あらすじ
愛憎から教師を殺してしまったあゆみ。失踪した彼女をようやく見つけだした精神科医は、他者を威嚇する狼の瞳を持つ少女の、傷ついた心に触れて──……。表題作「ナイフ」をはじめ、衝撃のデビュー作「キスの黄金」、「ハネムーン」など93年から95年にかけて描かれた、読む者の魂へ鮮烈に切りつける初期短篇全7本を収録!!傷つけ、傷つけられ、弱さ抱え、涙止まずとも、何よりも求める、吸い込まれそうな青、そして愛──…。
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Posted by ブクログ
精神を病んだ主人公たち。何かが欠落している。でもその暗く深い穴を埋める術を知らない。読んでいるうちに自分が疑似体験しているような心境になる不思議な話を描く方です。「渇望」が一番印象に残りました。
Posted by ブクログ
本棚整理にて再読。
青い、青い、青いよー! な一冊。
10代である、その年代だからこそ感じる温度。
そんなのはすっかり遠い昔となってしまった人が読むと、
懐かしみと共に、ぎゃー///となる事必至ではないだろうか。
恐らく作者本人もぎゃー///なってるんじゃないだろうか。
あの感覚は本当、あの時だけのものだなあと思う。
人によっては黒歴史的な感覚だけれども。
この本で一番素敵だなって感じたのは、締めのラストの短編が『ハネムーン』という構成のところ。
全編を通して、どれもが死に惹かれ、自分だけを見つめ続けていた少女(少年)たち。
彼らの成長(別れ)を表しているみたいで。