【感想・ネタバレ】八秒で跳べのレビュー

あらすじ

ふたりが出会った夜から何か変わりはじめる――〈青春〉の化学反応を目撃せよ!

春高バレーの予選まであと数日。宮下景が所属する明鹿高校男子バレー部は、6月のインターハイ予選で初めて県の準決勝まで進んだ。チームを引っ張るのは、同学年の2年生エース置久遊晴。「いまのチームなら全国も目指せる」と、3年生3人が引退をせずにチームに残り、景、梅太郎らのレギュラーメンバーで、夏に敗れた全国常連の強豪校・稲村東と戦うことになるはずだった。

けれど……あの時。まずい、と思ったときにはすでに体勢が崩れ、足首から下が、ぐにゃりと曲がっていた。勝負の稲村東戦へ代わりに出場にすることになったのは、中学時代からのクラスメイト北村。実は大会後、北村が退部届を出すつもりでいたことを、景だけは知っている。だからこそ「勝手にしてくれ」と思ってしまった。そしてあの日から、何か歯車が狂いはじめる。

一方、怪我をする前夜、高校のフェンスを乗り越えようとしていた真島綾。それに驚いて自転車から転んだ景は足首を痛めていた。そのことに責任を感じているらしい真島に、景はバレー部のポスターを依頼し、連絡を取り合うようになる。圧倒的な画力で学園祭のポスターも手掛けた真島には、しょっちゅう高校を休みがちで、実は親友にしか明かしていない秘密があった。

景の側にいつもあったバレーボール、真島の側にいつもあった漫画。それぞれが楽しくて、ずっと続けてきたはずなのに、いつから苦しくなってしまったんだろう!? 自分の居場所が見つけられず、前に進めずにいるふたりの想いは交差しながらも、遂にクリスマス前夜に止まっていた時間が流れ出す――。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

バレー部の景と、美術部の綾。全体的にはバレー部のお話だけど、2人の出会いとやり取りが、それぞれの殻から飛び出すきっかけになる。綾が描いた漫画に出てくるセリフ『この部屋もこの街も、私にとって切っても切り離せないもの。だから、私はどこへも行けない』をどう捉えるか。本を読むたびに、響く部分が違うように、人が「ここ」と見つけた部分について、自分も考えるのは面白い。
八秒で跳べの8秒が何か、そして、私もちょっとした隙間の時間にどう頭を使えるかが本当に大事なんだなと感じた。

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2025年09月27日

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ネタバレ

醒めてる、というか、アツくはなれない高校生(まぁふつうそんなもんでしょう)、でも、日々なにかしら気になることはあって。
なかなかにもどかしい展開ながらも、一気読み。

自分にとっての会心の一瞬、それが心をアツくし、そこにまつわる思いが、自分にとって「切っても切り離せないもの」になる。

部活でも、その他のことでも(大人だったら、仕事でも、趣味でも、、、恋人とかでも?)、私なんでこれを続けてるのかなー、これじゃなきゃダメなわけじゃない、最近なんだか面白くないし、辞めて別のことするのでもいいはずなんだけど?、とか、思うことは、ある、と思う。

自分にとって、これは、切っても切り離せない、と腹を括ったら、素直にアツくなれるんだ、そうなんだ⁉︎

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2024年04月07日

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ネタバレ

部活に対しての熱量の違いのせいで仲間たちとすれ違う感じを思い出した。主人公の景は怪我をしてる間に中学からのチームメイトで、部活を辞めるつもりの北村にレギュラーを奪われそうになる。投げつけた不用意な言葉に返された言葉。外に出て走る。休んでいる間の漫画でスランプの真島綾、異性との関わりが、不器用でもどかしい。部活以外の友人の浦井。真島の友人長谷部もいい味出してた。他校の和泉の八秒間で考える話は景には腑に落ちたのだろう。他人のひと言が心に響き影響されていく。この感覚だ。梅太郎や遊晴とは違う景のバレーだ。ザ、青春

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2024年06月16日

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ネタバレ

んー・・・星4よりの3?
前評判が良すぎて、期待しすぎたかもしれない。

読みながら、蓮見恭子さんの『人魚と過ごした夏』がチラついたが、こちらの方が感情が重く、表現が少し大人で、読むのを諦めるのを引き留めてもらえた。『ハイキュー!』と呼ばれる所も
「あー、なるほど」

