【感想・ネタバレ】民主党政権 失敗の検証 日本政治は何を活かすかのレビュー

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Posted by ブクログ 2014年06月20日

3年3ヶ月に渡って民主党は政権を運営したが、それは誰もが認めるように失敗に終わった。現在の自民党第2次安倍政権でも未だ民主党員として活動している議員を中心にインタビューし、民主党の失敗を検証する。鳩山、管、小沢ら元重鎮や落選議員にインタビューをしていないのは残念だが、恨み辛みや自己防衛の言葉ばかり並...続きを読むべられるから、その選択はしょうがないか。

党首のリーダーシップのなさや小沢派と半小沢派の対立、官僚を使いこなせなかったこと、東日本大震災など、失敗の原因は様々にあげられるが、結局はマニフェストに書いていることを実行せず、書いていないことにやたら力を注いだことが問題だったように思う。

普天間基地移設、消費増税、TPPなどマニフェストに書いていないことに力を注ぎすぎて、書いていることを疎かにしてしまった。マニフェストの達成をアピールし、達成できなかったことを謝る。それだけで、民主党政権ももうちょっと違った目で見られたのではないだろうか。やはり有限実行って大事なことだ。

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Posted by ブクログ 2013年11月15日

私は民主党のリベラル思想には馴染めないが(したがってこれまで一度も民主党に投票したことはない)、船橋洋一氏は元朝日新聞であり、民主党にシンパシーをまだ持っている様子。

そういった方がまとめた本ではあるが、中身は、客観的に、公正に民主党政権の何がダメだったのかを検証している。各章の担当者は船橋氏ほど...続きを読む民主党ラブではなく、この「失敗」の教訓は国民すべてが共有してこそ、日本の将来のためになる、という考えを共通して持っているようだ(民主党が復活しようが消滅しようがそれ自体はどうでもいい)。

そういった視点から書かれているので、非常に興味深く、かつ有意義な本になっていると思う。

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Posted by ブクログ 2021年08月03日

民主党政権だったら新型コロナウイルスに感染しても直ちに健康に影響はありませんと政府が言っていたかもしれません。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年10月20日

この本をどう読むか。ある政党の失敗と読むのか。当時の政策と経緯を振り返るために読むのか。マネジメントの失敗と読むのか。仕事術の失敗と読むのか。結論から言うと、様々な観点で読むことが出来る良著である。ただリベラル思想の失敗と読むという内容ではない。民主党は、それ以前の問題で失敗しているのだから、そんな...続きを読む評価が出来ない。

例えば、どのような失敗だったか。よく言われるのが財務政策の失敗だ。実現性の無い政策をどんどん広げていく中、財務シミュレーションの予測が難しいから諦めるなど、致命的な戦略性の欠如。実に残念極まる振る舞いだ(前提を置いてシミュレーションをし、最低でも内部で共有は必須だろう)。そういった意味でも、民主党という組織の中間管理職がいないという指摘は、どの組織にも当てはまる内容に感じた。ただ、中間管理職という言葉よりも相応しい言葉は「戦略」「戦術」を考えることをしなかったという点だ。そもそも戦略を考え、それを実現する為の戦術をどうしていくか。それを考える人がいないとしても、それは上が考えればよい。考えなくても誰かをアサインさせなければならなかった。それをせずに湯水のように予算が出てくると考え、首相ごとにマニフェストにない方針が政策方針を打ち出すのは対しての責任感が欠如しており、口だけの政党と言われても仕方がない。

逆に言えば、もうすこし実現性のある、戦略・戦術的な運営が出来ていれば人々の評価は違ったものになっていたとも思う。2大政党の維持が、現在は夢に近いことを考えると、実に残念な内容であった。

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Posted by ブクログ 2019年10月04日

政権を担える野党が必要、と言われて久しいが、先の民主党政権の失敗から(本書含めて)多々の教材を得た筈だが、昨今の野党の動きを見るにつけ、それらへの反省と改善の取り組みが為されず、官僚機構を使いこなしたり、幼稚な自己主張を取り下げることもせずに離合集散を繰り返す様は、かつての民主党政権の惨状を繰り返し...続きを読むているようにしか見えないのは甚だ残念であり、本書はその考えを新たにするのに視野を与えてくれる良書である。

