あらすじ
周りに合わせ、作り笑いばかり浮かべてしまう八枝は自分の笑顔が嫌いだった。そんな中、高校に入り始まった“ペアリング制度”。相性が良いと科学的に判定された生徒同士がペアとなり、一年間課題に取り組んでいく。しかし、選ばれた八枝の相手は、周りを気にせずはっきり意見を言う男子、沖浦だった。相性は98%、自分と真逆で自由奔放な彼がペアであることに驚き、身構える八枝。しかし、沖浦は「他人じゃなく、自分のために笑ったら」と優しい言葉をくれて…。彼と過ごす中、八枝は前に進み、“自分の笑顔”を取り戻していく――。
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Posted by ブクログ
クラスメイトから笑い顔がヘンと言われ、自分に自信をもてない子と、『ペアリング制度』によりペアになった男の子を中心とした物語。
「無責任な誰かの言葉のせいで、自分の心を苦しめる必要なんてない」
ホントそれ。と思うけれど、実際は気になって仕方がないのは共感します。
年齢を重ねるにつれて、いい意味でも悪い意味でも図々しくなるけれど、本音を伝える難しさも、学生時代感じていました。
今、学校生活の小さなささくれでモヤモヤしている学生さん達に読んでもらいたい、素敵な物語でした。
Posted by ブクログ
とまとちゃんは、繊細なティーンのあれこれを描くのがほんとうにお上手。
こんな制度あったらわたしならドロップアウトしちゃうけど、真摯に向き合って学校生活送るキャラのみんながかわいいし愛おしい。
自分のことを好きでいるのって実はめちゃくちゃエネルギーがいることなんだけど、自分で自分のご機嫌をとって生きていく術を若いうちに手にできたら世界はずっと生きやすくなるよね。
義務教育で「みんな仲良くしましょう」なんて押しつけるのやめて、ぜひとも自分で自分の機嫌をとって生きていきましょうと教えて欲しいわ。
あとねー誰かの発した「やめて」を一度できちんと聞いて受け入れる人間になりたいよねー
冗談だよ、とか、そんなつもりじゃないとか、そんなことどうでもよくて、本人が発した「やめて」をきちんと受け止められる人がひとりでも多くなったら、もっと生きやすくなるのにね、とやめてを聞き届けてもらえなかった大人は思います。