4章の4からの展開が良く、ここから一気に浮上する。タイトルの八秒が意味するところも判明。

和泉くんとの偶然な出会いが宮下景のバレー人生を変えたのかもしれない。

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2024年05月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

八秒
サーブのことかと思っていたら後で違うことがわかる

柳田将洋選手と著書の対談をきっかけに知った一冊だけど、熱くバレーボールに燃える高校生というのとは違う、だからこそスポーツ経験のない自分にもしっくりきた
本当に、しっくりきたが合っている
なんとなく過ごしている 好きなのか なんで続けているのか
景と綾の関係もほど良くて、進まなくて良かった
高校生ってみんなが熱い訳じゃないけど、でもやっぱり熱いのが好き
ふたりにも好きが見つかって、というか確認できて良かった
最後の試合のときの「僕がいれば勝てる」は良かった
ふたりがもっと仲良しになって、お互いの好きなことを認め合うのを想像できる最後がよかった

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2024年04月19日

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ネタバレ

まあよかった。でも、「あ、これで終わり?」って感じはちょっとあるかもしれない。「2.43」というこれまた高校の男子バレー部の小説をこの前読んだのだが、それとはタイプが違うかも。「2.43」は青春!って感じで爽やかな感じがするけど、この話はリアルな部活のドロドロ?っていうのかな、そんな感じがした。みんながぶつかりまくってて、ちょっと読んでて辛いときがあった。あと、登場人物たちを好きになれなかった。この終わり方もちょっと納得できない。でも、「そういう考え方もあるんだ」とか「やっぱ部活でいいことばっかじゃないんだな」みたいな自分の知らない世界を知れた感じ。

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2025年12月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「ハイキュー!!」からのバレーつながりで読んでみる。頭の中ではアニメ「2.43」のOP曲、yama「麻痺」が、本書を読んでいる間中ずっと鳴っていた。バレーの試合の描写は、思ったよりも少ない。怪我をした景と、先に進みあぐねている真島さんの二軸で物語が進んでいくところが、「ハイキュー!!」「2.43」と一線を画している。バレーの練習や試合のことだけじゃなくて、高校生がどんなふうに感じているかみたいな点に主眼が置かれているように感じた。

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2025年01月12日

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ネタバレ

青春もの〜〜〜〜って感じ。
バレーは体育でしかやったことないし、スパイクとかサーブ打つのめちゃ苦手だったかど、気持ちよく打てたら楽しいんだろうなぁ。

最終的には怪我して一瞬スランプになりかけた主人公もなんか復調する気配があるし、雰囲気悪くなりかけてたチームも上向きになりそうな感じで、よかったねちゃんちゃんって感じで終わるのが、ストーリー的には気持ちいいけどほんとにそれでいいんか?という気持ちになってしまった。
ほんとに性格の悪い大人になったことよ。

途中で出てくる同級生の位置付けはあんまりよくわからなかったけど、最後恋愛に発展しなさそうなのはよかった。
部活の話に恋愛を持ち込まれると萎えるから。

個人的に印象に残ったのは、主人公が同期で自分より下手なメンバーを下に見てることがバレバレで、本人から「俺のことあまりなめるなよ」(意訳)的なことを言われたシーン。
ああいうのって刺さるよねぇ…
でもこういう一言ってけっこう大事だと思うわけですよ。この小説の中でめちゃくちゃキーとなる台詞ではなさそうな感じだったけど、将来主人公が大人になった時に響いてくる言葉だと思った。
私自身も北村のことなめてて、どんくさいなって思ってたから、バレてたーって思っちゃったのかも。
人を見下すの、ほんと良くないよね。気をつけよう。

全然本筋と関係ないけど、本の表紙?折り込まれてるところ?に、「部活を辞めるつもりの北村だった…」って書くのはどうかと思った。
だいぶ序盤でそのあたりも説明されるからいいのかもしれないけど、ネタバレやーーんとずっこけてしまった。

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2024年10月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

バレーボール部を舞台にした高校生青春もの。怪我をした悩みのなさそうで悩める主人公と怪我の原因となった漫画家志望の隣のクラスの女の子。ボーイミーツガールの定番と部活をする意味をまっすぐたたえて爽やかな読み心地。

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2024年04月15日

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