【感想・ネタバレ】魍魎の匣(1)【電子百鬼夜行】のレビュー

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ネタバレ

加菜子と頼子のやつ、初読が中学生くらいだったのでほえ~ってなってたけど今読むと痛々しくて……自分の状況を忌んで現実の世界が価値のないものに思えるのは思春期あるあるだが、より切実に夢を見て、訳がわからなくなって……
冒頭の頼子視点はそういう思春期の傷つきやすさ、身勝手さ、切実さ、痛々しさを書いてるにも関わらず醜悪でなく、夜の散歩なんかは幻想的だとさえ感じさせるの、文章の力と私の思い入れ。

超能力者、霊能者、占い師、宗教者の下り、毎回読んで成る程と思うけどすぐに忘れる。
ラジオの喩えがかわいい。

自分の作品を排泄物だと卑下する無責任さに気付き狼狽し謝罪するまでをひとりでやるのとか、自分でもわからないひっかかりを京極堂なら説明してくれるだろうという信頼とか、関口のそういうところ……

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2019年06月17日

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京極夏彦による百鬼夜行シリーズ第2弾。
本作は非常に複雑な構造を持っている。バラバラ殺人、新興宗教、少女の殺害未遂と誘拐事件などが複雑に絡み合い、物語が進行する。その合間合間に挟まれる箱の中の少女をめぐる描写がいかにもグロテスクだ。
本作のタイトルにもなっている魍魎が一つのキーワードとなっている。新興宗教にはまってしまった母親は娘に向かって「もうりょう」と口走り、教主は魍魎退散をお題目にする。魍魎とは何か、もう一つのテーマとなる。
本書は3分冊の1巻目だが、冒頭から半分くらいまでは本シリーズの主人公ともいえる京極堂は登場しない。京極堂を中心とする友人たちと本作の主要な役回りを演じる人たちが語られていく。物語がどんな方向に進むのか、全く予想がつかない。
一方で、本シリーズの特徴ともいえる、京極堂によるウンチク解説が後半に待っている。その掘り下げ方は尋常ではなく、もはやストーリーそっちのけで解説されても興味が後を引くほどの分量に圧倒される。この、悪く言えば長すぎるウンチクが気にくわない人もいるだろうが、これがあるとないとではこのシリーズの魅力が大きく変わってくると思う。

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2015年12月27日

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祖母が亡くなつたので急ぎ歸省した。

『匣の中の娘』の一文で始まり、同じ言葉で締めくくられる上巻。
久保が紡ぐ幻想文学の世界と平行して展開されるバラバラ殺人と加菜子と頼子の物語。
絡新婦まで読んで、もう一度読み直すと加菜子に対して思うことが増します。

今回のおちゃめな京極さんは鳥口君との初対面とオカルト談義で自分で言った区分を気に入った辺りですかね。

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2012年12月08日

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ネタバレ

京極堂シリーズ

自分たちの繋がりを信じる楠本頼子と柚木加菜子。深夜の駅での加菜子の転落事件。電車にひかれ重傷を負った加菜子。電車に乗り合わせた木場修。木場の憧れる女優・美波絹子の登場。加菜子の姉・陽子と名乗った絹子。絹子の取り巻き雨宮と増岡。加奈子を収容した謎の施設。関口の短編集発売の話。久保俊公との出会い。久保俊公の小説「箱の中の女」。関口の知り合いの事件記者・鳥口に巻き込まれた取材。謎の函の警備に付く木場。連続バラバラ殺人事件との関係。函を訪れた福本巡査と頼子。病室から消えた加菜子と殺害された増岡、失踪した雨宮。鳥口の取材する新興宗教・御筥様。御筥様の信者の名簿とバラバラ殺人の被害者の関係。京極堂への相談。

 2011年6月2日再読

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2011年06月02日

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ネタバレ

【あらすじ】
14歳の楠本頼子は、憧れの同級生柚木加菜子と親しくなり、ある日二人で湖を見に出かける。しかし加菜子は、駅のプラットフォームから転落し瀕死の重傷を負う。加菜子を轢いた列車に偶然乗車していた東京警視庁の木場修太郎は、加菜子が運ばれた病院で恋焦がれていた元女優美波絹子と出会う。加菜子の姉である絹子(本名陽子)は、加菜子を絶対に死なせないと宣言し、巨大な箱のような「美馬坂近代医学研究所」へ加菜子を移送する。その後陽子のもとに加菜子の誘拐予告状が届き、警察による厳重な警備にも関わらず、加菜子は忽然と姿を消す。一方作家の関口巽は、カストリ雑誌の編集者鳥口守彦とともに連続バラバラ殺人事件と穢れ封じ御筥様との関連を調査することになる。御筥様の信者リストには、バラバラ殺人事件の被害者と思われる少女や新進気鋭の作家久保竣公の名前があった。二人は京極堂こと、陰陽師の中禅寺秋彦に助言を求める。

【感想】
冒頭から何度か挿入されている不気味な話が、最後に久保の書いた小説とわかるまで、終始気になった。ハコが全てに共通している理由、それぞれの事件や事実がどのように関連していくのかなど、謎が多く次も楽しみ。京極堂のうんちくが少々長く、読むのに時間がかかった。あらすじ書くのも時間がかかった。

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2023年02月06日

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