あらすじ
■人生というダンジョンに地図もなく放り出された私たちは、これからどう生きるべきか?
そんな疑問に対して、かすかな光を灯してくれるのが「主義・思想」。この世には、過去の哲学者・思想家によって確立された、いくつもの主義・思想が存在する。世界の賢人たちは、2千年以上も前から、理想の生き方や社会の作り方について考え、築き上げてきた。本書は、世の中の主義・思想を22章にわたって紹介。色眼鏡をかければ景色が違って見えるように、主義・思想を知れば世界も変わって見えるはず! 『インドなんて二度と行くか!ボケ!!…でもまた行きたいかも』、『感じる科学』etc.のさくら剛4年ぶりの最新作!
[目次]
Capter1 道徳 正しさについてどう考えるか
第1章 相対主義
第2章 功利主義
第3章 人格主義(カント主義)
第4章 利己主義
第5章 利他主義
Capter2 組織 身勝手な集団をどうまとめるか
第6章 社会主義①
第7章 社会主義②
第8章 資本主義
第9章 自由主義(リベラリズムとリバタリアニズム)
第10章 民主主義
第11章 ポピュリズム(大衆迎合主義)
Capter3 認識 曖昧な現実をどう捉えるか
第12章 合理主義と経験主義
第13章 スピリチュアリズム、オカルティズム
第14章 愛国主義
第15章 テロリズム
第16章 構造主義①
第17章 構造主義②
Capter4 幸福 自分の人生をどう生きるか
第18章 楽観主義 VS 悲観主義
第19章 幸福主義と快楽主義
第20章 清貧主義 VS 拝金主義
第21章 懐古主義
第22章 実存主義
【著者略歴】
さくら剛(さくらつよし)
1976 年静岡県浜松市生まれの作家。デビュー作の『インドなんて二度と行くか!ボケ!! …でもまた行きたいかも』が10 万部を超えるベストセラーに。以降、『アフリカなんて二度と行くか!ボケ!! …でも、愛してる( 涙)。』『三国志男』『( 推定3000 歳の) ゾンビの哲学に救われた僕( 底辺) は、クソッタレな世界をもう一度、生きることにした。』など著作多数。相対性理論など科学の世界を解説した『感じる科学』は、理研創立100 周年を記念した「科学道100 冊」に選ばれるなど高い評価を得ている。
この電子書籍は株式会社ウェッジが刊行した『君たちはどの主義で生きるか バカバカしい例え話でめぐる世の中の主義・思想』(2023年12月23日 第1刷)に基づいて制作されました。
※この電子書籍の全部または一部を無断で複製、転載、改竄、公衆送信すること、および有償無償にかかわらず、本データを第三者に譲渡することを禁じます。
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Posted by ブクログ
わかりやすくて面白い哲学書?で、不真面目なノリなのに、真面目に考えるべき内容を取り扱った本です。個人個人の道徳の話から国家の運営に至るまで、「主義」はいろいろありますが、絶対的な答えが無いのもまた、哲学です。著者の偏見や、主義の押し付けのようなものがなく、比較的公平に色々な主義について述べられています。
Posted by ブクログ
普通哲学の本というと、読むのめんどくさいになるが、そういうときに役に立つのは少し映画などわかりやすい例を挙げている本だけどこの本は、ギャグがたくさん出てきて笑っているうちになんとなく理解して、数回読むと面白いとまた思うしさらに深く理解ができます。(作中出てくる好きな言葉ノー論倫理)
Posted by ブクログ
この人はおふざけキャラを演じているが、本質を捉える能力に長けていると思う。
以前「感じる科学」を読んだ時に、理解した内容を知識の乏しい人に分かり易く伝える力がスゴイと感じた。
本書ではいろんな○○主義が登場する。
「どんな主義で生きてきたか」と問われても、○○主義って普段考えていない。
