【感想・ネタバレ】ものぐさ精神分析 増補新版のレビュー

あらすじ

人間の本能は現実との接触を失っており、適応の機能を果たさない。
本能の代わりに自我がその機能を果たさなければならない。
――日本は黒船来航ショックを病因的精神的外傷とする精神分裂病質である、と診断した「日本近代を精神分析する」以下、歴史、性から自己まで、五つのテーマに迫る唯幻論の代表作。
〈解説〉伊丹十三 〈対談〉橋本治


(目次より)
歴史について
日本近代を精神分析する/吉田松陰と日本近代/国家論/日常性とスキャンダル
性について
性の倒錯とタブー/エロスの発達/性欲論/性的唯幻論/恋愛論/何のために親は子を育てるか
人間について
擬人論の復権/時間と空間の起源/言語の起源/現実と超現実/精神分裂病
心理学について
一人称の心理学/心理学者の解説はなぜつまらないか/心理学無用論
自己について
ナルチシズム論/自己嫌悪の効用/セルフ・イメージの構造/自我構造の危機/詩人のなりそこね/我発見被殴打的根本原因/忙しい人とひまな人/一期一会/わたしの原点
あとがき
解説 伊丹十三
対談「幻想と妄想」 橋本治×岸田秀

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Posted by ブクログ

前半の何章かは難しくて、なんとなく伝わってきても「ふーん」に留まってしまった。
後半は興味深くて、物事の捉え方とか考え方とか、当たり前のようになっていたものに風穴を開けて考え直してみるキッカケをもらえた。

これはまた歳を重ねた時に読んでみて、違う捉え方になっていきそうな本。

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2024年09月27日

Posted by ブクログ

「理性が発達したから、人間は良い知恵が増えた」と考えるのが普通であるのに、岸田さんは「理性が発達したから、人間は悪い知恵が増えた」とい言っている。
この逆説には、何か、うさん臭いものを感じる。そのうさん臭さは何なんのか。しばらく、考えたり調べてりしていた。
河合隼雄さんと岸田さんの対談も読んだが、河合さんは相手にしてない感じだった。岸田さんは、あくまでも評論家であって、学者ではないという感じの塩対応。
しかし、私は岸田さんの言葉にはインパクトを感じる、これは若松英輔さんにも通じる感覚だが、要は教祖的素養というかタレント性ではないだろうか。
しかし、冷静に考えると岸田説は退廃的というか進歩を感じない「昔は良かった」式の考えに思える。
河合さんも、「これだけの科学技術を手にして便利になった人類は昔にはもうもどれない」と言っている。これは、「理性(科学)を是として生きていかなければ、人類の未来はない」と言っているのと同じ。
岸田さんは、動物からの目線で人間を論じるているが、私は人間の視点から動物をみるべきだと思う。自分は誰?と問える「意識」というものをもっているのは地球上では人間だけなのだから。
人類否定が結論になってしまう岸田さんの考え方は、納得はできても応用ができない、岸田理論は私の人生の一過性の「なるほど理論」に過ぎない。

調べていたら「社会ダーウィニズム」や「インテリジェント・デザイン論」という興味深い言葉を見つけた。

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2025年06月21日

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