あらすじ
イラク戦争とは、ネオコンの正体とユダヤ人の関係とは、なぜオバマ政権は誕生したのか。根源的な問いに答える究極のノンフィクション!――イラク侵攻作戦を指揮したトミー・フランクス司令官が、ダグラス・ファイス国防次官を「地球上で最低のくず」とののしった話は有名だが、ブッシュ政権内の内部抗争は、なぜここまでエスカレートしてしまったのか。陰謀渦巻く街、ワシントンDCで繰り広げられた血なまぐさい暗闘のすべてを明かす。
●本書に登場する主な人物
ジョージ・W・ブッシュ大統領――イラク戦争開戦を決めた最高司令官
コリン・パウエル国務長官――イラク戦争に反対してネオコン勢力と対立
ポール・ウォルフォウィッツ国防副長官――リアル・ネオコンと呼ばれる男
アフマド・チャラビ―ー亡命イラク人組織「イラク国民会議」指導者。アメリカを戦争に引き込んだ男
バラク・オバマ大統領――イラク戦争開戦時は上院議員。議会の開戦決議には反対票を投じた
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Posted by ブクログ
先ごろオバマ大統領が米軍のイラクでの戦闘任務の終結を宣言した。7年5ヶ月に及ぶ戦いで米軍に4,400人もの戦死者を出し、イラク国民の犠牲者は10万人にも上るという。また、米国だけで7,000億ドル(約58兆円)を超える戦費は米経済の重荷となり、リーマンショックの伏線となったと見る人もいる。
本書は、この中東諸国の政治秩序を揺すぶったイラク戦争の総括であり、いかに大国が無謀な戦争へと突き進んでいったか、緻密な取材内容や関係者のインタビューなどを下に構成されている。戦争を食い物にしようとするアフマド・チャラビや「カーブボール」のような輩の虚言、米国政府内で存在感を誇示しようとするウォルフォウィッツ、リチャード・パールなど「ネオコン」一派と、それに対する国務省、CIAに代表される「リアリスト」との暗闘など、複雑に絡み合った利害関係が悲劇を生んだ