【感想・ネタバレ】民主党政権 失敗の検証 日本政治は何を活かすかのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

この本をどう読むか。ある政党の失敗と読むのか。当時の政策と経緯を振り返るために読むのか。マネジメントの失敗と読むのか。仕事術の失敗と読むのか。結論から言うと、様々な観点で読むことが出来る良著である。ただリベラル思想の失敗と読むという内容ではない。民主党は、それ以前の問題で失敗しているのだから、そんな評価が出来ない。

例えば、どのような失敗だったか。よく言われるのが財務政策の失敗だ。実現性の無い政策をどんどん広げていく中、財務シミュレーションの予測が難しいから諦めるなど、致命的な戦略性の欠如。実に残念極まる振る舞いだ(前提を置いてシミュレーションをし、最低でも内部で共有は必須だろう)。そういった意味でも、民主党という組織の中間管理職がいないという指摘は、どの組織にも当てはまる内容に感じた。ただ、中間管理職という言葉よりも相応しい言葉は「戦略」「戦術」を考えることをしなかったという点だ。そもそも戦略を考え、それを実現する為の戦術をどうしていくか。それを考える人がいないとしても、それは上が考えればよい。考えなくても誰かをアサインさせなければならなかった。それをせずに湯水のように予算が出てくると考え、首相ごとにマニフェストにない方針が政策方針を打ち出すのは対しての責任感が欠如しており、口だけの政党と言われても仕方がない。

逆に言えば、もうすこし実現性のある、戦略・戦術的な運営が出来ていれば人々の評価は違ったものになっていたとも思う。2大政党の維持が、現在は夢に近いことを考えると、実に残念な内容であった。

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2020年10月20日

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