あらすじ
強奪された「心臓」
誰が、何の目的で?
臓器移植。不幸にも命を失った人間の善意が別の患者を助ける、命のリレー。
そんな死者の崇高な遺志を踏みにじる「連続臓器強奪事件」が発生する。
心臓を運ぶコーディネーターへの襲撃を皮切りに、次々と奪われる命の灯。その被害は天医会総合病院にも及び……。
生命を略奪する犯人の正体は? 現役医師が描く本格医療ミステリー! 書き下ろし掌編「生命の摂食者」収録。
出版社名「新潮社」より過去に配信された作品に加筆修正し、新たに書き下ろし掌編を加えた『完全版』となります。重複購入にはご注意ください。
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Posted by ブクログ
魅力的なキャラクターたちと巧妙なミステリーが組み合わさった、非常に楽しめる一冊でした。
特に、主人公の天久鷹央、小鳥遊優、鴻池舞の個性が光っており、物語に引き込まれました。
天久鷹央は、圧倒的な記憶力と鋭い推理力を持つ天才医師で、まるで写真のように物事を記憶できる能力が印象的です。
その一方で、空気を読むことが苦手で、人間的な感情に乏しいというギャップがあり、そこに人間味を感じて好感が持てました。
彼女の独特な言動には目が離せません。
小鳥遊優は、そんな天久の暴走を止め、物語の流れを整えるバランサー的な存在です。
彼の冷静で穏やかな性格は、強烈な個性のキャラクターが多い中で、安心感を与えてくれます。
鴻池舞もまた、物語に彩りを添える存在で、それぞれのキャラクターが魅力的に描かれていました。
ミステリーとしても非常に優れており、特にどのようにして謎を解いていくのかにワクワクしながら読み進めることができました。
最初に登場する臓器強奪犯は、「ケメティズム」という難解な思想を持っており、なかなか共感しづらい部分もありました。
また、臓器強奪事件が複数発生し、同一犯人と思わせながらも実は無関係な2人による別々の犯行だったという展開には驚かされ、推理の難しさと面白さを同時に味わうことができました。
今月、このシリーズものがTVドラマとして放送されるので、映像化されることでキャラクターたちがどのように描かれるのか、今からとても楽しみです。
Posted by ブクログ
「天久鷹央の推理カルテ」シリーズ14
臓器移植による命のリレー。死者の崇高な遺志により誰かの命が助かるはずだった…
心臓の強奪を筆頭に次々と奪われる移植されるはずの臓器。犯人の目的は一体なんなのか。
鷹央、小鳥遊に鴻ノ池も加わり、その真相を明らかにしていく!
その中で小鳥遊の鷹央へ対する保護者みが深まっていくところも見どころです。
エジプトの古代文明や臓器移植について勉強になりました!
時系列が気になる人へ…
小鳥遊が赴任して一年以上。ようやく鴻ノ池が研修医として統括診断部にやってきた。
ナイトミュージアム事件、火焔の凶器、幻影の手術室、魔弾の射手より後の話。