あらすじ
日本人の海外「流出」が注目を集めている。ワーキングホリデーの若者、子育て世代、富裕層、技術者や研究者、リタイア世代。日本をなぜ離れるのか。海外移住にはどんなリスクがあるのか。移住研究の第一人者が、当事者へのインタビューやデータをもとに実態に迫る。自由な環境で実力を発揮する人々から、悪徳業者に騙される若者、帰国したくてもできない離婚者まで、海外で暮らす人々の明暗と日本への影響。
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Posted by ブクログ
日本が香港化しているんだな。安全のために逃げ出せる人は逃げ出す。気がつかないやつとそれでも動けないやつが残る。女には住みにくい国だもの。
Posted by ブクログ
前読んだ体験談メインのルポ新書より、もう少しデータや歴史寄り。日本からの移住の歴史を概観する導入のところで、そうだよな、昔は政府が促進してたんだよな…と。今、日本が相対的に貧しく(魅力が少なく)なってきたという理由での移住者がじわりと増えていることに、一抹の寂しさを感じるけど、長い目で見ればそんな時代はいくらでもあったわけで。
で、これはタイトルの通り影の部分も扱っており、わりと公平であろうというスタンスが見受けられた。
オーストラリアがメイン。
日本はどこまで沈むのか、自分はもう仕方ないけど子どもは日本以外でも生きていけるようにしておかないといけないのかどうなのか(日本が住めなくなるって未来は悲しいけれど)、親として悩みは尽きない。
Posted by ブクログ
海外に流出している日本人、
実際どれだけの人数化は把握できていないのが実情らしい。定量・定性データを組み合わせ、議論が深められています。
そして、日本を生きやすい国にするには、という重大な投げかけがあり、この課題を考えるうえでもとても興味深い分析、視点だなーと思いました。
・・・
分かっている数値だけ見ると、かなり波がある。
例えば、2022年ー16000人、2021年ー 7000人、2008年ー110000人…
金融危機の時期がかなり数値が上がっている?
2015年の富裕層税制改正がひとつ挙げられていました。
富裕層にとって日本にいることが損になるので、この2015年前に海外に移住する、という対策を取られた方が多かったとか。
ワーホリの7割が女性、海外永住の6割が女性、というように、
男女比で不均一なのですね。
地方からの女性の流出の背景と重なりそうですね。
日本での生きづらさ、働きづらさについてもあとに触れられていましたが、東京への一極集中をなくすには、地方に戻るのではなく、海外に散る、という手があるのかもしれませんね。
・・・
日本を出る個々人の動機についても共有されていました。
自己実現、生きやすさの模索、リスク回避、経済性。
海外在留邦人数調査統計によると、2023年10月1日現在で永住者は約574,727人と過去最高だそうですが、
実際、みんなが報告しているわけでもなく、l永住権を手放した人については分からないし、
なかなか状況を把握するのは難しい事象だなと思いました。
2024年からは日本もデジタルノマドビザが開始されたなど、
海外に在住する目的によって、滞在形態も異なってくるようにも感じるので、
日本の生きづらさ、と流出の関係を調べる、
租税回避、崩改正との関係を調べる、
などと、一つ一つ見ていくと面白いのかもしれません。
(既に分析されているのかもしれません。)
経済市場はグローバル化しているように思うので、
勤務地もグローバル化するのは自然な流れもありそうですが、実際は…?
そして海外と比較して、日本は国民にとって住み続けたい国であるのか、という国際比較はできるのかな。
日本を生きやすい国にするには、という重大な投げかけが根本にあり、議論の深みを感じます。