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Posted by ブクログ
著者は1954年生まれの旅行作家。主にアジア・沖縄をフィールドにバックパッカースタイルでの旅を書き続けている。だが、コロナ禍で海外に出る回数が激減、2023年夏、ようやく旅を再開、国内を歩いた。
本書はその記録である。 花巻のデパート大食堂、ディーゼル車キハ40系が走る小湊鉄道、吉田拓郎の歌で有名な苫小牧発仙台行きフェリー、高尾山登山、路線バス旅などシニアのひとり旅ならではの味わい深い内容になっている。
同年代の自分としては、時代を遡ってノスタルジーに耽りながら読めるところに魅力を感じた。
最後に紹介されている小豆島に辿り着いた俳人・尾崎放哉が酒に溺れ、寺男になったのが山頭火とダブるところも興味深かった。
ただ、暗渠道や路線バスに関する記述は都内の地理や歴史、交通に関して詳細に書かれているものの、地方に住み、地理勘がなく想像力に乏しい自分には少し退屈だった。