う~ん、面倒なことに関わりたくない「事なかれ主義」かな。
学生の頃は「完璧主義」で根性論で頑張っていた。
歳を重ねて元気度が低下して来ると「なるようになるさ」と「楽観主義」になって今に至る。
嫌いな主義はいくつかある。
自己中心主義 & 権威主義 & 金儲け主義 etc
自分は今後「どの主義で生きるか」と問われたら、「楽観主義」と「幸福主義」のミックスがいい。
なので、第4章で述べられていた、この2つの主義について少し整理しておく。
「楽観主義vs悲観主義」
ネガティブ推しの本は見かけないので、世間ではポジティブな感覚が良いとされている。
だが、悲観主義には「予想される失敗を回避するための準備をするようになる」という利点がある。
本番では楽観主義であるのがいいが、準備段階では悲観主義であることが大きな成果を生む。
要は場面によって使い分けられるのが望ましい。
「幸福主義と快楽主義」
人には「生きる目的」が必要。
目的がないと、わりと生きるのが辛いから。
大多数の人の目的は「幸せになる」こと。
不幸になるために生きている人はいないでしょうから。
「幸福とは知ることである」とはアリストテレスの考え。
何かを知ることが幸福につながるというのは共感できる。
「何かを知っていることは、人生を楽しくする」だから、いろんな本を読みたくなる(情報を得たくなる)んだ。
知識量が多いと、絵画を見たり、スポーツ観戦、あるいは散歩で草花を見るだけでも、感じる楽しさが増す。
幸福とは快楽である。心地よいと思える感覚を少しでも多く経験することを求めるのが快楽主義。
Posted by ブクログ
相変わらず面白い文体。さくら剛さんがある思想を分かりやすく説明するために、微生物やグロい古代魚も大量に参加しているランキングで自分は最下位10億位(モテないこと)、とか書いてて声出して笑ってしまった。相対主義や功利主義など、分かっているようで分かっていなかった様々な思想哲学のジャンルを面白おかしく、そして簡単に理解することができました。難しいことを噛み砕くレベルが天才で文才!!
Posted by ブクログ
大好きな作家さんです。
専門分野の方が扱う文章をある意味で否定し、興味を持ったその分野に疎い読書に寄り添うように優しく構成し、クスリと笑わせて理解を深めてくれます。
さくらさんが配信しているネットラジオで彼の人となりを理解していると何倍も楽しめます。
さくら剛さんの作品は全て新刊でいち早く読む人生と決めています。
Posted by ブクログ
発売日に書店で購入。楽しい時間はあっという間。読み終わっちゃって悲しい。この本を読むまで「ネオリベラリズム」と「リバタリアニズム」を混同していました。リバタリアニズムほんとに苦手で、受け入れられなさすぎて興味が湧いてきたので他の本を買って読んでみます。あーやだやだ自己責任。
Posted by ブクログ
幅広く主義の概要を知ることができた
自分の生き方を決めたくて読んでみたけど絶対これっていう結論が未だに出せてないから主義や思想は哲学なのかと
まだまだ時間がかかりそう
Posted by ブクログ
何か特定の主義や主張で幸せになれるとも思いませんが、だからこそ色々な考え方を学ぶという姿勢を大事にしていきたいと思っています。
本書は独特な語り口で、色々な主義を面白く分かりやすく説明してくれています。
その時その時の自分にとっての最適な考えを選べるようになるために、変わった視点が持てるようになるのはありがたいです。
昭和の攻略ルートと言われた人たちが実際にイージーモードと思っていたかどうかは分かりませんが、現代を生きる我々の人生は確かにハードモードだなぁ…と思います。
Posted by ブクログ
申し訳ない!見た目(表紙)で、内容の無いふざけた本だと思ってしまった。
が、ぜんぜんそんな事ありませんでした!
