あらすじ
女は、旦那様に一生愛されるのがしあわせなのよ――。珠美子にそう語っていた母・園枝が急死した。有毒植物が体内から検出されたという。事故か自殺か、それとも。困惑のなか遺品整理に出向いた珠美子だったが、そこに端正な顔立ちの若い男性・雪仁が訪ねてくる。園枝の死を知った彼は震えて嗚咽した。良妻賢母の見本のような園枝と雪仁の関係は……。すれ違いながら衝突する母娘を描く連作集。(解説・三宅香帆)
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Posted by ブクログ
母親病と聞いて少しミステリー系かと思ったが他者に認めてもらう、自分という存在を認めてもらうという意味で女性が家事やり男性が外で働くという古い価値観はもう通用しないと改めて読みながら感じた本だった。そして女は、母親と言う存在は恋をしてはならないのか?とも思った。
Posted by ブクログ
母親病と聞いて、私が思っているものと違った。
母親病って毒親のことかな?母親と娘との間のトラブルや葛藤かな?って思っていたけれど、違った。
この本に出てくる母である園枝さんの良妻賢母でいようとする気持ちや思いには共感はできなかった。
解説を読んでみて、結婚し、主婦として良妻賢母であろうとも、女性として生きたい、でも行き場がない。誰かに承認されたいということだった。
園枝さんの承認は性欲を通しての承認だった。
性欲以外にも、趣味や仕事、他にも選択肢があるのにと思いつつ、園枝は性欲の道を選んで、女性として生きたい気持ちが何倍も強かったんだろうなと思った。
母親病の娘、息子たちも、そんな母親病の母に育てられると、当然トラブルや葛藤も起こる。娘、息子たちも、またどこかで「承認」を欲する。
園枝さんが亡くなったのは事故か、自殺か、殺人かは本を読んでからのお楽しみ。