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Posted by ブクログ 2019年08月18日

民主党政権が失敗であった事は、本書のタイトルにもあるように議論の余地は無いが、だからといって、未来永劫自民党政権が続くことが良いわけは無い。与党と異なる選択肢を我々が持つためには、民主党政権の何がまずかったかをきちんと検証することが必要である。そのための基礎作業として本書は重要である。
あと気がつい...続きを読むたのは、現在の官邸主導の流れを、民主党政権が加速させたものの、当の民主党はそれをうまくコントロールできなかったが、安倍政権はそれをうまくコントロールして、今の強力な権力基盤を築いていると言うことだ。官邸主導の政治が、官邸から遠い人々の声を無視する形で進められている今、政治のあり方がどのようであるべきか考える必要があると思った。

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Posted by ブクログ 2019年07月31日

民主党政権が政権を握った後如何にして
下野することになったのか
色々な視点から書かれている。

大臣の失言という点からでなく政策面や党の問題から
書かれていて勉強になった。

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Posted by ブクログ 2019年11月24日

第1章 マニフェスト なぜ実現できなかったのか 中北浩爾 から考える。
民主党政権交代前、意外にも、選挙民にバラ色な政策を増やし、財源を増加させて来たのは、長年政権政党についていた自民党に在籍していた小沢であるという。
はっきり言って、この人は、選挙は上手だが、そして、どこかボンボン的選挙手法を行な...続きを読むっていた民主党に、ドブ板選挙を持ち込んだ功績は、大きいのだが、老練な政治家ながら、『何とかなるって。金なんていっくらでも、あるんだから。』と嘘ぶいていたところを見ると、政治家としての資質に欠けるんじゃなかろうか。
政権政党の経験に乏しい民主党の中において、小沢に期待されるのは、政策実現性であるはずなのだが。
あと、この本には、まだ出て来ていないが、市民運動家を師匠に持つ菅直人の首相時代のボトムアップである民主主義を無視した独善迷走振りもイタい。

全体に。
マニュフェストが、一部議員により作成され、所属議員に浸透しておらず、共有されていなかった。

子供手当は、保育施設の整備の方が順位が高く、そもそも国民が望んでいる政策の中で順位が低かった。

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Posted by ブクログ 2019年07月24日

 あの「悪夢」を冷静・中立に分析した一冊。本書は、わずか三年三ヶ月の短命に終わった民主党政権の「失敗」を様々な角度から分析したものである。いずれの章もイデオロギー色はなく、データに基づいた議論が行われている。
 本書を読むと、民主党政権は様々なシステム(「政治主導」や「子ども手当」など)を掲げて無党...続きを読む派層の支持を得たものの、導入のプロセスに関する検討はあまりにも楽観的過ぎたことが分かる。彼らの政策が妥協・挫折を余儀なくされた要因として「財源の確保」・「党内人事」・「選挙対策」などのキーワードが挙げられているが、現代の政治においてこれらの問題はどの政権にも起こり得るものである。結局、そうした“現実”を、あくまで自民党政権による“古い政治”の問題だとして直視することなく、理念先行のシステムの導入を推し進めたことが、民主党政権崩壊の根本にあったと言える。
 惜しむらくは、これらの教訓が今日の野党勢力に活かされているとは必ずしも言えない状況にあることである。ただ、あの三年三ヶ月の日々に感じていた「不満」や「もどかしさ」を理論的に解き明かしてくれた点で、非常に勉強になった一冊である。

