あらすじ
イギリス公共放送BBCが制作したドキュメンタリー番組『J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル』をきっかけに動き出した故・ジャニー喜多川氏による過去の性加害問題。長年、日本のメディアにおいて「最大のタブー」とされてきたこの問題は、「ジャニーズ性加害問題当事者の会」をはじめとする“被害者”の告発も相次ぎ、ついには国連人権理事会が聞き取り調査に乗り出すまでに発展した。
「外圧」によってパンドラの匣がこじあけられた結果、日本のエンターテインメント業界の礎を築いたジャニーズ事務所は解体を余儀なくされ、昭和から平成、令和にいたるジャニー喜多川氏が積み上げてきた功績はすべて葬り去られた。
しかしながら、このヒステリックなまでの追放劇は、果たして正しい“解”だったと言えるのか……?
今回起きた一連の騒動は、「人権」を盾に品行方正な振る舞いを押し付けるキリスト教的価値観が生んだ「キャンセル・カルチャー」に他ならない。
もともとアメリカで2010年代に顕著な動きとして現れたキャンセル・カルチャーは、著名人による過去の不適切な言動や企業・団体の特定の行動がいったん問題視されると、SNSを中心に激しいバッシングの嵐が吹き荒れ、ついにはボイコットや不買運動に発展するなど、表舞台から徹底的に排除するムーブメントのことをいう。
ただ残念ながら、すでに日本においてもこのカルチャーは根付きつつある。
東京2020オリンピックのとき、開会式に楽曲提供していたミュージシャンや閉会式を担当していた演出家らの数十年前の発言が次々に槍玉にあげられたのを覚えている人も多いのではないか。直近でも、ダウンタウンの松本人志氏が過去の行いについて週刊誌メディアに断罪されているが、古来、日本人はもっと寛容だったのではないか?
特に芸能の分野では「陰間茶屋」と呼ばれる「男色文化」を育んできた歴史もある。一神教によってできあがった欧米の価値観は決してグローバルスタンダードではないのだ。
今回、『ゴーマニズム宣言SPECIAL 天皇論』(小学館=2009年6月)や『同 愛子天皇論』(扶桑社=2023年6月)など、30年以上にわたって日本の史実に深く切り込んできた漫画家・小林よしのりが、ジャニーズ問題をとば口に日本の芸能文化を紐解き、日本人のルーツを探る。
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Posted by ブクログ
キャンセルカルチャーとは言葉の意味としてはカルチャーをキャンセルしてしまうこと。
時代と共に価値観は変わっていくものだと思う。
その中で良い、悪いが判断されて今私たちの文化や考え方を形成している。
悪い文化だけをなかったこと、今の基準で裁くことはできないのだ。
そして、ジャニーズ問題に関しては、あれが連日報道されてることに嫌気がさした。BBCニュースでニュースになったことを取り上げる日本のテレビ局は自分たちでは取材をしないのか?
そうも思っていた。
そして再発防止に関しても今はいないジャニーを罪人と掲げているし、再発は今の時代的にもありえないのではないか。追記取材でBBCが更なるインタビューをしているが、対応が足りないなどと。
だったら司法の場でちゃんと被害者は争えと言いたい。それを誰もしないで世間の声だけであそこまで弾劾してしまう世の中はおかしいと思う。
被害者が如何なる誹謗中傷も受け付けないと言ってるが、批判と誹謗中傷は全く異なるものだ。
被害者といえば、それを信じ切って良いのか。
誰も裁判を起こしていないジャニー氏を犯罪者と決めつけてたかったマスコミもどうかしている。
見て見ぬふりをしてきたのはあなた達だって一緒だし、被害者も今まで被害申告をしていないのは何かメリットを享受してきたからではないか。
自分の都合で時と場合によって、被害者になって良いのか。
BBCの記者にも言いたい。日本の文化をそっちの判断基準で批判をするなと。
日本は本来色々な性を受け入れられるはずだと思う。新宿2丁目に始まり、そもそもLGBTQとか言われる前からはるな愛やマツコなどがテレビでも活躍しているではないか。
私たちには私たちの性のカルチャーがある。
だからホストやキャバクラ、その他グレーゾーンの性風俗が日本には存在すると思っている。
みんなそれは黙って認めてるではないか。