あらすじ
心を病んだ恋人との生活に耐えきれず、ストロングゼロに頼る女。年下彼氏の若さに当てられ、整形へ走る女。夫からの逃げ道だった、不倫相手に振り回される女。推しのライブ中止で心折れ、彼氏を心中に誘う女。恋人と会えない孤独な日々で、性欲や激辛欲が荒ぶる女――。絶望に溺れて掴んだものが間違っていたとしても、それは、今を生き抜くための希望だった。女性たちの疾走を描く鮮烈な五編。(解説・朝井リョウ)
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
〜1周目〜
2024.04.29
女の小説という感じ。
女の人はどこかしらに、何かしらに依存していて、それが人なのか、モノなのかは人それぞれ。
心の拠り所を失うときには他にも綻びが出て、生きていけなくなる。
生きていくのが怖くもなる、身の回りの物語なのだという感覚になった。
Posted by ブクログ
『テクノブレイク』が面白すぎる。コロナ禍の神経質さに絡む狂気。母親へのスタンプ5回送信。ゴキブリの出現。プルダックポックンミョン連呼しすぎ。ぶっ飛びすぎて笑うしかない。小説を読みながら爆笑したのは初めてかも。最後は切ない。
#金原ひとみ
#プルダックポックンミョン
Posted by ブクログ
◾️record memo
小さい小さい嘘を重ねて少しずつ自分のイメージ操作をする彼といる間、彼の作り上げた虚構の世界に付き合わされ、ずっとディズニーランドに生きているような気分だった。最初の一ヶ月は楽しくて仕方なかったけれど、半年経つと疲弊が蓄積し、一年も経つとハリボテの裏を知り尽くし、その虚構性に嫌悪しか抱かなくなった。
皆は一体他のどこにそんな要素を見出せるのだろう。何が彼らの足場となり、普通に立っていられるのだろう。それとも足場などなく、普通に地面に立っているのだろうか。だとしたら私が直接地面に立てず足場を必要としているのは何故なのだろう。
結局のところ、明日死ぬかもしれない世界で、何歳で結婚何歳で出産何歳でマイホーム何歳で昇進何歳までに幾ら稼いで老後資金コンプリート、みたいなことを考えている人は、私にはコントロール・フリークにしか見えないのだ。広告代理店的な受け売りの欲望の奴隷である彼らは、もし着実にその欲望を叶え続けたとしても永遠に自由を手に入れることはないだろう。
本当の理由は「なんか」だ。「なんか好きじゃない」の「なんか」が重大な理由だ。人は「なんか」好きになるし、「なんか」好きじゃなくなるし、「なんか」セックスをしなくなる生き物なのだ。確固とした意志、信念、理想がありそれに則って生きている人間が果たしてどれくらいいるだろう。憶測でしかないがだいたい人口の五パーセント程度だろう。
「俺は茜音ちゃんと結婚したいよ。それが最上。結婚が無理なら、ずっと一緒にいたい、それが無理なら、定期的にセックスし続けたい、セックスが無理ならただ会い続けたい、それが無理なら連絡とり続けたい、とにかく茜音ちゃんと繋がってたい。繋がり方は茜音ちゃんの望む形でいい。でも本当は結婚したい」
頭の中に何があろうと、今の私は夫に全てを捧げているようでもある。私は夫のことが好きなようでもある。そういうものだから、セックスはそれ自体が暴力なのだろう。
人は自分の内面をさらけ出せば出すほど、その大したものの出て来なさによって、底の浅さを認識する。でも元々大したものでもない自分に何かあると妄想してしまうことの方がよっぽど恐ろしいことであるはずだ。
今の会社に転職して三年、どこかで馴染めていない気がしていた。いや、私は最初にBAとして働き始めた時から一度も、自分が職場に馴染んでいると思ったことはなかった。イベントや企画を成功させても、上司に評価されても、後輩に慕われても、どこかで疎外感を抱いていた。
自分の趣味でないものを頭ごなしに否定するのは、若い男にありがちな傾向ではあるが、そういう子供っぽい面を見せても大丈夫な相手と思われているのかと思うと情けなくなる。
この人に全てを差し出したいと願った。私はなぜこんな願いを持つのだろう。全てを差し出したら私はなくなってしまうし、向こうだって全てを差し出されても困るだろうに。
全ての恋愛は洗脳的な側面を持っている。それは宗教が恋愛に似ていることによって証明されている。
「子供を欲しいと思ったことがない」「自分のことが嫌いだから、そういう人間を再生産してしまうのかもと思うと子供を持つことに前向きになれない」
嫌だな。行き交うサラリーマンたちを見つめながら思う。だっさいスーツ着てだっさい鞄持ってだっさい仕事すんのか。
激しくとっ散らかった火花をバチバチ弾け飛ばしてふっと消える花火。沙南のことを思う時、いつもそんなイメージが浮かぶから、ずっと彼女の周りに風除けの手を差し伸べ、強い風から守ってきたつもりだった。彼女の火を絶やしたくなくて、風が当たらないように雨が降らないように生き急がないように、守り続けてきたつもりだった。
左手で浴衣の袖を内側から握り、沙南の頬の涙を拭っていく。次から次へと溢れてくる涙を拭い続けながら、沙南の涙を拭う仕事があればいいのにと思う。
Posted by ブクログ
最後の章が1番好きだった。全能感に打ちひしがれていた無敵の二人はコロナウイルスの蔓延によって信頼を失い、芽衣はシェルターに閉じ籠るようにして生きるようになった。それは生きていると言えるのかはわからないけど、誰にも迷惑をかけないしコロナに罹ったり誰かを感染させたりする心配もなく、ひどく自己完結的な生き方だと思った。喘息持ちの芽衣に心から向き合っていない蓮二と、同じく蓮二そのものに向き合う気のなかった芽衣。
Posted by ブクログ
コロナ禍の話が1番私に近かったかも。恥
結構、性描写が露骨なので大分読み飛ばした。
自分の楽しみ(欲)のために嫌な事(社会的にさせられること、やらなあかんこと、やりたくないけど無我の境地でしたこと)を無理して頑張ったのに、その楽しみが無くなってしまい、パリンと心が壊れたりピンと張っていた糸が切れたような感覚に陥るっていうのが今回の短編集の共通項のひとつ、なんだけど、コレ分かりみが過ぎる!!
一個一個積み上げてきた、と思ってたのに、今までやってきたことに意味は無かったのかな、とかがやるせなさ、に繋がるのかな。
鬱っぽさ。もテーマ。そして、その原因もはっきりせず、なんかなのも、なんか分かる!言語化してしまえないまんまなのが更に頷く要素。
逆にえ?なのはアウトゾーンにいっちゃうというか、モラル内に全然とどまれてなくて逸脱しないと生きてけない、とかダメな人に優しくしちゃう、とか連絡取り続けちゃうところ。現実じゃありえない。
なんかね、生きづらさ、をハツラツと書いてて、でもそんなダメなやつを自愛するでもなく流されちゃってるんです、でも終わりにしないといけないの分かってて。ただそこまで執着して行き着いた先に待ってるのは他人に迷惑かけてないし、罰せられるようなこともしてないよね。で、話が終わるのが、正しさを読者に押しつけてなくてほぉ、てなった。作家として10代の頃から活動されていたら上から物を言いたくなりそうなものなのに、そういう説教めいたものを感じないのが凄いところだと思う。
すがるってあんまり分かんなかったけど、こういうことかー。私だいぶ旦那さんにすがった発言日常的にかましてるけど、こう客観的に読むと、自身のことが白けてくるなーってなった。