立派な方々が哲学書をそれらしく難しく書いてある本が多い中、こんなにも砕いて理解できない者のレベル(それ以下)まで降りてきてわかりやすく楽しく教えてくれる本は見たことがありません。
とても謙虚で、なんと頭の良い方なのだろうと感じました。
自虐が多めなので心配すらしてしまいますが、とても面白かったです。
Posted by ブクログ
さまざまな思想や主義を捉える「入門書の入門書」としては、すごく良いと思います。
ざっくり理解したい人、だけでなくざっくり説明したい人にも良いです。
本著の太字の部分はそんなに重要ではない、というか全くくだらない箇所になってる違和感もある意味で楽しい。
Posted by ブクログ
哲学で出てくる○○主義について、わかりやすく楽しく説明してくれる本なので、中高生にお薦めです。
分かりやすさ、イメージを捉えてもらう事に全振りしていますので、その主義そもそもの実態を捉えることには向きませんが、むしろ将来それに向き合う前に苦手意識を持たずに済む効用は期待できます。
個人的には、本作に漏れているものや若干の偏りが気になってしまうものがありますが、そもそもそういう厳密性の壁を壊すことが目的の本なので、良書であることは間違いないです。
Posted by ブクログ
『広く主義、思想を学ぶには読み易い良書』
表題の通り、面白い&分かり易い事例でとても読みやすかったです。
この手の話を深掘りする本を読む前に、下準備として読めば理解が深まるのかなと。
ざっくりと思ったことを下記。
・今の自分の結論は「自分の求める幸せ(家族&趣味)は守りきれるくらいの利己主義」かなぁ(笑)
・世界全体で一斉に社会主義にするのが一番って前から思ってるんだけどな…もはや幸福のために必要な発展は十分に達成している気がするんだが…まあでも、結局損したく無い人がいる限りこの螺旋からは降りられないんだよね、きっと(笑)
〈内容まとめ〉
チャプター1、道徳
相対主義
・「どちらにも正しさはある」と考える姿勢、「どちらが正しいのか?」ではなく、「正しさは立場によって異なる」、そして最後には「どっちもいいよね」「全部ありだよね」に到達するのが相対主義の考え方、最も古い
功利主義
・ポイントは「最大多数の最大幸福」、これは、社会の幸福の合計値がもっとも高くなるように、法や政治や人々の行動の指針を決めようという考え方
・相対主義の弱点、「倫理違反や悪の行為も認めるのが相対主義」の弱点に対してできた
・動物まで入れる?の論点も存在
人格主義(カント主義)
・全員が共通のモラル=実践理性(我々の誰もが、他人の人格を尊重し、良い行いを心がける実践理性を持っている、カント曰く)が命じる行動を取る
・相対主義のように倫理も崩壊しないし、功利主義のように少数派が犠牲になることも無い
・実行が難しい、純粋な善の行動というのは、時に苦しみを伴うから(例、餓死しても他の生物は食べない)
利己主義
・人間というのは道徳を守るために生きているわけではなく、ほとんどの人は「少しでも多くの快を感じながら生きる」ことを目的としている、道徳など捨て去って、「快の追求」のためにとことん利己的に行動する考え方
・「利他的な行動をしている人」はたしかにいるが、それは「利を受ける他人がいるという結果」から「行動が利他的」になっているだけで、その行動の動力は利己主義
利他主義
・「自分中心ではなく、他人を喜ばせたり他人に利益を与えるような行動を心がける」思想が利他主義
・利己主義を追求したいからこそ、そのためには利他主義になるべきだという考え方ができる、最終的にもっとも己が得する方法が実は利他的に行動することだったりする
チャプター2、組織
社会主義
・「平等を最優先する経済の仕組み」です。
「万学の祖」と呼ばれた哲学者アリストテレスは、「正義とは、平等が実現されている状態である」と述べました。
・が、対照的に社会主義では、あらゆる生産や商売を国家が管理します
・「資本主義の悪の部分を排除する」ことを主目的に考案された仕組み
・だったが、国家で採用した国は上手く行かなかった、発展しなかった
資本主義
・資本主義の下では誰でも自由に経済活動(起業やお金儲け)を行うことができます
・世界のほとんどの国は資本主義国になっている
P104、ロシア・中国のひとつの誤算は、「この地球がそもそも国と国とが競争をする『資本主義地球』であり、そして他の国々はほとんどが資本主義を採用している」ということ
自由主義
・資本主義を前提として、「ではどれくらいの自由がもっとも適切なのか」を考える、大きく2つに分かれる、下記
①リベラリズム
→自由は大事であるが、富を分け合って弱者を救済することもまた大事
②リバタニズム
→ 自由であればあるほど良い、保険制度は不要
民主主義
・いろんなことを多数決で決めるのが民主主義
・「民を主にする政治の仕組み」、なにかを決める時に王様や一部の支配者だけが決定権を持つのではなく、みんなで等しく権利を持つて、みんなで決めようという制度
・「素人の投票でプロを選ぶ」というシステム、その欠点が生み出すのが「ポピュリズム」
