あらすじ
在庫管理、価格決定、マーケティングなど、私たちはあらゆるビジネスシーンで「昨日の結果から明日を読む」ことが求められる。カンや経験で予測を行なってきた多くの企業を尻目に、セブン-イレブン・ジャパン、トヨタ、花王は微分・積分を活用することで大成功をおさめた。“ビセキ”こそは、世界中の天才たちの努力によって生み出された、最も確実に明日を読む方法なのだ。最大値、最小値、確率、微分係数(=限界利益、あるものが1単位増えると、それに伴って増える利益)などを算出すれば、誰にも非難されない合理的判断を行うことができる。しかもその概念は極めて単純、誰にでも理解できる。本書には数式はほとんど出て来ない。ややこしい計算は、すべてパソコンがやってくれる。数式をおぼえるよりも、「微分・積分思考法」を身につけることが肝心なのだ。数字に強い「できる人」、堅実な経営者となるためには、本書の内容を理解しておきたい。
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Posted by ブクログ
本棚の片隅に眠っていた本を引っ張り出してきた。
収益予測、適正在庫管理、マーケティング、品質管理、コスト管理について、「直感」ではなく「数学的手法による一般化」を用いるための概論について書かれた本。
微積というと、物理や化学に用いる数学というイメージが強いが、「連続した量の単位時間あたりの変化率」について論じた数学である以上は、日々の数字が変化する「経営」にも応用できるのは、納得のいく話。
文系と理系に変な線を引いてしまっているから、「文系っぽいものには数学は使わない」という風潮?慣習?があるが、そんな考えに囚われる必要はないんだなと、改めて考えさせられた。
「数学」という「事象を一般化する方法論」は、いろんなことにどんどん活用していきたい、そんなふうに思わせてくれる一冊。
Posted by ブクログ
営業、在庫管理、マーケティングなどに、どのようにビセキを活用し、その必要性を説いている。在庫管理や、コストダウンなどについては、自分の仕事と直接関わっている分野なので、非常に説得力があると感じた。
Posted by ブクログ
本書のタイトルの「経営を語るな」の「経営」について
経営分析(財務諸表や貸借対照表の話)かと思って読み始めたのですが、
経営戦略(販売戦略や在庫管理)の話でした。
コンセプトは『孫社長にたたきこまれた すごい「数値化」仕事術』に似ています。
要するに、ある程度、概算値や予測値が入っても良いから、数値化する。それをもとに式をつくり、エクセルに計算させて、何故この選択をするのか、を理論的に語れるようにする、という内容。
微分・積分はあまり関係ないです。が、内容は有益で面白い。
Posted by ブクログ
ビジネスマンに有用な本なのだが、高校の数学の先生にもぜひ読んでもらいたい一冊。
「こんなもの勉強して何の役にたつの?」とだいたいの数学が苦手な高校生は言う。しかし、納得させる答えを持ち合わせている教師は少ない(ここで物理とか理科系の学問での利用シーンを出しても逆効果だ)。自分の担任もそうだった。
本書のような具体的なケースで説明してくれると、「社会に出たら必要かも」と何人かは思ってくれるかもしれない(教師がビジネスの勉強をする必要があるけど……)
そういえば、ウォルマートの「エブリーデイ・ロー・プライス」で在庫が減るというのは、今まで気づいていなかった視点。他に、いろいろと小ネタもあり、気づきの多い本だった。対数はイチから勉強しなおしだ。
Posted by ブクログ
微積を使って(というより微積の思考方法を使って)の
経営分析。
目標利益、在庫管理、マーケティング、品質、コスト削減
まで一貫として使用例を書いていた。
Posted by ブクログ
力のこもったタイトルですが、内容はビジネスにおける数量分析入門といったもので、肩肘の貼らない読みやすい本でした。
内容的には、数学の知識の少ない読者を対象にしているようで、数学的には極めて初歩的な内容ですが、ビジネスの軽量化をどのような手法で行って、それを数学的に扱えるようにするのかの使い方の部分には、なかなかおもしろいものがありました。
数字に強くなりたいなら!
