あらすじ
これは、捨てる! あれも、捨てる……?
溢れかえる洋服、本、フィギュア、溜め込んだカップ麺、レトルトカレー、非常食、密かに隠した写真に手紙……。他人事ではありません!
身内の身の回りを“断捨離”しようとする人たちの、右往左往に大共感の連作小説。
「捨てられない姉 捨てさせたい妹」
43歳・独身のトモコは引っ越しのため洋服を処分しようとするが、あれこれ思い出してなかなか進まない。14歳下の妹・マイ(元セレブ妻)は手伝わないくせに口は出し、どんどん捨てさせようとし、捨てる代わりに新しい洋服をプレゼントすると言う。
「息子の嫁の後始末」
息子の妻が突然、姿を消してしまった。彼女が残した荷物を整理するハメになったタダシは、ため息をつきながら、心でツッコミを入れながら、大小雑多な“ゴミ”と格闘するのであった。
「本好きとフィギュア好きの新居問題」
フィギュア好きの同僚・ヨシノリと結婚することになった、本好きのサエコ。2LDKの新居を決めたけれど、それぞれの本とフィギュアはある程度処分しないと、到底収まりそうにない。週末ごとに本を整理するサエコだったが、ヨシノリは作業している様子がまるでない。
「溜め込みすぎる母」
母に呼び出されて実家に帰ったトモミ。用件は大量に溜め込んだ食料品の整理だった。ミネラルウォーター、各種缶詰、レトルトカレー……極めつきは396個のカップ麺。トモミは母を説教したり機嫌を取ったりしながら、片っ端から片付ける。
「夫の部屋」
娘のナオミが中学受験の頃、アイコの夫の不倫疑惑が持ち上がった、それからもずっと疑惑が払拭されないまま60歳で退職した夫が検査入院することになった。ナオミはこの機会に父親の部屋に入って不倫の証拠を暴いてやろうと、アイコをけしかける。夫の部屋から出てきたのは……。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
断捨離をテーマにした短編集。
私は物を捨てれない人だから、作中に登場する捨てられない人の気持ちが痛いほど分かった。
私の周囲の人たちもどちらかと言うと捨てれない人ばかりだし…。
作中に登場する物を捨てれる人が身近にいればな…。捨てるモードにならないと私やる気にならないからなぁ…。など言い訳ばかりしている自分を思いながら読んでました。グサグサくるものばかりで読んでて辛かった。
『捨てられない姉 捨てさせたい妹』 私は間違いなく姉と同じタイプなのでこんな妹がいて欲しい。というか姉妹関係が羨ましい。私には男兄弟しかいないので。
『息子の嫁の後始末』 なぜ息子の元嫁の私物を父が処分しないといけないのか?納得できないよね。片付けが終わった後のエクレアは、さぞ美味しかっただろうね。
『本好きとフィギュア好きの新居問題』 これは男が酷すぎる。一生一緒に暮らせないだろう。
『溜め込みすぎる母』 これは私と母の関係そのものだった。私の日常を読んでいるみたいだった。
『夫の部屋』 この旦那もどうしようもない男だ。娘、こてんぱんにやっつけてしまえ。
どれも面白かったです。
Posted by ブクログ
表紙デザインがあまり好きじゃなかったけど、群ようこさんなのとタイトルに惹かれて手に取った☆
めっちゃ面白かった♬.*゚(*´ω`*)
面白くて一気に読んでしまった☆
断捨離は永遠のテーマ。
私の母は物が捨てられない人。この本に出てくる母とめっちゃ似てる。同じ物をたくさん買って腐らせたりしょっちゅう。先が思いやられる…。
でも私も大事なものはなかなか捨てられない。毎日1つ何かを捨てると1年で365個片付くって聞いて「それいい!」と思って頑張って続けようとしてるけど…。
色んな人の断捨離の話があって、めっちゃ共感したりありえないわ…って呆れたり色んな感想があってとても良い一冊でした♪
Posted by ブクログ
どこかで聞いたことのある話なのに、物語にしてしまうのが凄い。
フィギュア収集、実家の片付けをしない老いた親、女癖の悪い夫、どれも親戚にもいそうなタイプの人ばかり。
つらつらと書き連ねられる文章は、読みやすい。ハッピーエンドにならないところも、ある意味現実的だけど、何かクセになる。
Posted by ブクログ
断捨離とかミニマリストとか一時期むっちゃ流行ったけど、流行るってことはそれだけ「わかっちゃいるけど捨てられない」って人が多いってことだよね。
