あらすじ
神社の一人娘、桜月弥生。教会の一人娘、天都水貴。美少女二人と孝一郎は幼なじみだ。仲良く過ごしていた三人だが、孝一郎の一言をきっかけに、テストや体育、ラブレターの数まで、あらゆることで弥生と水貴が勝負するようになる。審判として巻き込まれる孝一郎のさらに余計な一言から、「どちらの家がより資金を増やせるか勝負する」という内容に変わる。しかも賞品は――「孝一郎を一生奴隷にする権利」!?
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Posted by ブクログ
神社の一人娘と教会の一人娘、そしてその間に挟まれた家に少年という幼馴染みの三角関係。
主人公の少年の何気ない一言から両少女に対抗心が芽生え、
幼い頃は良かった仲が何かと詰らないことに至るまで競わずにはいられない状況に陥ります。
両少女共に才色兼備であり、二人の対決はなかなか決着を見ません。
高校に通うようになったところで主人公のまたの余計な一言で
両少女は少年を奴隷にする権利を賭け、何れの実家の資金を増やす勝負へと発展してしまい、
そこから少年を間に挟んでの駆け引き、トラブルも起こる間に少女の少年に対する意識も変わり。。
著者は起業家であった経験もあったらしく、商売のアイディアはラノベの割には凝っており
突拍子過ぎると言う印象も抱きません。
アイディアを凝らし、それぞれの宗教法人の資金を増やす様は面白さを感じられる所なのでしょうが、
私個人としては宗教法人の立場を利用している様が些か生々しく感じられ、
このご時世での宗教法人の優遇ぶりに疑問を覚えるので素直に楽しめませんでした。
宗教でこんなにも商売っ気を前面に押し出して許されるのだろうかと。
勿論現実に宗教団体も資金繰りには頭を悩ますでしょうし、活動はしているでしょう。
しかし、そうした団体がコスプレ喫茶を開き、媚びを売るのはどうなのだろうかと。
これが商売ごっこを感じさせる展開であれば、逆に作り事だからと笑って捉えられたのでしょうが、
なまじ著者の経験を活かし、現実味を持たせていることで生臭く感じられたのでした。
その辺りの匙加減が些か間違えているのではないかなと。飽くまでも個人的印象ですが。
二人の少女の万能ぶりはよくある事ですが、実は主人公も結構なスキル持ちです。
勉強に関しては突出していませんが、料理上手であったり、常識的で両少女の歯止め役であるとか。
少女の危機に果敢にも暴力団事務所に飛び込み力を振ってみせるとか。
しかし、両少女の気持ちには鈍感です。お約束ですね。
また、両少女は素晴らしいアイディアを思いつき、実行するだけの才覚が有りながら、
ころっと"大人”に騙される流れが却って不自然で非現実的に捉えられました。
全体的にアイディアは面白いが、物語の展開にボタンの掛け違いがあると感じられたので
可もなく不可もなし、と言うのが私の判断です。