あらすじ
一度も父と会ったことがなく、母と二人で暮らす詩織。本当の母親と死別し、新しい母を迎えた千秋。もうすぐ3歳になるのに言葉を話さない弟がいる璃子。中学3年でクラスメイトになった3人は、ある日、璃子の家に遊びに行くことに。そこで、璃子の弟が、千秋に頬にかみつく事件が起こる。璃子はその原因が詩織にあるという……。
そこから、仲良しだったはずの3人の関係がぎくしゃくし始める。そして、3人それぞれが抱える事情が明らかになり……。
俳句に打ちこむ中学生たちを描いた『わたしの空と五・七・五』でちゅうでん児童文学賞を受賞。突発性難聴をわずらった少女の新たな一歩を追った『蝶の羽ばたき、その先へ』で日本児童文芸家協会賞、および日本児童文学者協会・長編児童文学新人賞を受賞。注目の児童文学作家の最新作!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
シングルマザーのもとで育った詩織、ステップファミリーで育った千秋、発達特性の強い弟に悩む璃子、3人のシスターフッドを描く。仲違いを機会に、逆に理解を深めていく過程が愛おしい。
Posted by ブクログ
3人の女の子達それぞれの考え方や家庭環境。
ちょっとした出来事で吐き出してしまった本音という言葉のナイフ。
互いを傷つけた後。
自分の内面をさらけ出したり、相手を知るとこで見えてくるもの、見え方が変わったもの。
分かりやすく読みやすく書いてあるので、割と物事がすぐ解決したかのように感じました。
展開が早く次から次へスラスラと読めるので、女の子と同年代の子達にオススメできる本だと思いました。
Posted by ブクログ
小学校高学年向きの本を選書するのは難しい。これが中学校になると幅が広がるんだが。
これは、それぞれに複雑な家庭環境におかれた女子中学生の3人が主人公の物語。
互いに感情を抑えきれずにナイフのような言葉で傷つけあうが、悩みを共有することで解決方法を模索していく。
中学生って、本当におとなとこどもの間だからこそ、悩み続けるのかもしれない。
Posted by ブクログ
それぞれ悩みを抱える少女3人。中三で同じクラスになったことで交流が始まる。個人的にはとてもおもしろく読んだ。悩みを抱える子に手渡したいと思えるような本。
Posted by ブクログ
YA 作品です
中学生の女子3人グループ、それぞれの視点で、章毎に入れ替わりながら描かれています
表面的な付き合いだった3人ですが、あるきっかけから、お互いの家族の事情や過去の出来事などを知ることになります
今までお互い感じていた誤解や思い込みという枠を越えて、相手を理解していく過程が分かりやすく描かれています
Posted by ブクログ
中学。詩織、千秋、璃子の仲良し3人。ある時、璃子の弟のゆうの噛みつき事件によって、仲がギクシャクし、それぞれが背負ってきた背景と本音が徐々に明かされる。
各々が持つ環境の立場で経験してきたコンプレックスや声にならない想いを、考え共感することで読み手も心の溝を埋められる気がする。高学年でも読める話だが、中3と高校受験の話なので中学向けかな。
Posted by ブクログ
中3の三人の少女。一人の家に遊びに行った時に、その弟が突然噛んだことから、話が展開していく。初めは重苦しいが、三人それぞれの背景をよく読ませて、おもしろい。
Posted by ブクログ
中学生か小学生高学年向けの本ということもあり文章もシンプルで読みやすかった。
感情の移り変わりなどはどうしても読者に分かりやすくなっているぶん、本来は難しい問題もあっさり解決しているように感じてしまう。
ただ自分や他の人のコンプレックスに対してどんな態度で向き合うべきか、という点では本当はこれくらいシンプルに人に伝えてもいいのかも、と思った。