まぁ「捨てる」っていういい方はちょっと雑だなとも思っていてはいるけど、物であれ思いであれ、たくさんの何かを抱え続けていくのは現実的には不可能で、新しい何かを手に入れたいなら何かを手放さないといけないんだろうなとは思う。
捨てられないのは未練があるからで、きちんとそのものに関する気持ちが完結していないからのような気もする。
たぶんそれは性格の問題もあって、いろんなことをふわっとケリがつかないままにしておきたい人も一定数いるんだろうね。
さらっと読める一冊だったけど、思いのほか考えさせられることも多く、とりあえず読み終わったあと、めんどくさくて捨てないでいたものに関しては今すぐ捨てようと心に決めました。
両手がいっぱいだと新しい何かをお迎えできないもんね。
Posted by ブクログ
エッセイは、沢山読ませてもらった群ようこさん。
小説は初読みでした
どのお話もさらっと読めます
表題作が1番個人的に好きなお話でした
ん?と思う部分もあったけど、
かなり共感しながら読みました
物を捨てるのはもちろんなんだけど、
物以外でも捨てられる部分は無いか
考えないとな…
Posted by ブクログ
捨てる、捨てない、その行動によってわかる人間性もあるのかしら。捨てるの大好き人間なので、捨てられない人をみると、なんで?と不思議に思う。どちら側も描かれた5つの短編集。
「捨てられない姉 捨てさせたい妹」
現実にいたらこの妹絶対好きになれないけど、姉妹の仲は悪くないようで。服の選定は私もしてほしいくらい。
「息子の嫁の後始末」
息子の嫁の荷物を片付ける父親…がんばれと応援したくなった。人の荷物はその人の意外な一面もみえてくる?知らない方が幸せなことってあるよね。
「本好きとフィギュア好きの新居問題」
この男が1番読んでてイライラした!笑
彼女がきちんと自分のやることをやって、大切なものを捨てたくない気持ちを尊重してる上でのこの煮え切らなさ。何かあるたびにそんな感じなら一生同居は難しそう。彼女は強かで賢そうで、好印象でした。
「溜め込みすぎる母」
年齢なのか何なのか、絶対わかってないのにわかってるって言われるとモヤモヤするよな〜。休日に実家に帰って片付けするだけ優しいと思う。カップ麺三百超えはね…衝撃ではある。
「夫の部屋」
夫の良いところが全くわからなかった…。娘が頼もしくてよかったけども。奥さんと娘でスッキリ暮らしていってほしい。人を断捨離することも時には必要なのかしら。
Posted by ブクログ
群さんの小説って家族の困ったさんを描いているの?~43歳のOLが都心の小さな部屋に越すためにモノを捨てられずにいるの所に来た働いたことがなく離婚した起業家の元夫から貰っている14際下の妹がセッセと捨てることを勧め、使い回しができる服を買ってくれた。幼い子を置いて出て行った元嫁の残した品を片付ける元舅。本好きの花嫁は本を整理したが、フィギュア好きの花婿はどうしようもなくなって、別居婚を選択した。新幹線で1時間、バス停2で着く一人暮らしの70歳の母が娘を呼んだのは、地震が怖くて非常食を注文して兄の部屋を一杯にしてしまったからだった。夫は女性と見ると声を掛ける男だが、娘は中学時代から怪しんでいたが、70に近づいて検査入院することになった隙に妻と娘が夫の部屋の鍵を開け、家捜しして証拠を掴んだが~エッセイかと思ったら小説だった。今風のテーマ
Posted by ブクログ
群先生の作品は
主人公がわりと独特と言うか
生臭くないというか(笑)
まだ生きてる僧侶っぽいな
と常々感じていたんですが
それが 加速していると思います
主人公たちはわりと断捨離に
巻き込まれた感じで
もっと怒ってイライラしても
よさそうなのに
とてもいい人達
Posted by ブクログ
ものを捨てる事をテーマに5つの短編作品。
〈捨てられない姉捨てさせたい妹〉
〈息子の嫁の後始末〉
〈本好きとフィギア好きの新居問題〉
〈溜め込みすぎる母〉
〈夫の部屋〉
1話目は「あー、捨てられない気持ちわかる!」って感じでした。けど今の自分に似合ってない(相応しくない?)ものは処分一択が正解か…。
2話目と4話目は、ついつい必要以上に溜め込むの、ありがち…と少し反省。
3話目は、自分も本好きですが、ある時まとめて大部分処分しました。捨てる前は結構考えましたが意外とスッキリ。作品中の女性の気持ち共感できました。
こんまりも良いけど、物語り仕立てで読むと面白いし、「処分しよ…」って気にもなるしで、早速、本日洋服を1袋分処分しました!
