り返す「脳の持久力」こそ重要と書かれています。

辞書のような単なる知識の羅列ではなく、経験から得た気づきを言語化したもの、または言語化できない第六感的なものをどれだけ持つかが、その人の器量に関わる部分なのではないか、ともありました。

全体的に親しみやすい文章で、脳科学について詳しくない私ですが、新たな発見が多く楽しく読むことができました!
またアートとは異なりますが、読書をする時の私も、作者の書いた文章を読んでいるようで実は自分の内側で起こる気づきや変化を楽しんでいます。筆者の言うようにこういった行動が「私自身」を形作るものだと思いますので、今後も続けていきたいと思いました。

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2024年06月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ニューロンはよく聞くが、アストロサイトというものを初めて耳にした。すごい機能。
アストロサイトはある程度の刺激や負荷、新奇体験によって強い情動喚起が起こることで活性化される。また忘却することも一種脳のデトックス行為なので健全。
こういう側面(脳や身体)からも自分を知ることは大事だなぁと思った。

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2024年10月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本書は、脳科学の観点から「頭がいい」とはどういうことかを解説したもの。
著者によれば、頭の良さとは、単にIQや記憶力が高いことだけではない。感覚や運動能力、アートと創造性、他者の気持ちがわかる能力など、人間の生活におけるすべてに関わることと定義している。
そして、これらの能力を支えるのが「脳の持久力」であると著者は主張する。脳の持久力とは、脳が集中力を維持し、長時間情報を処理し続けることができる能力である。
そして脳の持久力は、後天的に鍛えることができる。
良質な睡眠、適度な運動、新しいことに挑戦することなどが、脳の持久力を高める効果がある。

本書から得られた教訓は、以下の通り。
頭の良さは、生まれつきのものではなく、努力によって鍛えることができる。
→常に学び続けることが大事?
脳の持久力を高めるためには、日々の生活習慣を意識することが重要
→良質な睡眠、適度な運動、新しいことに挑戦すること等を習慣化する?
→休憩を意識的に入れていく

どこかで聞いたこと(読んだこと)のある内容が多かったが、納得できることも多く、今一度自分の生活を見直す意味では有用であったといえる。

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2024年05月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

脳科学分野を研究する著者による「頭の良さ」についての本。

研究者としてはかなりかみ砕いて説明してくれているのだと思いますが、いかんせん読者のみなさん(私も含めて)は素人のため、なかなか内容が読み込みにくかったのではないでしょうか。

標題の“「頭がいい」とはどういうことか”については私の見立てですが、
・すぐ答えに飛びつかず、様々な可能性を考える力
・粘り強く思考しつづける力
・アストロサイトと呼ばれるグリア細胞が頭の良さに関わっているかも?
・自分の身体を思い通りに動かせることも頭の良さ

こういうことなのかな? と解釈しました(間違っているかもしれません……)

この本を読む前に、AIについての本を読んでいたために、最後の方に出てくるAIと人間の違いについて述べた部分に惹かれて手に取りましたが、全くの見当違いでした(笑)
この本を読む前にグリア細胞とか、アストロサイトについて、もう少し容易な本を読んでいたら良かったのかな……。
「知恵ブクロ記憶」もあまりピンと来なくて、私にはなかなか難しい読書でした。

ですが、最後のところの「コスパにばかり頼っていては社会が空洞化する(だから教育に力を入れないといけない)」というところは本当にそうだなと思いました。
芽が出ないかもしれないけれど、後進に力を入れないことには未来が先細る、と私もそう思います。

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2025年06月21日

Posted by ブクログ

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<目次>
第1章  「頭がいい」ってどういうこと?
第2章  注意しなければ知覚できない
第3章  脳の働きがいいとは、どういうことか
第4章  記憶という不思議な仕組み
第5章  思い通りに身体を動かす
第6章  感受性と創造性
第7章  人の気持ちがわかる
第8章  脳の持久力を担うアストロサイ
最終章  AI時代に求められる真の“頭の良さ”

<内容>
「脳科学」の本。「頭の良さ」と言うよりも、現在の脳科学の知見を漏れなくまとめた感じ。わかっていたことだけど、アスリートは「頭が良い」。自分の考えたとおりに身体を動かしているのだから。一般の人が思っている「頭が良い」は非常に狭い考えと言うことだ。

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2024年06月06日

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