あらすじ
地域住民が発案・協働し、手づくりの技で、身近な生物の生きる環境を回復する「小さな自然再生」が全国で進んでいる。北海道で地域住民の発意により行なわれている小さな自然再生、とくに「手づくり魚道」の取り組みを紹介しながら、地域の人々にとって身近な自然やそれと結びついた風景はどんな存在なのか、地域の力でそれを取り戻すことの意味は何かを問う。
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Posted by ブクログ
小さな自然再生についての貴重な本、と思い手に取る。
北海道の河川で落差工の魚遡上対策(簡易魚道)をNPOが中心となり住民や技術者(岩瀬さん!)を巻き込んでやったという事例の記録・発表は立派。
また、(それ以上に?)岩瀬さんのインタビューで考えや言葉がつづられたことも大変に貴重(良い内容!)。
但し全体的に「大きく出て」いて、、
北海道の事例に留まっていることは物足りない(それなのにタイトルが大きくでている)し、
前段で延々と釜石(防潮堤)や酪農の話、ラストの桜の植樹の話、さらには桑子・大熊・内山といった大御所の方々の名前や言葉をたびたび引いている(そうすることでとにかく「大きく」見せている)感は、
あたあも自分たちの活動が「正しい」「善い」と言わんばかり(現代建築家風)で、なんだかなーとも。
近代の土木技術は、、とか語ってしまうあたりも、学生か評論家気取りで、なんだかなーと。
※心に残ったこと
・(P.66)三角水制による簡易魚道を構想するにあたり、「地元参画」「現地素材」「自分の学習」と岩瀬さんが軸を設定したこと。
・(P.84)個人がもつ「小技術」、コミュニティワークとしての「中技術」がかみ合った(=見試し)という言い方。大熊孝による「小/中/大技術」(技術にも自治がある)参照。
・(P.128)開発局が地元に対して、強度の構造計算書を求めた→それに対して何度も提出したという話。それにより占用の許可を得たという話。それくらいの継続的なエネルギーなくしては成り立たないよなあと。
・(P.137)資金面の継続性のため、民間の助成金のほか、表彰による賞金獲得も意識するようになったということ。
・(P.197 岩瀬さんインタビュー)
- エリートは現場を知りません。役所の人は現場に行きませんから。
- 「見試し」の積み重ねを通して、そこ(基準通り、理屈)を変えていきたい。
- 石橋の棟梁は1年くらい現場に通ってひたすら川の「癖」を見るそう。
- 川はもともと、人ではなく、川がつくるもの。
- 多自然とは、「科学的に川をつくりなさい」という考え方。「自然性」を科学的に詰めて川をつくりなさいということ。
・(P.207 〃)
- 流域治水のためにも、川に入り、水と関わる経験は有用。環境学習、防災学習は、身近な場所で継続することが大事。