あらすじ
息子が成人するとき、おとうさんは76歳!
残された時間がない、将来のお金がない、若い頃の体力がない「3ない」子育てのリアル。
不妊治療もしなかった中年夫婦が奇跡的に受胎。
高齢出産の妻を襲うコロナ禍の不安、おたふく風邪からの心筋炎で母子とも生命の危機に!
「老眼で赤ちゃんの爪切りが怖い…」
ベテラン新聞記者が、シニア子育ての苦労と喜びを実体験をもとに描く。
【目次】
はじめに 産まれてくることは「あたりまえの奇跡」です
1章 コウノトリは青天の霹靂
2章 高齢出産の危機
3章 生死をさまよいながらの出産
4章 56歳と45歳で子育てデビュー
5章 遅い子育てマネー術
6章 60歳からの生き方が変わった
7章 今になって! ……妻が驚きの告白
おわりに 親子3人でいられるのは医療スタッフの方々のおかげです
【著者プロフィール】
中本裕己(なかもと・ひろみ)
産経新聞社 夕刊フジ編集長。
1963年、東京生まれ。関西大学社会学部卒。日本レコード大賞審査委員。浅草芸能大賞審査委員。
産経新聞社に入社以来、夕刊フジ一筋で、関西総局、芸能デスク、編集局次長などを経て現職。
広く薄く、さまざまな分野の取材・編集を担当。
芸能担当が長く、連載担当を通じて、芸能リポーターの梨元勝さん、武藤まき子さん、音楽プロデューサー・酒井政利さんらの薫陶を受ける。
健康・医療を特集した、健康新聞「健活手帖」の編集長も兼ねる。
48歳で再婚し、56歳で初めて父親になる。
発行:ワニ・プラス
発売:ワニブックス
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Posted by ブクログ
ひょんなことから、妻45歳夫56歳で自然妊娠した夫婦のエッセイ。
著者は産経新聞勤務の夫。
さすが、新聞社の編集長だけあって文章がかなり上手くて読みやすい。
子供はもう諦めていたというご夫婦は、宵越しの銭は持たない主義で、仕事に打ち込み飲みに行き、小銭が貯まれば海外旅行で散財していたそうな。
しかし、思いがけず妊娠したことで生活は一変。
今後の教育費のために外食は慎み、もちろん旅行も控えたそうな。世間ではコロナ感染拡大の頃だったからちょうど良かったらしい。
全体を通じて感じるのは、戸惑いよりも、妻と産まれてくる子供への深い愛情。
妻への気遣いや、各種ウイルスの感染対策もかなり入念に行っていた様子。
妊婦は免疫が弱っているというが、なぜ弱っているのかというと、胎児は夫の遺伝子も受け継いでいるため、妊婦にとって胎児は実は異物。
異物を攻撃させないため免疫が弱っているのだとか。
だから、妊婦以外だったら軽症ですむ風邪も重症化しやすく、生モノにも当たりやすくなる。
そんなこんなで、感染対策には気を遣っていたのに、妻がおたふく風邪に感染して入院することに。
そして、入院後、心筋炎になり転院。なんと妊娠7か月で緊急帝王切開をすることに。母子ともに救うためにはこの選択肢しかなかったそうな。
大げさではなく文字通りの命がけの出産の箇所は涙なしには読めなかった。
突然のことに戸惑い、絶望し、それでもなんとか気力を保たなければと必死に足掻く著者の心中が読み取れた。
「今日明日のどちらか」と言われて「明日」という選択をしてろくなことはないという指摘はとても身に沁みた。
確かに長い人生を考えた時に、24時間の差は大したことないが、今目の前に起きていることに向き合うという考えに立つと、24時間というのはいかようにでも状況は変わってしまう。今後の人生の教訓にしようと思った。
Posted by ブクログ
母子対面の場面で大号泣しました。
出産って、親子共々本当に命懸け。
重い話のはずなのに、決して暗い気持ちにならず、続きが気になってサクサク読み進められます。
Posted by ブクログ
タイトル通り、ご本人たちも驚く高齢で子供を授かった夫婦の話。とても読みやすく、得られる情報も多い。子供が20歳になる時、夫は76歳、妻は65歳。「今を大事に」して子育てしている様子が、明るくていい。
Posted by ブクログ
何気なく読み始めたら止まらず一気読み。まさにハイリスク妊婦で無事に蓮くんが無事に産まれてきたことや、奥さんが生きて退院出来たことが奇跡のよう。特に母子対面した後の母親の回復力やガン(疑い)が消えていたことなんかも奇跡の連続だった。母子の生きる、生きたいという希望をまざまざと見せつけられた。
Posted by ブクログ
新聞社編集長という経歴の著者だけあって、非常に読みやすく引き込まれる文章でした。
私自身も高齢で親になったので、自分のことのように読むことが出来た。