【感想・ネタバレ】学力と幸福の経済学のレビュー

あらすじ

【改革に必要なエビデンスを網羅。生きる力を身につける教育とは何かを徹底解明】

ゆとり教育・少数科目入試がもたらしたもの、文科系大学生・理科系大学生の学力、日本人の特許申請数と学習指導要領の関係、科目の得意・不得意が収入に及ぼす影響、親の学歴の子どもへの影響、子どもが成功する子育ての型、言葉がけの秘訣――。教育の迷走に危機感を抱き、40年以上にわたって行ってきた様々な因果関係の調査・分析をもとに日本人の教育と学力の関係、幸福感、しつけの効果などを解明する画期的な調査・研究の集大成。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

アンケート調査等のデータ解析から、学力低下の実態、数学による所得格差を浮き彫りにする。
・私立文系の算数能力は偏差が非常の大きく、かつ非常に低い。・難関国立理系ですら数学能力が近年急低下している。
・中学の数学・理科の学習時間は840H→605H。他の先進国と比し極めて短い。
・私立文系社会科学部卒業共通一次世代の調査では、英語、数学、国語の順に役立つとしており、数学受験者の所得は有意に高い。
・公教育のゆとりは、親の学歴=所得の高さを子の数学選好・所得に反映
・学力考査のある入学試験を受けた卒業生は、受けていない卒業生より有意に所得が高い、特に国立理系。ただし国立文系については、考査なしの所得の偏差が大きすぎて結論は得られない。
・幼児に対する躾は倫理観と労働市場評価に強い影響を及ぼし、所得格差にも影響する。特に「うそをついてはいけない」、「他人に親切にする」、「ルールを守る」、「勉強をする」
・主観的幸福感(不幸感)は前向き思考(不安感)による。前向き思考は世帯所得と自己決定指標(進学先・就職先の自己決定の程度)。世帯所得第4分位(1100万円)が主観的幸福感の所得弾力性が最も高く、所得がそれ以上増加すると弾力性は顕著に低下する。

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2025年07月27日

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