あらすじ
「情報」を信じすぎる、不幸な日本人へ
もっともらしいニュース(報道・情報)にダマされない「思考力」と「判断力」を磨く
○脳の使い方、人間関係、寿命、環境・社会問題まで、あなたの幸せの未来のための必読書
○日本人を劣化させた「後ろ向きの考え」を正す
日常的に「ウソ」をつく人がいます。
とくに今の日本では、政治家や官僚、企業人など社会の主導層でウソをつく人が多いようです。
サイエンスの世界でもっとも忌避されるのが、このウソです。
その理由は「自然は絶対にウソをつかない」からです。
科学的なウソは、将来的に100%露見します。
だから真の科学者は決してウソをつきませんし、誤魔化すようなことも言いません。
ところが近年、政府の間違った指導によって、科学者もウソをつかないと研究費がもらえないという状態になり、その煽りを受けて一般社会でもウソが蔓延してきました。(中略)
人間の大脳の力の方向性を少し変えれば、本当に価値のある「知の力」を生み出すことができるはずです。
その最も有効な方法が「読書」です。
他者の知を獲得することで、我々は暴力性を脱し、真の意味での知恵者になれるのです。(「はじめに」より一部抜粋)
■社会問題をサイエンス脳から考える
■「寿命」と「長寿」のサイエンス
■「脱炭素」は非科学的である
■真実を語るには、勇気がいる
■科学が「社会」に負ける悲しい現実
■やるべきことをやっていると、死の恐怖が軽減される
■科学とは「事実を知りたい」という心と行為
■「交通事故」を解決できるのは科学しかない
■日本人を劣化させた「後ろ向きの考え」
■「地球温暖化」問題は、科学から逸脱している
■なぜ日本の「原発」はフル稼働できないのか
■大切なことは、周りの命とどうかかわるか
【著者プロフィール】
武田邦彦(たけだ・くにひこ)
1943年東京都生まれ。工学博士。東京大学教養学部基礎科学科卒業。
その後、旭化成ウラン濃縮研究所所長、芝浦工業大学工学部教授、名古屋大学大学院教授を経て、中部大学教授。
世界で初めて化学法によるウラン濃縮に成功し、日本原子力学会平和利用特賞を受賞、内閣府原子力委員会および安全委員会専門委員などを歴任。
原子力、環境問題をめぐる発言で注目されている。
著書に、『かけがえのない国』(エムディエヌコーポレーション)、『武器としての理系思考』(ビジネス社)、『50歳から元気になる生き方 70代の今がいちばん健康な科学者が実践!』(マガジンハウス)など多数。
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Posted by ブクログ
科学を進歩させていけば、いろいろなことが解決していくのだが、まだまだ宇宙の真理の一部に触れたに過ぎない。それを認識せよ。科学には反証が必要である。固定概念にとらわれるな。仮説を覆す実験があれば仮説を変えよ。役に立つことを求めるばかりの研究や取柄を探そうとし、階級社会をつくってしまう西洋式教育を疑え。大脳新皮質が発達した人間は死を恐れる。本能は大切である。
これからは鉄からシリコンの時代になる。環境問題は長い地球史の一部分を切り取った近視的な見方である。今は氷河期の中の間氷期で、その中で気温が上がったり下がったりする。北極海の氷が解けてもアルキメデスの原理により海水面は上がらない。50度の南極の気温が5度上がっても氷は溶けない。温暖化より寒冷化の方が怖い。宇宙線が増え雲が増えると寒冷化する。黒点活動と関係がある。
石油枯渇説は石油値上げのためのものだった。炭素は生物や人の生活にとって不可欠なもの。二酸化炭素削減政策は間違っている。それをやっているのは日本だけ。
原発の安全対策は不完全。安全のための研究を進めていけばよいが、「役に立つ研究」を進める政府から補助金を得るために、政府に媚を売る研究者が多くて、それができない。
今の日本は本当のことを言ったら排斥される社会である。
長生きをしたければ、あるいは死を恐れないようにしたければ、自分を無くすこと。
こういう内容である。大体のところは頷ける。読みやすいようにと書かれた本のようなので、論証に荒いところがある。突っ込まれれば、さらに詳しい論証をするのかもしれない。