Posted by ブクログ
2025.11.12
物を溜め込んでしまう人と物をすぐ捨てられる人との短編集。
どちらかというと私も物を捨てられないタイプだから共感はしつつも片付けをするためには捨てなきゃいけないこともわかる〜
Posted by ブクログ
捨てる側の人、捨てたくない側の人、それぞれの事情が面白く、さくさく読み進めてしまいました。
ひとつ目のお話、「捨てられない姉と捨てさせたい妹」、続編出ないかな〜!
Posted by ブクログ
気軽に読める短編集。
モノを捨てる捨てないは、各人の性格や環境などに影響されるし、どっちがいいってことはないと思うけど、本書でもちょこちょこ出できた『あの世まで持っていけない』ってセリフに深く納得させられた。結局、モノはモノでしかないって思っている私は使い切ってどんどん捨てたい派。数年前に実家を片付けて思ったことは、(キツい言い方かもしれないが)、どんなに自分にとっての宝物であっても他人にしてみたらただのゴミである。あの世には持っていけないからね。残された人の苦労を考え、段階を経て最期はミニマリストで生きていきたいなぁ。理想はガンジー(笑)。
Posted by ブクログ
読みやすくてまぁまぁ面白かったかな、、
色んな人がいるよねっていう話を、捨てる捨てないに着目して書いてるのはまあ面白いなと思った。
中にはなんとなくすっきりしない話もあったり、、クスッとくるところもあったり、、
Posted by ブクログ
今までエッセイはいっぱい読んできたけど、群さんの小説は初。
捨てられない人の気持ちは分からなくないけれど、フィギュアの人と溜め込む親はいらっっとした。人生舐めてんのかと怒りたくなるし本文内のふざけんじゃねえぞは気持ちが良かった。いろんな人がいてスッキリ解決ではないけれどいろんな道があるんだと気づかせてくれる一冊。
Posted by ブクログ
なんとも腹立たしいショートストーリーの連続!よくもまぁこんな相手に我慢してるなぁと不思議になるくらいのバカどもが出てくる。ある意味いい反面教師達だった。
Posted by ブクログ
いつか使えるかもとちょっと可愛いお菓子の空き箱とかとっておく人を見ると、絶対いらないでしょと思うタイプ。
そんな私はどの話でもなかなか捨てられない側にイライラしてました笑
特にプラモデルの話。私だったらあの人とは結婚できないと思う。
Posted by ブクログ
物に対しての執着は人其々なので、人からそんなつまらない物、と思われても捨てられなかったりする。
でも捨てないとこの先に進めない事もある。
息子の嫁の物を始末しなきゃならなくなった老いた父の話が面白かった!