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Posted by ブクログ 2015年11月28日

当初は期待を集めた民主党政権だが、日に日に国民の失望は高まり、3年3か月で政権から転落することとなった。本書は、民主党政権はどこで失敗したのか、それは、誰の、どういう責任によるものなのか、どこから何を教訓として導き出すべきか、ということについて、マニフェスト、政治主導、経済と財政、外交・安保、子ども...続きを読む手当、政権・党運営、選挙戦略と多角的に分析している。各章で執筆者は異なるが、いずれも民主党関係者のヒアリング結果も活用しながら、感情的にならずに、民主党政権の功罪が冷静かつ客観的に検証されており、今後の日本政治を考えるうえでも有益な内容だと思われる。
本書では様々な「失敗」の要因が指摘されているが、そのなかでも以下の5点が重要だと感じた。1点目は、国家戦略局の設置など、政治主導を実現するための主要な制度改正が後回しになって実現できず、政治主導が政治家の個人的資質に依存する属人的なものになってしまったことである。2点目は、民主党政権には日米同盟の資産を削ることへの同意はあっても、他の積極的な外交政策を展開させる能力が欠けていたことである。3点目は、子ども手当をはじめとして、党内での理念の共有が十分にされていなかったということである。4点目は、民主党議員が、「みんながリーダーになろうとし、誰もフォロワーになろうとしない学級委員体質」であったことが、組織マネジメントにとって致命的な欠陥になったことである。5点目が、政権運営に不可欠である「実務と細部」の欠如である。また、本書で指摘されているマニフェストの内在的な矛盾も、民主党政権の蹉跌の構造的な要因であったであろう。
一方で、民主党政権には、予算編成プロセス改革としての「事業仕分け」や社会構想としての「子ども手当」など日本政治をよりよくする可能性を持つ芽が生まれたことも確かだと思う。現在は民主党政権時代のことはばっさり否定されるような風潮を感じるが、本書で示されているような民主党政権の功罪を教訓として、今後の日本政治に前向きに活かしていくべきだろう。

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Posted by ブクログ 2014年12月02日

戦後日本政治史における初めての本格的政権交代は、自民党の復権というよりも、民主党の自滅という形で3年3カ月で幕を閉じた。果たして、何が問題だったのか、民主党員へのアンケートや書籍などを通じて、その原因と内部で行われたことを丹念に新書にまとめている本。

内容は、それぞれ頓挫した、マニフェスト、政治主...続きを読む導、経済と財政、外交・安保、子ども手当、政権・党運営、選挙対策、政権担当能力を磨け の7章と序・終章の10章を分担執筆している。どれも肩入れすることなく冷静に分析していると感じた。

 アベノミクス解散として、衆議院は2年で安倍首相は解散させたが、民主党の自滅を本書で学ぶとともに今の自民党にもより厳しい目をもって、有権者としての責任をこれから果たしたいと思った。

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Posted by ブクログ 2014年03月25日

失敗の原因について辛辣に指摘しているが、評価すべき点も挙げてあるところはよい。公平な視点で見ていると思う。

民主党内部のアンケート、および外部についてのデータを元にして展開されており、納得感がある。

こうすればよかった、もしくは選挙の負け具合を最小限にできた、という点があるともっとよかった。

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Posted by ブクログ 2014年02月11日

題目の通り、民主党政権を各分野ごとに検証する一冊。
資料、インタビュー、アンケート結果が豊富で分かりやすく、
どこに失敗の要因があったのかを垣間見ることができる。
これらの要因を解決することは用意ではないが、
頑張ってもらいたい。
と同時に、同じ失敗を繰り返させぬよう、
我々自身も目を養う必要を感じ...続きを読むた。

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Posted by ブクログ 2013年12月11日

民主党政権の検証は批判一辺倒のものが多いなか、冷静に分析されていたので好感をもった。
特に小沢一郎氏と民主党の関係、小沢氏ならばマニフェストは実現できたのか、などの項目は興味深く読んだ。
一人のヒーロー、一党による救済に期待せずに有権者が政治を育てなければ民主主義の終わりはすぐそこに来ていることを感...続きを読むじさせられた一冊。

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Posted by ブクログ 2013年11月24日

民主党政権が何故失敗に終わってしまったかを様々な分野や政策(福祉、外交、経済・財政etc)ごとにまとめた本。
実力のある執筆陣がそれぞれの章を担当しており、非常に良くまとまっている。このような失敗の理由を検証する本が出てくること自体、今後の日本政治のためになると思う(そして、何よりも有権者のためにも...続きを読む)。

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Posted by ブクログ 2013年11月18日

マニュフェスト、子ども手当、政権運営の章は初めての話が多く勉強になった。

以下、簡単な要約など。

第1章マニュフェスト
2005年岡田代表作成のマニュフェストから、2009年小沢代表マニュフェストで大幅に増額
岡田氏の削減努力により16.8兆にとどまった(...続きを読む修正案は10兆円)
しかし、そもそも10兆円の財源すら確保できていない
税収の見通しや社会保障費の自然増を盛り込めていない
マニュフェストの作成過程が一部の議員に偏り党全体での共有不足
検証可能なものか方向性を示すものか