・ポピュリズム(大衆迎合主義)
→ 一般市民の意見を代弁し、彼らの利益を優先すると主張する政治活動や思想
P139、「素人の投票でプロを選ぶ」、この考え方は納得、結局印象とか握手したかとかで決めちゃうのかなと
チャプター3、認識
合流主義
・例えば「1+1=2」を我々が理解できるのは、「頭で考えればわかるからだ」とするのが合理主義
・人間は高等な生き物なので、あるいは神が知識を授けてくれたので、そういうことを理解できる「生まれながらの理性や知性」、すなわち生得観念がある
経験主義
・例えば「1+1=2」を我々が理解できるのは、「我々は人生において『1個の物と1個の物を合わせると2個になる』という事態を何度も見た(経験した)から理解できるのだ」とするのが経験主義
・「生得観念なんてものはない、日々を過ごす中で物が風に舞う風景や、『上で物を離すと下に落ちる』という現象を目にする経験を積んで、初めて『風は物を飛ばす』『物は上から下に落ちる』ことを学ぶ」と主張
スピリチュアリズム、オカルティズム
・違う言葉ですが意味はおおむね同じ、大辞林によれば両方とも「霊の存在をじて降霊や交霊の研究をする思想」ということ
・スピリチュアリズムが心霊を中心
・オカルティズムは占星術や錬金術なども含め「超自然的な力全般」を扱う
・「宗教」は死も扱うし現世での幸運祈願なんかもするわけなので、定義としてはオカルティズムに属する
愛国主義
・愛国主義とは、「愛国心を持ち、国のために尽くそうとする思想」のこと
・ただし愛国の対象となる「国」は、「国家としての日本」と、「自分の家族や友人、生まれ育った町や自然」などを想定する「郷土としての日本」という2種類に分類でき、前者に比重を置くのが「ナショナリズム」、後者は「パトリオティズム」となる、とはいえその境は曖昧だと言われいる
テロリズム
・テロリズムの定義は、「政治目的のために、暴力あるいはその脅威に訴える傾向。また、その行為。暴力主義」、つまり、暴力や犯罪に「政治的な目的」があれば、それはテロ
・主に「先進国の人類共通」で、「『テロ=悪』であり、いかなる理由があろうともテロは決して許されない」という考え方が浸透している
・そこには実は「テロリズム(テロ)の定義」を「敵がやる暴力がテロ」としている
チャプター4、幸福
楽観主義、悲観主義
・楽観主義と悲観主義。この2つは、日々起こる出来事に対してポジティブな感情で受け止めがちか、それともネガティブに反応しがちかという考え方の傾向です。
どちらが良いのか?というと言わずもがな、世間的には「ポジティブシンキング」
つまり楽観主義の方が良いとされています。書
・楽観主義のメリットは「予言の自己実現が働くこと」、「公表効果(達成したい事柄を公表、公言するとその内容を具体化させられる確率が上がる)」
・悲観主義のメリットは「しっかり準備するようになる(失敗を想像することにより)」
幸福主義
・「人生の目的」を「幸せになる」ことに設定する
・アリストテレスは「知ること」
快楽主義
・ソクラテスの弟子、アリスティッポスは「幸福とは快楽」、こっちが多数派
・ヘラクレイトスは「苦痛と快楽は対立しているけれど、その対立こそが快楽をより快適にする」
清貧主義、拝金主義
・清貧とは「富を求めず、正しいここないをしてきて貧しいこと」
・拝金主義は「金銭を無上のものとして崇拝すること」
懐古主義
・今よりも昔の方が良い時代であった、と頻繁に考える思想
・今を否定する理由は「他者を否定することにより、相対的に自分を肯定できる気がする」から
実存主義
・2つのモットーを掲げる主義
①実存は本質に先立つ
→ 辞書やナイフや身の回りのあらゆる物品は先に目的があって後から存在が来る、すなわち「本質が実存に先立つ」ということになる
ただし「人間は特別で、物とは逆、実存が本質に先立つのだ」というのがサルトルの弁、
私たちはなにかの目的のために生命という存在を与えられたわけではなく、なによりも先に、存在をしてしまっている
②人間は自由の刑に処されている
→「人間に特に目的とかはないよね」という考え方
<内容(「BOOK」データベースより)>
◎『インドなんて二度と行くか!ボケ!!…でもまた行きたいかも』、『感じる科学』etc.のさくら剛4年ぶりの最新作!
相対主義、功利主義、社会主義、資本主義、民主主義、ポピュリズム、
経験主義、オカルティズム、テロリズム、構造主義、実存主義…。
哲学から心理学、政治・経済まで!
世の中の「〇〇主義」が、バカバカしい例え話でよくわかる本です。
(例)
◎相対主義
―新選組も女子レスラーも陽気なインド人も……、人間は万物の尺度である?
◎社会主義
―過酷な競争で苦しむAKB48に社会主義を適用してみたらどうなる?
◎資本主義
―ショッカーが『打倒・仮面ライダー』の悲願を果たすためには?
◎構造主義
―リンクくんは「ゼルダの伝説」の世界(構造)から抜け出せない?
◎実存主義
―アルカトラズの囚人を襲った、刑務所より恐ろしい「自由の刑」とは? などなど