あらすじ
十数年前、突如現れた魔女を取り締まる司法“火刑法廷”。この裁判で魔女と認定された者は火炙りとなる。ある日、空を飛行したのでなければ不可能な死亡事件が起こる。魔女と疑いをかけられた被告の少女カラーをじっと見つめるのは、被害者の義娘となる予定だったエリス。エリスは知っていた。あの夜、本当は何が起こっていたのかを――。怒濤のロジックと驚愕の結末に息をのむ、次世代本格ミステリの最高峰!
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Posted by ブクログ
魔女が存在する世界の特殊設定ミステリ。火刑法廷で無罪になっても殺人の疑いがある状態で通常の裁判が行なわれないのが気になって宙ぶらりんのまま進むのが座りが悪かった。あとミステリだと仕方がないのかもしれないが、キャラクター達が魅力的なだけに全体的に誰も幸せになれてない結末なのが読後感が微妙になってしまった。
Posted by ブクログ
事件に対して容疑者が「犯人なのか」ではなく「魔女であるのか」で進んでいく裁判という設定が面白かった。
作中で語られた「火刑法廷で冤罪を叫ばれてるのはその人が人間だからであって魔女は冤罪であるのかどうかを問われてない」という話は悲しいなあと思った。
Posted by ブクログ
可愛らしい少女のイラストが表紙だからといってファンシーでリリカルなものをイメージして読むと手酷い目に遭うと思う。
なかなかどうしてダークでビターな物語だった。
読む前は、人間には不可能だと思われる殺人の容疑者について、トリックを使ったただの人間による犯行かそれとも超自然的な魔女の力を使った犯行なのかを判定するミステリかと思ったら、実際は殺人事件の犯人はどうでもよくて兎に角被告人が魔女か否かのみを火刑法廷の場で争う法廷劇だったので、最初戸惑った。その後、魔女であること自体は罪ではないという記述があり更に混乱…。どうやら、事件の被告人に魔女の疑いがある場合のみ、火刑法廷にかけられるらしいということが分かったが、魔女か否かを結審した後、殺人の容疑については特に取り沙汰されず…。犯人も不明なまま話がどんどん進んでしまうので消化不良のまま読むのが少々気持ち悪かった(最後には犯人の正体が分かるのだが)。
魔女たちや、男装の女探偵「毒羊」、審問官の「オペラ」など…登場人物は非常に魅力的で良かった。途中かなりショックな展開もあるが、予想のつかない犯人の正体とラストにはびっくりしたしとても面白かった。