第2章政治主導
政務三役の人事を官邸がグリップできず(藤井財務大臣問題)
政務三役の役割分担も各省任せ
調整力不足、議事録も無い閣僚委員会
事務次官会議の廃止により失われた官僚の調整機能
歳出・歳入の構造改革を目指した国家戦略局
しかし人材不足や法案の未成立により最終的には経済財政諮問会議化
幹部官僚人事については政権の手が回らず結果各省任せに
事業仕分けは注目を集めたが、財源捻出効果は限定的
後手に回った制度改正と党内での認識の共有不足


第3章経済と財政
リーマンショックによる税収減に対応できず歳出増
予算改革も未達


第4章外交・安保
理念先行の東アジア共同体構想
普天間問題における鳩山首相の暴走
社民党への配慮による年内決着を2010年5月まで先延ばし
その結果迷走に拍車がかかり支持率低下に
漁船衝突事件の船長長期勾留の是非→早期の送還もあり?
尖閣国有化での中国首脳の感触の見誤り
中国との外交ルートの脆弱性
東アジアとの連携強化


第5章子ども手当
子育ての私的責任から公共責任への転換
控除から手当への転換
所得控除や配偶者控除は高所得者に有利
子ども世帯と共働き世帯で再分配後の相対貧困率が上昇
児童手当から転換するための制度設計の甘さ
理念の党内での共有不足
担当大臣の激しい入れ代わり
保育所拡充への期待とズレた幼保一元化
高校無償化や子ども手当は一定の効果
子育ての公共責任と負担と給付の見直しは今後の課題


第6章政権運営
政府と党の関係の迷走
リーダーとフォロワーの対立の激化で割れる党内
総理案件の暴走と党内の政策決定システムの不在
当選回数序列型の政務三役人事
政務三役になれない当選回数1~2回議員の登用問題
政務三役になれなかった議員の離党率の高さ
当選1~4回議員の再選率の低さ→離党が再選可能性に影響しない
藤井裕久の財源問題での豹変→増税派への転換


第7章選挙戦略
参院選の1人区への偏在
農村寄りの政策を取った2007年参院選
得票率で上回りながら議席数で負けた2010参院選
衆参を勝つためには曖昧になりやすい党の方向性

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Posted by ブクログ 2019年07月07日

身もふたもない。ま、実感だけどね。
ただ、あの頃の民主党はやりたいことがあって、ちゃんと政策を考えていた。
ただ、考えていただけだった。
どう実行するかと言う細部は全く詰められてなかったし、財源は甘いし、マニュフェストと現実の板挟みでどっち選んでもボコられる、総理はマニュフェストにないことを第一に挙...続きを読むげ続けるし、大量当選した新人たちは不満がたまる、みんな前に出たがってフォローに回れない。

自民党の自滅で担わされた政権も、とても受け止める力はなく、自滅。

今、自民党に代わる党がないことが本気の問題だ。

なんつっても、奴らが分解後の今の状況は、政策も政権担当能力もなく、週刊誌記者か○産運動家みたいな、反対するだけの簡単なお仕事の方々だし。

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Posted by ブクログ 2014年04月20日

民主党政権の何が問題であったのかを、マニュフェスト、政治主導、経済と財政、外交・安保、子ども手当、政権・党運営の各分野で検証する。分かりやすいし、読めば読むほど「なるほど」だけど、民主党が政権についた2009年の衆院選前に、これを示唆する情報は提示できなかったのだろうか。
それ以上に、だったら自民党...続きを読むはちゃんとしているのだろうか? とてもそうは思えないけど、今現在それは大きく報道されることもない。危ない気がするなぁ。
政党政治の限界を憂う議論がなされないのが不思議だ。

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Posted by ブクログ 2014年01月19日

独立系シンクタンクによる民主党政権の失敗の検証。マニュフェスト、小沢氏をめぐる人事問題、予算、尖閣、普天間そして原発事故対応など色々問題はあるが、民主党政権が失敗した最大の理由が政権交代であったこと。
政権交代が行われた時点で、民主党政権のクライマックスが来てしまっていたことかもしれない。
現、民主...続きを読む党を研究しても何の意味もないが、一党独裁国家は一部既得権益層の利益の拡大のみに走ることが立証されているのであるから、これから政治を目指す人たちには、政権を交代し得る、もしくは自民党と互角に戦える政党を立ち上げもしくは活性化することを心から期待する。

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