ビジネスにおいて各々の数字がどのような意味を持ってくるのかがわからないでいたコンプレックス解消のために、購入。読後感として得られたものは、微分積分的思考はビジネスを深く理解するための一つの側面であるということだ。つまり、数字が「動く」こと、また他の数字との関連性があってこそ数字が意味を持つということ等、現場の動きに即した数字の意味合いを、具体的に把握できた印象だ。数字データがもつ意味合いの理解に悶々としている若手社員に読んでもらいたい。
Posted by ブクログ
リアルに仕事に使えそうな内容。
「過去を切り刻んで(→微分)それを積み上げて(→積分)未来を予測する」
自分の仕事を改めて整理する機会になった。
Posted by ブクログ
タイトル見て手にとった本
瞬間の変化率をみる微分と微小を積算する積分を利用することで適切な経営判断ができるという内容
微分、積分を使うと
限界利益(1単位ごとに増える利益)
販売価格
品質管理(品質基準をどのようにするのか)
在庫管理(どれくらい在庫を抱えるとムダがないか、発注量をどのようにコントロールするのか)
といったような問題を数学的に解析します。
マーケティングも数学的に分析することができるようです。
数学が苦手な人向けに微分、積分の図を使った解説がまとまっています。
塾で経営に興味あるけど、数学は嫌いみたいな生徒さんに話すネタとしてもいいかもしれません。やっぱり数学はすべての基本ですね。
Posted by ブクログ
・いかにして明日を読むか(12)
・昨日までを小さく切って(微分)、それを未来につなげていく(積分)(15)
・微分・積分を含めた数学の原点は「いかに単純にするか」(16)
・必要条件と十分条件(47)
・予算:”仕事をやる前”に、”やった結果”を予測しておくというマネジメント手法(52)
・限界利益:あるものが1単位増えると、それに伴って増える利益のこと(56)
・目標売上=(目標利益+経費)÷限界利益率(≒粗利率)(70)
・標準偏差を小さくできれば在庫が減る:コンスタントに売れる商品(標準偏差が小さい)は同じ日販量(1日平均して売れる量)でも在庫が少ない分、その商品を置くスペースが小さくてすみ、その空いたスペースに別の商品を置くことができる(100)
・
Posted by ブクログ
企業の活動の重要なものの多くが微分積分によって分析できることを解説したもの。
限界利益について別の著書で学んだばかりだったのにもう忘れていた自分にびっくりである。
新書なので書いてあることは分かりやすいが物足りなさを感じた。特にエリアマーケティングについてはもう少し詳しく著者なりの解説を読んでみたいと思った。
Posted by ブクログ
個人的な経験や勘に頼らず,すでにあるデータを分析し,それに基づいた経営戦略の話。商売における売り時引き時をデータから予測するためには微積の活用が有効。
個人の仕事のマネジメントも同様と思った。また,変化点(臨界点)や人間の感覚は対数表現が適しているなどは研究アプローチのヒントになった。
Posted by ブクログ
経営(会計、マーケティング、在庫管理など)するうえで、微積分を使った考え方がいかに有効かを分りやすく解説している。
文系にも分りやすく解説するべく一般論を羅列しているため、もう少し突っ込んだ解説がほしいところ。トヨタ、セブンイレブンなど「理系革命」で企業の発想を変えたというが、具体的にはどのようなことをしたのか知りたかった。
Posted by ブクログ
微分積分2次関数。。
おにゃんこクラブを思い出すが、金融業界に
算出して投資工学とか知識入れるうちに必要かと
おもって読書。
思想もツールも使いこなせばビジネス的に
食いつなげそうな感じ。
なにより知的好奇心がそそられる!
もっとくってこうー。この知識と思わせる。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
在庫管理、価格決定、マーケティングなど、私たちはあらゆるビジネスシーンで「昨日の結果から明日を読む」ことが求められる。
カンや経験で予想を行ってきた多くの企業を尻目に、セブン‐イレブン・ジャパン、トヨタ、花王は微分・積分を活用することで大成功をおさめた。
“ビセキ”こそは、世界中の天才たちの努力によって生み出された、最も確実に明日を読む方法なのだ。
しかもその概念は極めて単純、誰にでも理解できる。
数学に強い「できる人」、堅実な経営者となるためには、本書の内容を理解しておきたい。
[ 目次 ]
第1章 微分・積分を30分で理解する
第2章 微分がわかれば利益が上がる
第3章 積分がわかれば在庫が減る
第4章 微分・積分マーケティング
第5章 微分・積分で顧客満足
第6章 微分がわかればコストが下がる
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
ビジネス分析のどういう所に微分を使ったら良いか、解説した本。
積分はほぼ出ません。
テーマに関する部分に関しては外れてないと思いますが、それ以外の部分が胡散臭かったために、他の部分が信用出来なくなってくる本。
物事を簡単にすること=正規化と言うのはちょっと疑問。正規分布→すっきり山形のように、独自の言葉で良かったのでは?
Posted by ブクログ
第1章で、微分を「伸び」、積分を「面積」をあらわす物とざっくり説明する。
そして、
第2章でCVP分析
第3章で正規分布
第4章でプロダクト・ライフサイクル仮説と最小二乗法、ABC分析
第5章で価値工学(Value Engineering)
第6章で経済的発注量(EOQ)
という手法に対して「ビセキ」という横串を通して行く。
一通り上記の手法を知っている人間だと、「なるほどビセキの考え方はこんなところにも!」という発見があるので楽しく読める。
が、個人的にはオペレーションズ・リサーチや経営工学、統計学の書籍を買ってそれぞれの手法を個別に学ぶほうが理解が進むのではないかな、とも思う。
また、欠点として挙げられるのは著者が上記のような手法を「理系的」思考法と称して無批判に褒め上げている点だ。確かにマーケティングの現場では大規模データを駆使して実績を挙げているところもあると思うが、マーケティングをサイエンスとして考えることを疑問視し、なかなか強力な批判を展開している学者もいる(ex.石井淳蔵氏)。
新書としてそれを求めるのは酷かも知れないが、若干偏った見方であると感じたことは否めない。