ちなみに、私はどんどん捨てる派だ。笑
Posted by ブクログ
年老いた母、夫、アラフォー女性、もうすぐ結婚する若者などの捨てられない話。
あっという間に読めて、さして落ちもなかったりするけれど、へー、こんな人いるんだぁ〜という感想を持った。
私の場合、これを読んだらお片づけのモチベーションが上がる、という感じの物語ではなかったが
「一度、まとめて本を処分してみると、これから先も自分は本を減らせると、妙に自信を持った。(中略)これまでの自分から変わるためのいいチャンスなのかもしれない」という部分が響いた。
Posted by ブクログ
捨てられない人と捨てることが苦にならない人のやり取りが多いので、読む人の立場によっては苦しくなってしまうかもしれない。
ただ、私は本の中に書かれていた「今あるものを手放さなければ、新しいものは手に入らない」という考えに共感できました。
Posted by ブクログ
群ようこさんの作品、ものすごく久しぶりに読んだような気がする。
断捨離系の話はとても好きだ。
だが、今回は身の毛もよだつ内容のものもあった。
わたしは固く決心した。
自分の物は必ず自分で処分しようと。
Posted by ブクログ
久しぶりの群さん。やはり短編は苦手だったかも。ひとつひとつのお話は面白いけど、キャラ設定だったり辛辣な調子はもう、私にとっては無理かも。若い頃は大好きな作家さんで、時々思い立ったように本を読んでみたくなるが後悔することが多いかな。頑張ったけれど、3つ目の途中で挫折してしまった。
Posted by ブクログ
一般的な当たり障りのない日常を
すごす女性の味方、群さんらしい1冊。
私もそう思う、
それはどーなの?とするポイントが今の時勢に
ちょうど良い。
読書の勢いをつけるには良い作品です。
Posted by ブクログ
私は毎年12月が近づくと、大掃除の前に軽く断捨離をする。なにかヒントになるかなと借りた初読み作家さんの本。5つの短編集。
容姿も育った環境も性格もまったく違う、14歳年の離れた姉妹。
今まで苦労せず、お金にも不自由したことのない妹が姉の引っ越しの手伝いをする。
「処分、処分!」と簡単に口にする妹にイライラしながらも、的確な判断に文句が言えない姉。
苦楽をともにしたコートへの思い入れは相当なものだ。
今は使わないかもしれないが、何年か後に使うかもしれないと残しても、結局再び使う日は来ない。それがうすうすわかってはいるけれど、捨てたくない人は「捨てる」という選択にはならないのだろう。
購入する時には当然お金がかかるが、捨てる時にもお金がかかる時代、本当に必要なものだけを必要なだけ購入しようと思った。
サクッと読めて、掃除の息抜きになった。
Posted by ブクログ
かるーく、ふんわーりと読める!行間も広め、内容も軽め、でも捨てられない女としては最初の「捨てられない姉 捨てさせたい妹」、「溜め込みすぎる母」にド共感!「本好きとフィギュア好きの新居問題」にはドキッとさせられた。
Posted by ブクログ
最近片付けや断捨離を実施しているので、気になって読んでみた。
さまざまな主人公が物を通して織りなす短編集。人によって何が大切でどれを残してどれを捨てるのか?
物を通してその人の人生を垣間見れる物語だった。
身の回りの人によくある話をまとめた1冊。
Posted by ブクログ
断捨離が一大ブームになって以来、とにかく使わないものは捨てなければという風潮だが、そんなものはどこ吹く風の人もいる。
ポンポンと会話のやり取りが面白く、全編軽い。
『捨てられない姉 捨てさせたい妹』
「フランス人は10着しか服を持たない」的なことをやりたいのだろうけど、妹のご身分が信じられない。
『息子の嫁の後始末』
嫁も嫁の実家もありえない。自分で片付けるなり、業者を呼んで下さい。
『本好きとフィギュア好きの新居問題』
断固として捨てたくない、と言う激しい意地の張り合いはこの1編のみかもしれない。
ヤマダの優柔不断っぷりには腹が立つが、ある時ふっと要らなくなることもあるのだから(個人的体験談)、長い目で見てやろうじゃないか。
『溜め込みすぎる母』
タイトルからおおよその中身の想像がつくが、迷惑な母を書かせればやはり筆が冴える。
『夫の部屋』
昭和の、こりないスケベ男。子供の頃にこんなドタバタコメディーのテレビドラマがあったような、なかったような。